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最適厨房の「常識&非常識」中級編/厨房メーカーさまに聞く [3] 究極の燃焼効率を誇る、話題の「エコンバスター」とは? ─ 高効率でコンパクト、設置がしやすく清掃性も向上、画期的な業務用食器洗浄機が誕生しました!

細山 欣也 氏
細山熱器 株式会社
代表取締役社長
細山 欣也 氏

細山熱器 株式会社
細山熱器 株式会社

創立
1917年(大正6年)8月20日
資本金
6,000万円
代表者
代表取締役社長 細山 欣也
事業内容
業務用貯蔵式湯沸器、ボイラ、バーナ等、熱器具の製造、販売修理、管工事、その他付帯する一切の事業
本社所在地
東京都中央区日本橋茅場町2-8-7
URL
http://www.hosoyama.co.jp
中川 幹夫 氏
日本洗浄機 株式会社
代表取締役社長
中川 幹夫 氏

日本洗浄機 株式会社
日本洗浄機 株式会社

創立
1969年(昭和44年)5月24日
資本金
5,000万円
代表者
代表取締役社長 中川 幹夫
事業内容
業務用食器洗浄機、業務用調理機器、食器ディスペンサー、厨房機器の製造および販売、その他付帯する一切の業務
本社所在地
東京都大田区鵜の木2-43-14
URL
http://www.n-sen.com/

01. 省エネ・省コストを実現した「エコンバスター」

──細山熱器様が、エコンバスター(ガスバーナーと熱交換器を一体化した高効率ヒーター)を開発された経緯を教えていただけますか?

細山(細山熱器)

だいぶ前のことになりますが。東京ガス様から「小型の蒸気発生器が作れないか」という宿題をいただいたのがきっかけです。もともと当社は日本で初めて貯蔵式湯沸器を開発したメーカーで、東京ガス様との取引も大正11年から始まっています。長年ガス湯沸器で培った当社の燃焼技術を使えば可能だろうと考え、実際に1年後には現在のエコンバスターのプロトタイプの開発に成功しました。そして4年前の厨房設備機器展で、当社の湯沸器にエコンバスターを組み込んだものを展示したのです。

その展示をご覧になって声をかけていただいたのが、日本洗浄機の中川社長でした。「これは業務用食器洗浄機に応用するとメリットが大きいのではないか」という中川社長の後押しもあり、共同開発に取り組んだわけです。

──それは、どのようなメリットなのでしょうか?

細山
製品の構造

まず構造上の違いからご説明しましょう。これまでの食器洗浄機は、事前にお湯を作るガスブースター(湯沸器)で約90℃のすすぎ湯を作り、それを洗浄タンク内にパイプで循環させたり、電気ヒーターで温めることで、洗浄湯を約60℃に保温していました。これに対してエコンバスターは、ブースター自体をすすぎタンク内に内蔵し、ガスバーナーで高温に熱した筒(エコンバスター)の壁面からの伝熱によって、約90℃のすすぎ湯を作ります。そして高温のすすぎタンクの壁面からの伝熱で洗浄タンク内の洗浄湯を約60℃に保温するのです。

立ち上がり時間とガス使用量の比較

こうした構造上の技術革新により、極めて高効率の食器洗浄機が生まれました。具体的には従来品と比べ、CO2排出量を約12%、一次エネルギー消費量を約12%、年間光熱費を約12%、それぞれ削減できます。また立ち上がり時間も21分から11分へと約半分に短縮します。またガスブースターが不要になるため機器本体の幅が狭くなり、厨房内に設置しやすくなりました。さらに電気ヒーター等も不要となり、洗浄タンク内が清掃しやすくなりました。

02. なぜ「業務用食器洗浄機」だったのか?

