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先進ガス厨房事例 RESTAURANT SANT PAU(レストラン サン・パウ)

DATA
[所在地] 東京都中央区日本橋1-6-1 コレド日本橋 ANNEX
[電話] 03-3517-5700
[URL] http://www.santpau.jp/
[開店日] 平成16年3月30日
スペインの「二つ星レストラン」が東京に出店。 その「快適厨房」を実現するための工夫とは?
いま世界で最も先進的な美食の国として注目を集めるスペイン。「RESTAURANT SANT PAU」(レストラン サン・パウ)は、そのスペイン・カタルーニャ地方、サン・ポル・デ・マルにあり、ミシュランガイドの二つ星レストランとして高く評価されています。
山崎シェフ
平成16年3月、東京・日本橋にオープンした「RESTAURANT SANT PAU」は、スペイン本店っとまったく同じ料理とスタイルを実現しています。例えば食材。日本の食材の方が良い場合は日本のものを使いますが、それ以外の特にオリーブオイルや胡椒などは、カタルーニャ地方のものしか使わないという徹底ぶり。料理に対して限りないこだわりを持つ「RESTAURANT SANT PAU」は、その厨房にも多くの特長を備えていました。

今回はシェフ・山崎さんに、同レストランの厨房についてお話を伺いました。

1. 「快適さ」を追求した厨房環境
22℃50%を示す湿温度計

お話を伺う前に湿温度計を確認する。厨房内は温度22℃、湿度50%で、快適な環境であることは言うまでもなかった。厨房内のスタッフも料理に集中していた。

山崎シェフ 「RESTAURANT SANT PAU」の厨房には、快適性を実現するための様々な工夫が盛り込まれています。その一つが、天井換気システムです。天井が高く感じられて圧迫感がなく、まさに軽やかな気分で料理ができます。スタッフ同士のコミュニケーションも大変とりやすい。また照明が等間隔のピッチで外光も加わって明るいので、お皿の指紋などもわかりやすく、料理に大変快適です。以前働いていた所にあった箱形の排気フードと違って、緩やかな空調で雑音がない分、料理に集中できます。

それから、涼しい。それが何故重要かといいますと、加熱調理と反対側に位置するコールドテーブル側ではチョコレートもやるんです。温度が高いと溶けてしまったり、温度調節が難しくなるので、温度はその意味でも大切なんです。

快適さを追求した厨房。上部には「天井換気システム」が見える。
2. 「魅せる」ことを前提とした厨房
まな板は、野菜用には緑色。その他にも、肉類は赤、魚類は黄色、フル-ツ類は青色と、食材によって色分けした管理を行っている。

厨房は、スペイン本店を忠実に再現したオーダーメイドキッチン。広場に隣接する壁面は全面ガラス貼りで、外からもスタッフたちが働く様子が伺え、開放的な躍動感を演出している。余計なものが見えない配慮が行き届いた収納や、清潔感あふれる厨房機器など、まさに「魅せる」厨房というにふさわしい。

山崎シェフ 掃除は1日2回、昼の営業後と夜の営業後に行っています。全員でやれば15分程度で終わりますから、掃除に割く時間はかなり短いのではないでしょうか。その理由は、後々の清掃のしやすさを考慮した設計にあります。例えば、アイランド(加熱機器が集中している料理ゾーン)をブリッチスタイルにしていること。またワーキングテーブルやコールドテーブルと床とが隙間なく加工されているので、それらの下までブラシを入れる必要がないことなどです。掃除が簡単な設計だから、いつでも清潔さを保っていられます。

3. 随所に見られる「人に優しい」工夫
スリット(床構造)は、出来る限り床の排水用の開口部を少なくする工夫の一つ。

スペイン・カタルーニャ地方は、海の幸・山の幸ともに豊富。四季がもたらす自然の恵みに感謝し、その表れとして肉料理にも魚料理にも季節の野菜やフルーツをふんだんに使う。開放感あるふれる厨房も、四季の移り変わりを感じながら料理できる理想的な環境。そして随所に人に優しい工夫が施されている。

山崎シェフ アイランドのガスレンジのツマミも、特別に作ってもらったものです。重厚感がありますし、調節が細かくなっているので使いやすいですね。またアイランドのゴトクが角張っていないのは、掃除をしやすくするために丸くしているのです。これはスペイン本店と同じ特別仕様のものです。また排水用の開口部も、出来る限り少なくしています。開口部が少なければ、余計な湯気や臭いが立ち込めることもありません。

「RESTAURANT SANT PAU」の厨房は、見られるということを考えて、いつもフラットな状態、片づけが終わったら何もない状態にしています。一日のほとんどの時間をここで過ごしますから、清潔で開放感があり、快適な場所にしておきたい。素材の味わいを素直に表現するカタルーニャ料理には、それに相応しい厨房が必要だと感じています。

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