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- 災害に強い設備づくりのために
病院や工場はもちろん、学校・事務所などにおいても、災害時にもエネルギーを安定的に確保することがこれまで以上に求められるようになってきております。
災害時でも供給可能な中圧ガスを利用することで、エネルギーの安定確保が可能となります。
都市ガス製造基地から高圧で送り出された都市ガスは、整圧器により減圧され、低圧にて供給するのが一般的ですが、工場や病院・商業施設など特にガス消費量が多い場合や燃焼器の仕様により中圧にて供給する場合がございます。
高圧・中圧ガス導管は、阪神・淡路大震災、東日本大震災クラスの大地震にも十分耐えられる構造となっており、基本的にガスの供給を停止することはありません。
したがって、コージェネレーションシステムなどに供給することで、信頼性の高いエネルギー供給システムを構築することができます。
東京ガスでは大震災などの災害に備え、あらかじめ導管網を複数の「ブロック」に分けて、被害が大きい地域の切り離しを可能とすることで、地震発生時の供給停止区域の極小化を進めます。
また、ガバナ(整圧)遠隔再稼働システムの導入等により、早期復旧を実現します。こうした取り組みにより、被害甚大地区を除き30日以内の復旧を目指します※。
※阪神・淡路大震災クラスの首都直下地震を想定
(1)都市ガス製造基地
都市ガスを製造する設備は、一般社団法人日本ガス協会で定めた基準に基づき、耐震性に優れた材質・設計方法を採用しています。
(2)LNGタンク
LNGタンクは、大地震にも十分耐えられるように設計されており、安全性の高い構造をしています。阪神・淡路大震災や東日本大震災など震度7クラスの地震が起きた際もタンクからLNGが漏えいした実績はありません。
(3)LNG気化器
アルミ製パイプにLNGを流し、そのパイプに海水をかけて温度を上げることで気化させる装置です。
(4)放散塔
地震の被害状況に応じて導管内のガスを空中へ安全に放散。基地やガバナステーションなどの施設に設置されています。
(5)ガバナステーション
基地から高圧で送出されたガスを減圧して中圧導管に送り出す施設です。
(6)(7)高圧・中圧導管
強度や柔軟性にすぐれ、大きな地盤変動にも耐える「溶接接合鋼管」を使用しています。また安全確保のため、昼夜を問わず高圧導管のパトロールを実施しています。
(8)ガスホルダー
球体部は高張力鋼、基礎部分は地質調査に基づいて支持地盤まで杭を打ち込み、大地震にも十分耐えられる施設・施工になっています。また、揺れを吸収するような働きをするオイルダンパーも設置しています。
(9)地震センサー(SIセンサー)
地区ガバナに設置された地震計です。大きな地震を感知すると、連動している自動遮断装置がガスを遮断する仕組みになっています。
(10)地区ガバナ(圧力調整器)
中圧導管を通じて送り出されたガスを、ここでさらに減圧して低圧導管に送ります。
(11)専用ガバナ
中圧ガスから専用ガバナを利用して低圧ガスをお使いの場合には、建物や設備に被害がなければ、供給は継続されます。
(12)緊急しゃ断弁(ESV)
超高層ビルや病院、地下街等のお客さまの配管には、ガス漏れなど緊急事態に備えて、建物全体へのガス供給を即時にしゃ断弁が設置されています。
(13)マイコンメーター
震度5程度以上の地震やガスの異常流出を感知するとガスをしゃ断します。
(14)低圧導管
新設導管については、地震による損傷を最小限に抑えるポリエチレン管を採用。伸びが大きく破断しにくいため、地震による損傷を回避します。また土中の水分によって腐食せず、優れた耐久性を有しています。