BO! Vol.14 厨房で働くあなたの心に着火! ~ be on f ire! ~
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“”炎の技たとえばフォアグラのコンフィなら、熱した鴨の油の中にフォアグラを入れたらそこで火を消し、余熱だけでゆっくり火を入れていきます。そのフォアグラに合わせる葉玉ねぎは、真っ黒になるまでガスの炎で丸ごと焼きます。そして、真っ黒な表面をすべてはがして、真ん中の芯の部分だけを使います。見た目は真っ白なのに、焼けた香りがする葉玉ねぎによって、「冷たいのに香ばしい」不思議な料理に仕上げることができるのです。岸田周三シェフの!04小池 そんな繊細な火入れが行なわれる厨房ですが、岸田シェフはどのような考えで厨房づくりをされたのでしょうか。岸田 フランスで働いていた時の感覚のままで、料理をつくりたかったので、そのお店の厨房を採寸してつくりました。たとえば作業テーブルの高さとか、棚の高さとか、ダクトの設置場所も細かく指示してすべて同じようにつくっています。身につけてきた感覚を活かすために、それはとても大事なことなのです。それと、うちでは8名のスタッフが厨房に立ちますが、僕だけではなくチーム全員が気持ちよく働ける環境をつくるのが、僕の仕事だと思っています。だから、無理なく二人がすれ違うことができる通路幅や導線、機器の設置場所など、細かいところまで気を遣ってつくっていますね。小池 なるほど。スタッフのみなさんが働く環境や、チームワークも大切にされているんですね。 世界中でここだけでしか 食べられない料理を出し続けたい。小池 ところで、岸田シェフが日々追求しているのは、どのようなことでしょうか。岸田 やはり料理のクオリティをどこまで高められるかということと、その再現性ですね。僕は1日に数十人分の料理をつくるけど、お客さんにとっては1回きりの食事なので、一皿一皿のクオリティを高めることにこだわるのは、当たり前のことだと思っています。料理人は誰でもこだわりを持っていると思いますが、大切なのは、人がこれだけこだわっているのなら、僕はそれよりもっとこだわっていきたいという想いです。そこを追求して行く中で、自分だけのオリジナリティが生まれてくる。やはり自分にしかつくれない料理、世界中でここだけでしか食べられない料理を出さない限り、お客さんは来てくれないんですよ。だからうちでは、全品がスペシャリテという考え方で料理をしていますね。小池 なるほど。お話をうかがっていて、とても感動しました。本日はありがとうございました。厨房で、話そう。1974年愛知県生まれ。志摩観光ホテル「ラ・メール」や都内のレストラン「カーエム」で修業後、2000年に渡仏。1ッ星から3ッ星まで数件のレストランで研鑽を積み、2003年にパリ16区の「アストランス」(現在、3ッ星)でシェフのパスカル・バルボ氏に師事。翌年にはスーシェフに就任する。2006年、日本に帰国し「レストラン カンテサンス」を立ち上げ、「ミシュランガイド東京 2008」から4年連続で3ッ星を獲得。2011年4月に独立し、オーナーシェフとなる。岸田周三(キシダ シュウゾウ)「restaurant Quintessence」オーナーシェフ東京都港区白金台5-4-7 バルビゾン25 1F電話:03-5791-3715(ご予約専用) http://www.quintessence.jp第14回

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