先進ガス厨房事例[第12回] ラーメン工房「あ」 塚口店
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[所在地] 兵庫県尼崎市御園3-14-1-104 [電話] 06-6491-0932
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テレビ番組やグルメ専門誌にも度々取り上げられ、昼・夜・深夜のピーク時にはウェイティングがかかるほど。開店10年を経て、今もなお高い人気を誇る1号店・塚口店を“涼しい厨房”にした経緯について、店長の保科俊治郎氏に伺いました。 |
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塚口店のカウンター席の前には、クリアなガラス板のついたてが設置されています。これは厨房内の熱い空気が客席に流れるのを防ぎ、熱い空気はカウンター席に座るお客様の頭上を素通りさせるという効果を狙ったものです。しかし客席への配慮のために設置されたこのついたてによって、厨房内はさらに暑くなり、レンジ台付近の温度は55度にまで上昇しました。特にスタッフを苦しめたのは、3台のスープレンジの輻射熱です。猛烈な暑さの中で、12時間も寸胴鍋に向き合うスープの仕込みは体力を消耗させ、暑さ対策は最大の課題でした。 |
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また、鍋の洗浄は隣で使っているレンジの燃焼排気や輻射熱をまともに受けながらこなさなければなりません。保科店長は「隣のレンジを磨こうとしてしゃがむと、ちょうど顔の高さに炎がきてジリジリとたまらない暑さ。掃除が一番苦痛でした」と、当時をふり返ります。 |
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「涼しい厨房・寸胴レンジ」を導入したのは、06年2月。厨房は驚くほど快適になりました。この「涼厨」はシリーズは、内部に冷却用の空気層を設けた二重構造によって機器表面の温度が上がらず、触れても熱くありません。また寸胴レンジは鍋底との密着度が高い円形五徳でバーナーを隠しています。そのため、炎が外にもれず、余分な排気熱によって厨房内の温度を上げることもありません。さらに、ふきこぼれによる焦げ付きがなくなり、掃除が簡単です。 |
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1日に2回、計400リットルのスープを仕込む同店では、調理面でのメリットもありました。豚骨独自の白濁したスープは、対流によって撹拌(かくはん)され乳化が起こることで、独特の風味と味わいを生みます。「涼厨」の寸胴レンジはバーナーが鍋の真下ではなく、やや手前に位置しているため鍋内の対流が促進され、乳化が早まります。これにより、「涼厨」導入前は12時間以上かかっていたスープ作りが9時間に短縮されました。 |
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