TOKYO GAS エネルギー・フロンティア
  厨房で働くあなたの心に着火 プロの厨房を応援する情報誌
Bo! [ボッ]
この素材なら、こう料理する。 音羽 和紀 オトワレストラン オーナシェフ
 
 
季節の素材と言うことで、洋梨を使いました。日本では果物を加熱することは少ないと思いますが、フランスなどでは普通です。洋梨は焼いてカラメリゼすると、甘さと若干の苦みと香ばしい香りが複雑に絡み合ってとてもおいしくなります。その味わいをストレートに伝えたかったんです。僕は、想像のつかない料理はしないようにしています。和食で言う引き算の難しさというか、手を加えすぎないシンプルな料理を追求していきたいと思っているんです。
そのシンプルさを引き立たせるのが全体のバランス。濃淡だったり、コース料理の中の強弱だったり。そういう中から、まっすぐなおいしさが伝わっていくんだろうと考えているんです。
音羽さんの写真
そこで濃淡の表現の一つとして、今日はフランベした温かな洋梨と冷たいアイスクリームを組み合わせました。洋梨はフランベすることでリキュールの香りが入り込みますし、アイスクリームは溶け出す瞬間がおいしいので、フランベした洋梨の温かさを上手く使ってみました。温と冷のバランスを一皿のなかにレイアウトしてみたのです。
僕は27年間、宇都宮でやっています。開業した頃いろいろなシェフ達から、なんでそんなところで、と言われたことがありました。世界中の食材が入ってくる東京の方がいいだろう、とも言われました。けれど、料理人として、自分の住んでいる土地の作物やいろんなものに関わって、学んできたことを活かしながら突き詰めていきたいと。そう考える料理人がいなければいけないし、評価されるべきだと考えて田舎に戻ったのです。
今でこそ仲間のシェフから、「おまえ恵まれてるな」と羨ましがられています。土地のものを大切に使い、様々な食材とどう上手く組み合わせて活かしていくか。ヨーロッパの高級店では当たり前のように、その土地の同じ空気と水と土で育ったものを主にしてやっているんです。僕も当たり前だと思ってやっていただけなんです。
 
 
調理中の写真
 
僕の修業時代は、その店のシェフから言われたことを忠実にやることしかないと思っていました。そして焦らず、少しずつステップアップしてきました。その中で知ったことは火の入れ方の奥の深さ。たとえば強火も弱火も、ガスを開く閉じるということじゃなく、素材に合わせ、鍋やフライパンに合わせた強火や弱火があるということなんです。それが分かっていないと、味が違ってくるんです。火を知らないと、いわゆる火加減というものができないんですね。
それともう一つ、熱を加えることは、塩を加えるのと同じ、味を変化させていくもの。料理そのものだということなのです。どちらにしても、料理はまず火に近づかなければ学べないということ。そうすることで体が覚えて、自然に動き反応すると思うんです。これがおいしい料理を作る大切な要件なのかもしれませんね。
 
 
洋梨のポワレ
  ドライフルーツとナッツ入り、ヴァニラと
レモンのソース、濃縮ミルクのアイスクリーム
材料(1人分)
 
洋梨のポワレ
  洋梨 1/2個 シロップ 適量(水・グラ
ニュー糖 1:1)バター 適量 洋梨の
リキュール 適量
濃縮ミルクのアイスクリーム(5人分)
  濃縮ミルク 250㎖ 転化糖 25g
ソース(5人分)
  シロップ 100g(水・グラニュー糖 1:1)
ヴァニラ棒 適量 澄ましバター 15〜20g
レモン汁 10g
盛り付け
  ドライフルーツ 適量(オレンジ、レモン、レーズンカレンズなど)
ナッツ類 適量(クルミ、アーモンドなど)
栗(蒸したもの)適量
濃縮ミルクのアイスクリーム 適量
澄ましバター 適量
 
作り方
   洋梨のポワレ
 

洋梨は皮をむきシロップと共に
真空にし、80度で柔らかくなるまで
火を入れる。
   

①を冷ましたら下のほうから芯をくり
ぬき、縦半分に切る。
   
フライパンにバターを敷き、②を焼き、
カラメリゼする。洋梨のリキュールで
フランベする。
   
ソース
  シロップにヴァニラ棒を加えて加熱し
香りを出す。澄ましバターを加え、
レモン汁も加えてソースとする。
濃縮ミルクのアイスクリーム
  濃縮ミルクを軽く温め、転化糖を
合わせ、マシンにかけてアイス
クリームとする。
盛り付け
  洋梨のポワレを皿に置き、ドライ
フルーツ、ナッツ、栗、ソース、
アイスクリームを添える。
   
 
 
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オトワレストラン
宇都宮市西原町3554-7 TEL:028-651-0108
http://www.otowa-artisan.co.jp/