1. 最適厨房ホーム
  2. 先進ガス厨房事例トップ
  3. 目黒区立碑小学校

先進ガス厨房事例 目黒区立碑小学校

DATA
[所在地]
東京都目黒区碑文谷1-18-2
[URL]
http://academic2.plala.or.jp/meisbmeh/
[開設年月日]
明治12年1月20日
[厨房の面積]
厨房全体250m2:主厨房(調理室・下処理 室等)150m2、洗浄室32m2
[1日の食数]
約520食(児童数462人、教職員数28人)
[主なメニュー]
米飯を多めに、栄養バランスを考えた和・洋・中のメニューのほか、年5回のお弁当給食やリクエスト給食などを実施。七草など風習や季節感を大切にし、旬の食材も多彩に取り入れている。

区立小中学校で、初の「涼厨®」導入、厨房の快適性が生み出す充実の給食づくりとは?

目黒区立碑(いしぶみ)小学校は、明治12年に東京府第二中学区三十七番公立学校として開設された130年の歴史をもつ伝統校です。隣接する円融寺や碑文谷八幡をはじめ、立会川緑道、清水池公園など、閑静で緑豊かな周辺環境に恵まれ、児童は学校内外での「かかわりあい」を大切にした学習活動や集団活動を楽しんでいます。
平成19年12月には新校舎が完成し、区立小学校ではじめて「涼厨®」を導入した新しい厨房での給食づくりが始まりました。現在では、その快適さから余裕が生まれ、ひと手間かけたイベント給食も充実。献立の解説とともに調理の様子を毎日ホームページで公開するなど、ユニークな食育活動が行われています。

厨房レイアウト

ランチルーム
ランチルーム
校舎3階の日当たりのよいランチルームには、120人分の木製イスとテーブルを用意。祖父母を招いた招待給食や異学年交流など「かかわり」を学ぶ場として活用されている。
見学室
見学室
調理室にはガラス越しに調理の様子が見られる見学室を併設。毎週水曜には児童が自由に訪れることができ、食への関心を高めるきっかけになっている。

1.「涼厨®」&ドライ厨房で、快適厨房を実現。

新校舎建設を機に計画されたのが、涼しいガス厨房機器「涼厨®」を導入した新しいタイプの給食厨房です。従来と同じ使い慣れたガス調理機器でありながら、厨房環境を涼しく快適にし、給食調理につきものだった重労働を著しく軽減させました。
さらに、空調設備を導入することで、冬の底冷えや夏の蒸し暑さから開放され、一年中作業しやすい服装が可能に。また、ドライ床は足腰の冷えもなく、クッション性のある床材で疲れにくいのも特長です。
新しい厨房は、天井が高く、外光も取り入れた明るい空間で視界が広がり、厨房特有の息苦しさをまったく感じさせず、調理者に新たな意欲と余裕を生んでいます。

回転釜(涼厨タイプ)
回転釜(「涼厨®」タイプ)
大量調理の中心となる5台の回転釜は、「涼厨®」タイプを導入。機器からの輻射熱をカットし、燃焼排気が直接フードへ捕集されるため、空調の効きも良く作業環境が快適に。また、機器表面温度が低いため、火傷の心配をせずに体を近づけて作業ができ、調理がしやすい点も好評。
空調
空調
通常の換気設備でありながら、空調がしっかり効くのは「涼厨®」のおかげ。一年中快適な温度に保つことができる。

2. スチコン&ガス回転釜が、威力を発揮。

給食のような大量調理では、機器の自動化が大きな効果をもたらします。たとえば、フライ用の回転釜は、油温を一定に保つ機能とともに、離れていても油温を確認できるデジタル表示で作業効率がアップ。一度に複数の作業を無理なくこなせます。またスチコンは、メニューの幅を広げる、手間がかからない、おいしく仕上がるなど調理上のメリットだけなく、フライパンや鍋などの洗い物の量も減らすことができるため大活躍です。

