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Bo! [ボッ]
第13回「厨房で、話そう。」 脇屋 友詞 聞き手 小池由佳 東京ガス
① 旬のおいしさだけではない。旬が持つ自然のチカラも味わってもらいたい。
② 炎は自分の中に流れる
「血潮」のようなもの。その血が通っていなければ、中国料理はつくれない。
旬のおいしさだけではない。旬が持つ自然のチカラも味わってもらいたい。
  料理の写真  
 
  小池 脇屋シェフは、かなり幼い頃からお料理が好きで、その頃から料理界に入ろうと決めていたそうですが、その中でなぜ中国料理の道を選ばれたのでしょうか。  
脇屋 僕は子供の頃からチャーハンや、ラーメンが好きだったこともありますが、中学生の時に北海道から東京に出てきて、初めて本格的な中国料理を食べたんです。それがすごくおいしくて、「世の中にこんなにおいしいものがあるんだ」というぐらいの衝撃を受けましたね。それが、中国料理を目指したきっかけです。
いま思えば前菜があって、ふかひれのスープやエビチリがあって、普通の中国料理だったかもしれないけど、14歳の少年にとっては、それはもう画期的においしく感じましたね。
 
        
 
  小池 それから修業を積まれたり、お店を持たれたりしたかと思いますが、いま、脇屋シェフが料理を通じて、お客さまに一番お伝えしたいことはなんでしょうか。  
  脇屋 「伝統と創作」というのが僕のテーマです。中国料理ってすごく歴史がありますよね。その歴史を大事にしながらも、自分らしさや、日本らしさを添えていくことをモットーにしています。
たとえば日本は春夏秋冬がはっきりしている。だから、日本料理では季節の移ろいに合わせた、旬の食材を使うことが当たり前になっています。ただ日本で中国料理というと、どうしてもエビチリや餃子のような定番メニューを連想してしまいますよね。でも、本当はそれだけじゃなくて、もっと旬を取り入れた中国料理があることを広めていきたいと思っています。もちろん、旬のものをおいしく食すというのは、中国では当たり前のことなんです。
 
    調理中の写真  
 
     
 
  小池 なるほど。おいしい時期に、おいしくいただくというのは、日本料理も中国料理も同じなんですね。  
脇屋 そうですね。ただ、単純に「おいしい」ということだけが旬の魅力ではないんです。やっぱり、旬の食材には人を元気にするチカラがあると思うんです。医食同源ではないけれど、季節に合わせた食材を食べていれば、不思議と元気がみなぎってくるものなんです。
たとえば、秋には銀杏の実がなりますよね。中国では銀杏の実を食べると、寒さに耐えられるようなチカラがつくと言われています。それは、クマが冬眠する前に木の実を食べて、栄養価を高めるのと同じ考えですよね。さらに、春なら芽吹きを食べる。雪の中で半年間、ずっと我慢して固い土の中から出てくるわけですから、それだけ強い生命力とエネルギーを持っているはずですよね。だから単純に旬のおいしさだけではなく、旬の食材が持っているチカラを、日本の中国料理にも取り入れていきたいと思っています。四季に合わせた自然の中で、元気も一緒に食していくことが大事かなと思いますね。
それと、旬という話とは全く逆に感じるかもしれませんが、僕は日本の素材を活かして、乾物をつくっていきたいとも思っているんです。旬に採れた素材を乾燥させることで、さらにその旨味が濃縮されていく乾物は、中国では乾貨と呼ばれていて、お金に等しいぐらい価値のある物なんです。採れたての旬と、旬が濃縮された乾物。そのふたつをうまく組み合わせて、提供していけたらいいなと、考えています。日本の中にも出会ったことがない素材が、まだまだ眠っていますからね。
 
    厨房で調理中の写真  
 
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