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先進ガス厨房事例[第19回] 職業訓練校 フェランディ校(フランス/パリ)

DATA
[所在地]
28 rue de l'abbé Grégoire - 75006 Paris
[創設]
1932年
[運営主体]
パリ市商工会議所
[HP]
http://www.egf.ccip.fr/

フランス料理の伝統を継承する調理師養成校、その実践的な教育内容と、実習室の設備とは?

フェランディ校は、パリ市商工会議所が運営する職業訓練校です。10職種の職業訓練を行っており、フード関連では、料理人の養成コース400名、フードサービスコース200名が所属しています。
一般にフランスで料理人になるためには、義務教育を終了した16~17歳から専門の学校に進み、2年ごとに資格を取得。おおむね23歳で学校を卒業してプロの料理人となります。フェランディ校には、義務教育終了後1〜2年働いた料理人が入学し、実践的な料理人を育成するために調理授業とレストランでの実習を繰り返し、22~23歳で卒業します。その後レストランに弟子入りし、実務を習得した後に独立開業します。
フェランディ校は、まさにフランス料理の伝統を継承する職業訓練校です。

1. パリの観光資源を継承するフェランディ校。

フェランディ校を運営しているのはパリ市商工会議所で、80年以上の歴史を誇っています。
パリには極めて多くの外国人観光客が訪れ、歴史のある建造物や美術館、シャンゼリゼなどの雰囲気のある街並みを楽しみますが、三ツ星などのフランス料理店も重要な観光資源の一つとなっています。このフランス料理を支える料理人の育成を担っているのがパリ市商工会議所が運営するフェランディ校であり、伝統ある貴重な観光資源を守り育てているのです。

フェランディ校の中庭
フェランディ校の中庭。パリ市街地のど真ん中に広大な敷地を持つ。パリ市商工会議所が運営する職業訓練校である。
フェランディ校内に掲示されている大きなパネル
フェランディ校内に掲示されている大きなパネル。フェランディ校では、パリ市観光資源の継承を目的として、調理師の育成だけでなく、縫製・革細工など、さまざまな技術を教えている。

2. 最新かつ万全の厨房機器を備えた実習教室。

フェランディ校はプロの料理人を養成するために、万全といえる設備を整えています。
料理法をプレゼンテーションする階段教室は、100名弱が座れる素晴らしい施設です。設置してある調理機器は、スチームコンベクションオーブン、ガスレンジ、電子レンジ、サラマンダー、グリドル兼イーブンヒートトップレンジ、Frimaの圧力調理機器など、最新の機器が備えられています。
ガスレンジの汁受部分には水が流れるようになっており、調理の汚れがつかないようになっています。Frima VarioCooking Centerという圧力調理機器はフライヤー、グリドル、スチーマー、と多用途に使えるようになっています。中央に小型のフライヤーがあり、両サイドに小型のブレージング・パンを設置。ブレージング・パンは深めで、油を入れればフライヤーに、何も入れなければグリルになります。もちろん蒸したり煮たりすることも出来ます。調理温度と時間を設定することができ、フライヤーにはオートリフトがついているので、揚げすぎの心配も有りません。
この階段教室の後ろには、料理や素材の味見をするパネルテストの部屋があります。目隠しをしたテーブルが並んでおり、ここでチーズやワインの味見の勉強をしたり、商品開発の際のパネルテストを行います。味だけではなく、香りを出す機械も設置されており、フレーバーの学習もできるようになっています。

階段教室
階段教室。美しい真っ赤なレンジラインには、ガスのコンロおよびヒートトップ、さらにIHコンロが設置されている。
ガスコンロ
ガスコンロは水道と繋がっており、蛇口を開くと水が流れる仕組みになっている。汚れがこびりつかず清掃が簡単になるという。
ガスコンロのつまみと水道の蛇口
右二つはガスコンロのつまみ。一番左が水道の蛇口。
換気天井システム
階段教室の赤いレンジラインの上には、換気天井システムを設置。

3. 実践的な調理師養成を支える、豊富な設備と実習。

フェランディ校には階段教室の他に、数多くの調理室があります。実践的な調理実習を行うために、すべてガス式の調理機器を備えた実習室、電化厨房機器の実習室、そしてガスと電気を組み合わせた実習室など、実際の店舗での設備構成を想定した実習室がそろっています。
また古い実習室も残っており、40年以上前の調理機器も現役で使われています。数年前のオーバーホールの際には、新式の機器に替える3倍のコストがかかったとのこと。しかし使える機器は徹底的に大事にするのがフランス式で、この古い物を大切にするフランス気質が、古い町並みや美術品などを保存している原動力といえるでしょう。
その他、ベーカリーの調理室と、クックチルの実習室、下拵え室などが備えられています。

MOLTENI社製のガスのレンジライン
フェランディ校には数多くの調理室があり、各部屋に異なるメーカー・仕様のレンジラインが設置されている。こちらは青いホーローでしつらえられた、MOLTENI社製のガスのレンジライン。奥からガスコンロ、フレンチトップ(ガス式)、そして手前側にはガラストップのヒートトップ(ガス式)が設置されている。垂直に立つ2本の青い柱のようなものは、ガスの燃焼排気を排出する排気口。
レンジラインの足もと
レンジラインの足もと。コンクリートベース仕様となっており、清掃性に配慮している。
Hobart社製のレンジライン
こちらはまた別の教室のレンジライン。ガスコンロ・フレンチトップ(ガス式)、そしてIH調理器が一体化している。Hobart社製。
40年以上前のレンジライン
フェランディ校の開校当初からある、40年以上前のレンジライン。ここで料理を学んだすべての料理人の歴史を見てきた。ピカピカに磨きこまれ、今も現役で使用されている。数年前に故障した際、買い換えれば3分の1の費用で済むにも関わらず、あえて3倍の金額を出して修理する道を選んだという。

月に数回行われる実習日には、学生が調理とサービスを担当して、実際のお客様にフルコース料理を提供します。客席は約70席。ワインやカクテルのサービスもある本格的なもので、学生は真剣な表情で調理やサービスを行っています。まさにフェランディ校が実践的な調理師養成校であることを物語っています。

レストランスペース
校内にはレストランスペースもあり、ここで学ぶ生徒達による本格的なフレンチレストランが月数回開催される。
料理・サービス・テーブルコーディネイト
料理・サービス・テーブルコーディネイトなど、すべて生徒達が自分で考えて、お客さまをもてなす。一般の高級フレンチレストランに見劣りしない、料理とサービスが提供される。
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