──まさに画期的な製品ですが、そもそも、なぜ食器洗浄機だったのでしょうか。

中川(日本洗浄機)

今回開発したボックス型食器洗浄機は直近の国内出荷台数が1万8000台超で、業務用食器洗浄機市場の64%を占める製品です。ファストフード、ファミレス、飲食店、福祉施設や社員食堂など、いたるところで使われており、極めて大きな市場性をもつ汎用的な厨房機器です。当社も食器洗浄機を主力製品としており、2008年には「涼厨」タイプの機器を開発するなど、常にその最先端を走ってきました。

実は、厨房で一番ガスを使う機器は食器洗浄機なのです。中華レンジやガスコンロが思い浮かぶかも知れませんが、それは調理中の瞬間的なものです。食器洗浄機は営業時間中、100回を超える頻度で90℃の殺菌すすぎ湯を作る必要があるため、トータルではエネルギー消費量がもっとも多いのです。

エコンバスター内蔵の業務用食器洗浄機

どこでも使う汎用的な厨房機器であり、しかも一番エネルギーを使う食器洗浄機だからこそ、高効率による省エネ・省コスト、そして小型化が可能なエコンバスターの価値が活かされると考えました。

──開発には、たいへんなご苦労があったと聞いています。

細山

はい、日本洗浄機様と共同の製品開発は、結局3年におよびました。エコンバスターは密閉された細い筒の中で燃焼が行われますので、従来品とは異なり炎が見えません。それだけに、着火と燃焼の安定性・安全性を保持するためにたいへん苦心しました。また小型であることのメリットを損なわないために、燃焼負荷にたえうる筐体の耐久性の確保にも苦労しました。

中川

「高効率」と「小型化」という2つの価値を実現できたのは、まさに細山熱器様の技術イノベーションのおかげです。最初、試作品の排気口が小さく、排気温度が低いことにとてもビックリしました。それは、すすぎタンクの中にエコンバスターが格納されているため、エネルギーがすべてお湯に吸収され、極めて燃焼効率が高いからなのです。省エネ・省コストで、立ち上げも速いのでお湯がすぐに沸く。エコンバスターは本当に画期的だと確信しました。

実際に使っていただくとお分かりいただけることですが、今回の食器洗浄機は使用していない時の保温性も非常に高くなっています。従来はブースターからの放熱がありましたが、ブースターが内蔵されているため放熱ロスが従来品と比べてとても少ないのです。また、機器表面の輻射熱や燃焼排気の拡散を改善した「涼厨」タイプですから、省エネや省コストという特長を涼しい厨房のなかで実感していただけると思います。

03. 今後はゆで麺機やフライヤーへも応用

──今後の展望を教えていただけますか?

中川

今回のエコンバスター内蔵食器洗浄機は、燃焼方式・構造ともに、他に類似品がないオンリーワン製品です。その革新的な技術は先日の厨房設備機器展でも大きな注目を集めました。価格も将来の量産化を見越して、従来品並みに抑えています。

エコンバスターの用途は、食器洗浄機だけではありません。当社ではすでにエコンバスター内蔵のゆで麺機も開発しており、2014年の夏には発売開始の予定です。またフライヤーなどへの応用も可能でしょう。

左より、細山熱器・細山社長、東京ガス業務用厨房技術グループ・久保マネージャー、日本洗浄機・中川社長
「共同開発に邁進してくださった2社の意欲は、素晴らしいものでした。(東京ガス・久保)」
久保

エコンバスター内蔵の食器洗浄機を初めて開発できたのは、細山熱器様、日本洗浄機様の熱意のおかげです。4月に細山熱器様の湯沸器に搭載した商品が発売。さらに、他の厨房機器メーカー様でエコンバスターを搭載した商品が発売される予定です。エコンバスターの成果を、業務用厨房の関係者の皆さまと共有できたらと思っています。

東京ガスの業務用厨房ショールーム「厨BO!SHIODOME」

東京ガス業務用厨房ショールーム「厨BO!SHIODOME」

ご紹介した「エコンバスター内蔵の業務用食器洗浄機」は、東京ガスの業務用厨房ショールーム「厨BO!SHIODOME」でご覧いただけます。

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