BO! Vol.15 厨房で働くあなたの心に着火! ~ be on f ire! ~
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03た人は、すごく褒められるものですが、悪く言ってしまうと、それしかできなかったとも言えますよね。守りに入った瞬間から進歩は止まってしまう。私の性格からして、1から10までできたら、次は11から20までの世界を見てみたいと思ってしまうのです。小池 なるほど。そういう想いがあったわけですね。ではその「こうあるべき」厨房を実現するために、こだわった部分を教えてください。奥田 まず実現したかったのは、料理人6人が向かい合って、作業ができるアイランド型の広い盛り付け台をつくることです。人間は集まると〝気〞が出るじゃないですか。だから、みんなが向き合って作業できる環境が大事だと思っていて。みんなの顔が見えれば、指導のしやすさや効率のよさにもつながりますよね。さらに、作業台の高さにもこだわりがあって、最近の背の高い若い料理人が使っても、姿勢が崩れない高さにしてもらいました。あとは、料理の流れに合わせた動線も大切にしています。なるべく無駄の無い動きで、必要なものがすぐ隣にあるということを考え、加熱機器やダクトの配置もすべて自分で決めました。小池 こちらの「銀座奥田」は、2011年の夏にオープンされたばかりですが、「銀座小十」で3ッ星を獲得しながらも、新店を開こうと思われたのはどうしてですか。奥田 日本料理店を自分で始めようと思うと、実はすごくお金がかかります。「銀座小十」をオープンさせたのは、私がまだ33歳の時だったので、やはり、資金的な制約がありました。理想だけで言えば、厨房のスペースや、天井・壁のしつらえなどで、もっとこだわりたいところがあったのです。私は「銀座という街で本物と言われるためには、こうでなければいけない」という理想を強く持っていて、そういう自分の中の基準にもっと近づけていきたいと考えていたんです。それをカタチにしたのが「銀座奥田」です。日本人の美学として、同じことをずっとやり続け小池 奥田さんの〝旬〞や〝自然〞を大切にした料理の中で、炎がどのような役割を担っているのか、お聞かせいただけますか。奥田 すべての動物の中で、人間だけが炎を使えますよね。その他の動物は必ず「生」で食すわけです。人間は炎を使えることで、よりおいしいものを考えるようになった。つまり、炎を自在に操り、生の素材の温度を変えて自分が求める味を引き出すことが、料理そのものであると思うのです。醤油やみりんなどでも味付けはできるけど、温度変化だけでシン↖ 同じことを 30年やり続けることは、 私にとって進化ではなく 退化です。 料理は数字では計れない。 自然に、自分が感じたままが いちばん。Toru Okuda炎を感じ、炎と一体になれた時、その人の料理は、その人にしかできない仕事になるのです。

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