ガススチームコンベクションオーブン
ガススチームコンベクションオーブン
新たに導入したスチコンは、今では欠かせない調理機器。さまざまな卵料理のほか、これまで大量調理では手間がかかるため諦めていたメニューにも挑戦できる。庫内は自動洗浄でき、面倒な洗い物が減る点も大きなメリット。
T・T管理できるガス回転釜(フライ仕様)
T・T管理できるガス回転釜(フライ仕様)
時間と温度(T・T管理)が自動設定できる揚げ物用の回転釜。
豊富な米飯メニューを支える立体炊飯器
豊富な米飯メニューを支える立体炊飯器
週2回の米飯は、パワフルなガスの立体炊飯器でおいしく炊き上げる。

3. スタッフが率先してきれいにしたくなる厨房。

汚染区域(検収室、下処理室、洗浄室)と清潔区域(調理室、配膳室)を部屋として区切り、人や食材の流れをルール化することで交差汚染を防止し、作業者に負荷をかけることなく衛生管理を行っています。また、水洗い後もすっきり乾くドライ床や温湿度を適正に保つ空調設備の導入も衛生性を保つポイントに。設備や機器の掃除のしやすさも手伝って、スタッフが率先してきれいにしたくなる厨房になっています。

検収室
検収室
毎朝7時には、その日に使う食材が納入される。
下処理室
下処理室
下処理後の食材は、カウンターやパススルー冷蔵庫越しに調理室へ。
洗浄室
洗浄室
隣接する調理室との間に、パススルー食缶消毒保管庫を設置。
ドライ床・排水
ドライ床・排水
〈A〉ドライ床用の可動式調理台。床を汚さず排水ができる。〈B〉機器下にゴミが入り込まないコンクリートベース工法。〈C〉床の水洗いを容易にするライン状の排水溝。開口部が小さいので臭いも防げる。〈D〉床掃除が楽にできる脚を高くした機器。

また、水分と栄養を排除できない厨房では、菌が繁殖しにくい温度・湿度に環境を保つことも重要なポイ
ントです。ここでは、きちんと空調を機能させ、適切に温度・湿度をコントロールすることで、作業者にとっての快適性の実現のみならず、食品や什器を衛生的に保つためにも役立っています。
さらに、毎日スタッフの作業分担を決め、エプロンを色分けして作業上の交差汚染を防いでいます(調理:青、肉を運ぶ:赤、卵料理:黄、配缶:水色)。他にも、手洗の方法を写真付きで表示するなど、作業者の衛生意識向上に努めています。

ご利用者に伺いました!

残菜がないのが本校の自慢です!

栄養職員 阿部ミヨ氏
栄養職員
阿部ミヨ氏
(平成21年1月14日取材時ご在任)
限られた予算の中で、いかにおいしく楽しい献立にするか毎日頭を悩ませていますが、子どもたちには大変評判がよく、ほとんど残菜がでません。年5回のお弁当給食や毎月のリクエスト給食などイベントも大切な要素。手間はかかっても食の楽しさを学ぶいい機会になります。
毎日の献立はひと言ポイントを添えて調理中の写真とともにホームページで公開中です。また、できたてのおいしさを保つ二重食缶や、屋上菜園で子どもたちが収穫したサツマイモを献立に加えるなど、みんなが一層おいしく食べられる工夫をいろいろ考えています。

ご利用者に伺いました!

「涼厨®」のさまざまな効果を実感!

給食調理チーフ 小泉公孝氏
給食調理チーフ
小泉公孝氏
厨房が涼しくなって快適に感じるのはもちろんですが、たとえば、ライターなしで回転釜が使用できたり、体が釜に触れても火傷の心配がないため、混ぜたりする時に力が入りやすくなったりと、細かい点でもいろいろ作業性が高まり助かっています。
働く環境が向上すると、自然にスタッフにも余裕が生まれるようで、新たなメニュー開発にも意欲的に取り組んでいます。翌日の調理分担やスケジュールを決める打ち合わせも毎日行い、スタッフ8人の息のあった連係プレーで多彩でおいしい給食作りに励んでいます。
このページの関連記事はこちら

先進ガス厨房事例トップへ戻る