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先進ガス厨房事例[第12回] ラーメン工房「あ」 塚口店

DATA
[所在地] 兵庫県尼崎市御園3-14-1-104
[電話] 06-6491-0932
行列のできるラーメン店。調理に集中できる「涼しいガス厨房」とは?
ラーメン工房「あ」 塚口店
大阪・兵庫郊外に4店舗を展開するラーメン工房「あ」は、10時間かけて仕込む豚骨スープと追い足しの秘伝の醤油タレで炊き上げた焼豚が人気の繁盛店です。
テレビ番組やグルメ専門誌にも度々取り上げられ、昼・夜・深夜のピーク時にはウェイティングがかかるほど。開店10年を経て、今もなお高い人気を誇る1号店・塚口店を“涼しい厨房”にした経緯について、店長の保科俊治郎氏に伺いました。
1. 厨房内の温度上昇に体力消耗

塚口店のカウンター席の前には、クリアなガラス板のついたてが設置されています。これは厨房内の熱い空気が客席に流れるのを防ぎ、熱い空気はカウンター席に座るお客様の頭上を素通りさせるという効果を狙ったものです。しかし客席への配慮のために設置されたこのついたてによって、厨房内はさらに暑くなり、レンジ台付近の温度は55度にまで上昇しました。特にスタッフを苦しめたのは、3台のスープレンジの輻射熱です。猛烈な暑さの中で、12時間も寸胴鍋に向き合うスープの仕込みは体力を消耗させ、暑さ対策は最大の課題でした。

ラーメン工房「あ」 塚口店
ラーメン工房「あ」 塚口店
1996年にオープンした1号店の塚口店(19坪30席)。月商700万円を超える繁盛店です。お客様同士の視線が合わず、ゆったりした席配置の中、女性同士でもくつろげる雰囲気。男女比5:5とラーメン店としては女性客も多く、子供連れから年配の方まで幅広い客層です。
2. 低輻射タイプの寸胴レンジを導入
[涼厨]の寸胴レンジ
「涼厨」の寸胴レンジは、円形五徳により炎が外にもれません。またバーナーが中心よりやや手前に位置しているため、強い対流が促され、濃いスープが早く取れます。

また、鍋の洗浄は隣で使っているレンジの燃焼排気や輻射熱をまともに受けながらこなさなければなりません。保科店長は「隣のレンジを磨こうとしてしゃがむと、ちょうど顔の高さに炎がきてジリジリとたまらない暑さ。掃除が一番苦痛でした」と、当時をふり返ります。
保科店長は厨房機器の卸メーカーに、「排気熱が厨房内にこもらない機器はないか」と相談しましたが、期待できる返事はもらえず諦めかけていた頃、低輻射タイプの寸胴レンジを紹介されました。これがイメージ通りのレンジであったことに驚き、すぐに3台の「涼しい厨房・寸胴レンジ」の導入を決めました。

3. 「涼厨」で快適温度に

「涼しい厨房・寸胴レンジ」を導入したのは、06年2月。厨房は驚くほど快適になりました。この「涼厨」はシリーズは、内部に冷却用の空気層を設けた二重構造によって機器表面の温度が上がらず、触れても熱くありません。また寸胴レンジは鍋底との密着度が高い円形五徳でバーナーを隠しています。そのため、炎が外にもれず、余分な排気熱によって厨房内の温度を上げることもありません。さらに、ふきこぼれによる焦げ付きがなくなり、掃除が簡単です。
「以前は力いっぱいこすり、30分以上かけて掃除をしていました。今は五徳の分解洗浄の必要がなく、天板を拭いて10分足らずで終わり。本当に助かっています。工事も厨房のレイアウトを変える必要がなく、営業時間前に終わりました。その日から通常通り営業できましたし、涼しくなった厨房にスタッフも喜んでいます」と保科店長。燃焼排気は、機器後方の排気口に集中的に導くことでフードで捕集しやすくなり、換気や空調設備を増設する必要もなく、快適で涼しい厨房環境が実現しました。

4. 仕込み時間短縮で、作業効率のアップ
保科俊治郎店長(右)と奥様(中央)。スタッフ(左)
保科俊治郎店長(右)と奥様(中央)。スタッフ(左)。
保科店長は、鉄鋼メーカーから結婚を機に転職、商品開発から参加して「あ」を立ち上げました。
「涼厨」の導入前は、ピーク時など9坪の厨房内は55度の温度で、脱水症状になったこともあるとか。「Tシャツは1日2~3回着替えていました。冷房の冷気が膝下だけに集まるので、足腰が痛むのも辛かったですね。
今は最高でも35度ですから、ラーメン店の厨房としては相当快適な環境です。身体もずいぶんラクになり、仕事に集中できるようになりました。他店のスタッフもこの涼しさを体験して驚いていますよ。」
と保科店長。

1日に2回、計400リットルのスープを仕込む同店では、調理面でのメリットもありました。豚骨独自の白濁したスープは、対流によって撹拌(かくはん)され乳化が起こることで、独特の風味と味わいを生みます。「涼厨」の寸胴レンジはバーナーが鍋の真下ではなく、やや手前に位置しているため鍋内の対流が促進され、乳化が早まります。これにより、「涼厨」導入前は12時間以上かかっていたスープ作りが9時間に短縮されました。
「仕込み時間が短縮されたことで、ピークに備えての仕込みのタイミングが計りやすくなりました。スープが一番いい状態の時に提供できて、味にばらつきがなくなりました」と保科店長。同社では他の3店舗でも「涼厨」に入れ替えていく予定です。

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