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先進ガス厨房事例 日本大学病院

DATA
[所在地]
東京都千代田区神田駿河台1-6
[URL]
http://www.nihon-u.ac.jp/hospital/
[開設]
平成26年10月1日
[許可病床数]
320床、一般外来1,100人/日
[厨房の面積]
厨房:約440m2(検収室:約17m2、下処理室:約36m2、調理室:約84m2、盛付室:約55m2、洗浄室:約43m2、ワゴンプール:約43m2ほか)
[1日の食数]
約700食
[主なメニュー]
日常の食事時間に近づけて配膳し、温かい料理は温かく、冷たい料理は冷たく提供。選択メニューは週1回、季節感と安らぎを感じる行事食も年18回実施。

エネルギーの多重化により、高い防災性を実現。ガスと電気、両方の機器を導入することで、災害時のリスクを軽減します。

日本大学病院

日本大学は、大正14年に医学科(後に旧制の医学部に改組)を開設しました。神田駿河台がその発祥の地です。翌年、隣接する敷地に最初の日本大学病院が建設されました。

平成26年10月、新たに開設された日本大学病院は、現在も神田駿河台にあり、患者様を一人の人間として診ることを大切にするという約90年の伝統を受け継いでいます。新しい病院でも、食事は治療の一環であり、「診療」と「看護」と並んで大切な役割を担っています。医師の指示に基づき、食事療法を必要とする患者様には治療食、一般の患者様には一般食というように、個々の病状に適した食事を提供しています。

新病院の厨房は、スタッフが快適に働くことのできる環境を整え、一人ひとりが真心を込めて調理し、患者様に「美味しく、楽しく、安全な食事」をお出しすることを目指しています。

主な設備

厨房レイアウト

保温保冷配膳車
保温保冷配膳車
入院中の食事時間は、朝食8時、昼食12時、夕食18時。温かい料理は温かく、冷たい料理は冷たくお届けできる「保温保冷配膳車」を導入している。

1. 「衛生性」 ─ 負荷を少なく、徹底した衛生管理を可能にする厨房レイアウトを採用。

病院厨房にとって、最も重要なのは食の安全を守ることです。厨房で働くスタッフが混乱することなく、衛生管理を徹底させるためには、HACCPに準拠した厨房レイアウトづくりが必要です。ここでは、汚染区域と清潔区域やルールを明確にし、パススルーを活用するなど交差汚染を防止しています。

HACCPに準じた厨房レイアウト
HACCPに準じた厨房レイアウト
検収室から下処理室、調理室、盛付室、ワゴンプールと、人と食材が交差しない一方通行の動線を可能にしたシンプルなレイアウト。負荷をかけずに、衛生管理を徹底できる。

2. 「防災性」 ─ ガスと電気の両機器を導入した「エネルギーの多重化」で、災害時にも万全の体制へ。

防災性を高めるにはエネルギーの多重化が最も有効です。ここでは、災害に備え、立体炊飯器、回転釜、スチームコンベクションオーブンをそれぞれガス式と電気式で1台ずつ導入しています。災害時、非常用電源は優先順位の高いものから必要最小限しか使うことができません。食材を確保するための冷蔵庫が最優先となり、電気消費量の大きい調理機器には使用することができませんが、ガスならば少ない電力で調理可能です。

立体炊飯器、回転釜、スチームコンベクションオーブン

3. 「調理性」 ─ ご飯の甘みと食感を引き出す火力や立ち上がりの早さが、ガスの大きなメリット。

ガスの利点は何といっても「強い火力」です。この厨房は、電気とガスの調理機器を併用することになり、「味」や「使い勝手」の違いを改めて感じる結果に。特に、ガスで炊くご飯のおいしさやガスの回転釜の立ち上がりの早さなど、ガスならではの魅力がスタッフにも好評です。立ち上がりの早さや加熱調理時間の短縮などは、作業効率をアップさせるとともに、省エネにもつながります。

ガス回転釜
1 ガス回転釜
病院の厨房では、限られた時間内に大量調理を行うため、機器の立ち上がりの早さも重要なポイント。ガスの回転釜は電気式に比べて立ち上がりが早く、スープなども短時間で温められる。ガスのパワーで効率よく、さらにおいしさも損なわずに大量調理できる点が評価されている。
ガス立体炊飯機
2 ガス立体炊飯器
直火を使うガスならではの炊き方で、ご飯がふっくらおいしく炊ける。ここでは電気とガスを併用しているため、その違いが明らかに。
ガススチームコンベクションオーブン
3 ガススチームコンベクションオーブン
温度と時間の管理ができるスチコンは大量調理には欠かせないアイテム。ガスのスチコンは立ち上がりの早さが好評で、おいしく調理できるとともに時間も短縮できる。

