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先進ガス厨房事例[第10回] 医療法人社団 白寿会 介護老人保健施設 玉川すばる

DATA
[所在地] 東京都世田谷区瀬田4-1-14
「食」に重点をおいたケアサービス。 介護施設における万全の調理体制とは?
介護老人保健施設(※)・玉川すばるは、多摩川を望む静かな住宅地に立地。5階建ての建物の最上階には、多摩川が一望できる広いデッキが設置されています。玉川すばる事務部総務課・課長の和田聖史氏に、入所者の体調管理に重要な役割を担う、「食」のサポートについて伺いました。
(※)介護老人保健施設とは、要介護の認定を受けている高齢者の方に看護や介護、リハビリなどのケアを行う支援施設です。
1. 自宅介護の支援施設
和田聖史氏
事務部総務課 課長の和田聖史氏

介護老人保健施設には、65才以上で要介護認定を受けている方が入所しています。寝たきりの方から自力で動ける方まで、状態はいろいろですが、一定期間のケアサービスにより、自宅介護にもどれるようにするのがこの施設の目的です。玉川すばるでは中・長期・ショートステイ・デイケアを用意し、利用者の側に立ったケアサービスを行っています。
「介護老人保健施設は特別養護老人ホームと違い、住所を移さずに入出所できる中間施設と言われています。状態にあわせて入所期間は設定できますので、寒い時期はここで過ごしたり、こちらで栄養補助を受けて体力をつけてご自宅に戻っていただいたり、その繰り返しでもいいんです。ご自宅の延長と思って上手に利用していただきたいですね。」(和田氏)

2. 食べる意欲を創出する

玉川すばるでは、入所者一人ひとりの介護レベルにあわせて、看護士・介護士・医師・管理栄養士がチームを組んでケア目標を設定し、介護・リハビリプランを作成しています。特に「食」は生きるための基本。口から食べることに重点をおいた栄養プランを立て、食べる楽しみや喜びを感じてもらえるようにしています。
「食べることは、どんな状態になっても楽しみなものです。薬に頼らず、できるだけ口から食べていただくようにする。食べさせる、というのではなく食べる意欲を持ってもらえるような工夫が必要です。そのためには管理栄養士を始め調理スタッフが、こういうおいしいものを作ろうよ、というモチベーションをあげていくことも大事ですね。」
さらに団塊の世代の入所も視野に入れ、将来的には個人の嗜好にも対応できるようなプランも想定しているとか。「管理栄養士がそれぞれの好みや栄養状態にあった個性あるレシピを作成するなど、きめ細かな対応ができるようにしたいと考えています。例えばハンバーグが食べたいなどの要望が出れば、できるだけ希望に添えるようにしたいですね。」(和田氏)

3. 厨房設備の工夫

入所人数は最大で156名。通所は50名。満食で200食の用意をする厨房は地下1階に位置します。そのため厨房内環境には十分配慮しており、特に給排気と空調が効率的に行えるよう意識された設計になっています。
「この施設での「食」は命に関わるもの。仮に停電などのトラブルがあったとしても中断することは許されません」と和田さん。そのため調理機器はガス・電気のエネルギーミックスにより熱源を多様化し、継続して提供できるような万全な体制となっています。
さらに下処理エリアと調理エリアとはパススルーの冷蔵庫・戸棚で仕切って相互汚染を防止。衛生性・作業性に考慮しています。シンクには水跳ねを防止するための水かえしを特注したり、シェルフには調理器具についた水滴で水たまりができぬよう下段に排水口を設けてドライ仕様にしたりと、雑菌の繁殖をおさえる工夫が随所になされています。

床と壁のR加工 ティルティングパン排水溝
床と壁の境界はゴミがたまらないようにアールに加工をしてある。 清掃性を考えてステンレス仕様を採用したティルティングパン排水口。
ドライ仕様シンク ドライ仕様シェルフ
特注の水かえしをつけたドライ仕様シンク。内側はアールになっているため、清掃性に優れている。 下部に水切り用の排水口をつけたドライ仕様シェルフ。水が溜まらないため雑菌の繁殖を防ぐことができるので衛生的である。
4. 介護は「何を欲しているか」を察する気持ちから

平成12年に介護保険制度がスタート。以来5年が経過したにもかかわらず、介護保険施設の認知度は低く、介護そのものに対する理解もまだまだのようです。「介護というと皆さん暗いイメージをお持ちですが、現場はそうではありません。大変アカデミックな世界です。入所している方には個性もあるし病気の状態も違います。自発性を重んじてサポートしてさしあげるために最善の方法を考える。介護は、何を欲していらっしゃるのかを察知する気持ちが大事です。」(和田氏) 
入所者の機能回復をめざしてスポーツの要素も取り入れ、筋力トレーニング機器を設置。これからは音楽やダンスなどアミューズメントの面でも充実を図っていきたいとか。
介護老人保健施設・玉川すばるは新しい介護の世界を模索し、「食」「スポーツ」「娯」の環境整備にチャレンジしています。

コンロ ティルティングパン
スチームコンベクションオーブン 炊飯器
病院や介護施設では、食事の提供は最優先される。エネルギーミックスで、不測の事態に備えて万全の調理体制をとっている。
1. コンロ(ガス)
2. ティルティングパン(ガス)
3. スチームコンベクションオーブン(電気)
4. 炊飯器(ガス)
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