TOKYO GAS エネルギー・フロンティア
  厨房で働くあなたの心に着火 プロの厨房を応援する情報誌
Bo! [ボッ]
この素材なら、こう料理する。中宇祢 満也 浦和ロイヤルパインズホテル 総料理長
 
 
夏場を中心にした時期が、いちばん美味しいのが鱸(スズキ)。その名の由来とも言われるように、水ですすぎ洗いをしたように血合いの少ないキレイな白身魚ですが、実は野性味のあるしっかりした味のある魚なんです。
そこで今日は、赤ワインソースに合わせてみました。魚は白ワインソースも多いですが、鮭や鯛と同じようにやはり力強い味わいのある魚と赤ワインソースは、相性がいいんです。フランス料理の古典にも鱸の赤ワイン料理がいくつもあります。でも、赤ワインだけだと、単調になってしまうので、ベトラーブ(ビーツ・砂糖大根の一種)を入れることで味に丸みというか、ふくよかさを持たせるようにしました。
中宇祢 満也さんの写真
この料理の味わいどころは、一皿の一体感。鱸とニンジンと赤ワインのソースが一つになって生まれる、食感、香り、味わいです。特に、口に入れた時の、歯触りがソースと一つになり美味しさを際立たせると思います。これは皮付きの鱸を焼いただけでもいいのですが、もっと香ばしさが欲しいと思い、ジャガイモを巻いて焼きました。パリッとした焼きたてを香りと共にさっとお出しできると、本当に美味しいと思います。
いまお話しをした、魚とニンジンとジャガイモと赤ワインソース、その美味しさは炎の力から生まれたと言ってもいいんです。まずニンジンですが、2時間ぐらいごくごく弱火で炒め続けなければ、十分な味が引き出せません。なにしろ焦がしたら最後ですから、弱火の微妙な火加減が大切になってきます。それと、鱸にジャガイモを巻いて焼くんですが、これにはフライパンの底に均等な火が加わらなければならない。周りだけや中心だけが高温ではダメで、全体に同じ炎の力が伝わらなければ、食感がサクサクッとはなりません。
その意味で言えば、フランス料理と炎は不可分なものなんですよ。野菜を炒める。そしてジャガイモを巻き、ソテーして色をつけるという二種類の調理法は、ガスの炎だからこそ、思い通りに自分の技が発揮できるんだと思います。
 
 
調理中の写真
うちはホテルなので、何人ものお客さまの食事の早さに合わせてお料理をお出しするんですが、たくさんのお客さまそれぞれをお待たせすることのないよう、スムーズに出せるかいつも計算して作っています。今スープだから、あと何分くらいで魚を出す。そのために今何を準備するか。シェフによっては、素材の火の通し方を8割にしておく人もいれば、ゼロから始める人といろいろですが、どちらにしても、ガスなら火が瞬間的に立ち上がって料理をスピーディに仕上げることができます。時間がかからないですし、僕たちはその早さを修業時代から体の感覚として覚えているんです。炒めるとか、焼くという調理法は炎がないと瞬間的にできないですからね。
そしてそれは、調理がちゃんと自分の表現になるかどうかと言うことなんです。その意味では、炎は道具です。ガスの炎という調理器具を使いこなすことは、たとえば、だれにでも楽しんでもらえる音楽を演奏するのと同じこと。それを使えるのは本当に幸せなことだと思います。これからももっと炎を上手く使い、自分をどう表すかをつねに考えながら料理をやっていきたいですね。
 
 
鱸のポテト包み焼き
べトラーブのソースと
キャロットのピューレ添え
材料
  鱸 30g×12本
ベーコン 適量
キャロット 2本
クリーム 適量
ソース
 
A
べトラーブスライス 300g
ジュ・ド・ヴォライユ 1ℓ
フォン・ブラン 500cc
赤ワイン 400cc 赤ポルト 200cc
魚の骨 200g エシャロット 20g
ニンニク 1片 タイム 1本
 
作り方
 

鱸を三枚におろして30gの棒状に切る。
中にキャロットの千切りをゆっくり
炒めたものとベーコンスライスを
入れて塩、胡椒する。
   

じゃが芋をごく薄くスライスして
澄ましバターを両面に塗り、
130度のオーブンで色が付かないように
焼き上げる。
   
②を①の鱸に粉をつけて巻く。
澄ましバターで香ばしく色づけながら
火を通す。
   
キャロットの皮をむいて芯を取り除き
スライスする。鍋にバターを溶かし
キャロットを入れて塩、胡椒して蓋をし、
しっかり火を通す。
ロボクープにかけて漉す。
バター、クリームで味を調える。
 
べトラーブの皮をむいて
薄くスライスする。
抜き型で丸く抜いて、澄ましバターを塗り
上下をシートではさんで120度のオーブンで
30分焼き、クルスティアンを作る。
 
ソース
  鍋にAの材料をすべて入れて沸かし、
アクを取る。
蓋をして160度のオーブンに1時間入れる。
漉して煮詰めバターを加えて仕上げる。
盛り付け
  空豆 12ケ バター 適量 べトラーブ 適量
澄ましバター 適量
皿にキャロットのピューレを流し、
鱸を盛る。
その上にフルール・ド・セル、
粗く砕いた胡椒、シブレットをのせる。
周りにべトラーブのソースとバターで
温めた空豆、べトラーブのクルスティアンを飾る。
 
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浦和ロイヤルパインズホテル
埼玉県さいたま市浦和区仲町2-5-1
TEL:048-827-1111 www.royalpines.co.jp/urawa
 
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