4. 「環境性」 ─ 涼しい厨房機器「涼厨®」と「換気天井システム」で、夏も冬も快適な厨房を実現。

この病院が目指す「真心をこめた食事づくり」を実現するには、快適な厨房環境は欠かせません。ここでは、「涼厨」機器とともに、換気天井システムを導入し、厨房室温を常に25℃以下にキープしています。また、両者ともに掃除の負荷を軽減するため、衛生管理に適した環境を実現しています。

「涼厨」タイプで快適
4 「涼厨」タイプで快適
機器からの輻射熱を抑え、燃焼排気の拡散を防ぐため空調負荷を低減し、節電にも貢献。
換気天井システム
5 換気天井システム
換気は快適な厨房を実現するために極めて重要。置換換気の原理を応用し、調理で生じる排気・排熱と新鮮な冷たい空気を撹拌させずに置き換える。
設備の工夫で効率アップ
6 設備の工夫で効率アップ
(左)下処理室や調理室は自動ドアを採用し、交差汚染を防止。
(右)ドライ厨房用の移動できる作業台。ドレンに直接排水。

ご利用者に伺いました!

ガスのおいしさ、使い勝手のよさを実感。

宍戸 史明氏
日本大学医学部附属板橋病院
栄養科
宍戸 史明氏

患者様一人ひとりに対して、きめ細かい高品質な食事の提供を目指しています。そのためには、スタッフが快適に効率よく働ける環境づくりも必要です。換気天井システムや低輻射型ガス厨房機器(涼厨)などの導入により、快適かつ衛生管理を徹底できる環境が実現されています。本厨房には、電気・ガス両方の機器が導入されていますが、おいしさや調理時間の効率性からガス機器をメインに使用しています。(計画時/駿河台日本大学病院 栄養科)

ご利用者に伺いました!

災害に備えて、エネルギーの多重化へ。

石橋 慶一氏
日本大学病院
庶務課
石橋 慶一氏

厨房施設の計画にあたっては、当初、電気主体の設備で検討していました。しかし計画中に発生した東日本大震災を踏まえ、災害に強い病院となる機能を備えるために、ガス・電気両方の機器を導入することにしました。エネルギーを多重化したことで、非常時のリスクを低減できるとともに、ランニングコストを抑えることができています。(計画時/日本大学本部 管財部 施設課 新病院開設準備室担当)

ここにも注目! 1

涼しい厨房機器「涼厨」で涼しく!

2つの工夫で燃焼排気も輻射熱もシャットアウト!

2つの工夫で燃焼排気も輻射熱もシャットアウト!

ガス厨房がこんなに涼しく!

涼しい厨房機器への入れ替えだけで、厨房内温度を25℃以下にすることができます。

ガス厨房がこんなに涼しく!

フライヤーから食器洗浄機まで、いろいろあります!

ここにも注目! 2

換気天井システムで快適に!

快適な温度を保ってくれる置換換気

置換換気は、「温かい空気は上昇する」「冷たい空気は下降する」という自然の法則を応用し、調理で生じる排気・排熱と新鮮な冷たい空気を攪拌(かくはん)させずに置き換える換気方法です。

置換換気の原理を応用した〈換気天井システム〉

置換換気の原理を応用した〈換気天井システム〉

置換換気の原理を応用し、天井全体で排気を捕集し換気を行う「換気天井システム」。給気による強い気流を発生させず、視界も妨げられないので、作業空間が明るく広々としています。

置換換気の原理を応用した〈換気天井システム〉

ここにも注目! 3

ドライ厨房で働きやすく!

掃除しやすく、ぬれても
しっかり乾燥できる厨房に !

ドライ厨房を実現するには、床がぬれたら拭く、水洗浄したら乾燥させるなど、厨房で働く人の労力が必要です。あらかじめ厨房の設計・施工を工夫しておくことで、その負担が軽減され、衛生的で働く人にもやさしい厨房が実現します。

床面の掃除がしやすい

床面の掃除がしやすい

湿気・臭いを防ぐ

湿気・臭いを防ぐ

排水溝を細くするなどの工夫で、蒸気を抑えて厨房内の温湿度上昇を抑制。ドライ仕様の床材を採用することで、水をこぼしても乾きやすくなります。

※本ページの内容は、2015年7月現在のものです。

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