大型複合施設の未来形 防災性

JR東日本/KAWASAKI DELTA

停電時も安定して電力供給
が可能なCGSを採用、
大規模複合開発ビルで
ZEBを実現

JR東日本/KAWASAKI DELTA

KAWASAKI DELTA(カワサキデルタ)は、2021年4月にJR東日本が川崎駅西口開発プロジェクトとして開発した、オフィス、ホテル、商業施設の機能を持つ大型複合施設です。開発計画地が三角形(デルタ)であることから、多様なヒト・モノ・コトの3つが出会い、掛け合わさり、新たな価値・未来が生まれることを願って名付けられました。
JR川崎タワー商業棟は、回遊性のある空間づくりとすることで各店舗の活性化を図っています。 JR川崎タワーオフィス棟は、日射の遮蔽を目的とした水平庇と縦フィンで構成されており、環境への配慮とともに、先進的な都市建築のファサードデザインとしています。
KAWASAKI DELTAでは、JR 東日本グループのグループ経営ビジョンに基づく「サスティナブルなまちづくり」を志向しており、CGS(ガスコージェネレーションシステム)等の採用により省エネとレジリエンス性を両立し、大型複合施設でのZEBを実現しました。本街区開発は、脱炭素の実現に向けた先導的な取り組みの一つと位置付けられています。

用途別ZEB認証範囲
BELS

Point

ポイント

  • Point01 国内初となる大規模複合開発ビルでの
    ZEBカテゴリー複数取得

    JR東日本はKAWASAKI DELTAにおいて、10万㎡超級の大規模複合開発ビルとして国内で初めて(※)ZEB Ready他ZEBカテゴリーを複数取得。オフィス部分=「ZEB Ready」(基準一次エネルギー消費量に対する削減率52%)、ホテル部分=「ZEB Oriented」(同41%)、フィットネス・コンファレンス他部分=「ZEB Oriented」(同46%)と、各種用途にてZEBを実現しました。省エネ実現のため、CGSの導入のほか、屋上緑化、Low-Eペアガラスや垂直水平ルーバー、日射遮蔽制御型ブラインドで日射を遮蔽することによる空調負荷の低減を図っています。また、オフィス専用部にはセンサー制御システムLED照明を導入し、画像センサー機能による在室検知や明るさセンサー機能による調光がもたらす照明の高効率化等、環境にも配慮した数々の工夫を行っています。

    • (一社)住宅性能評価・表示協会HP を参照(2021/6/7 時点)、建築物省エネ法上の用途分類「工場等」及び庁舎・官公庁施設を除く
  • Point02 CGS等の採用で省エネとレジリエンス性を両立

    JR東日本は、700kW×2台のCGSを導入することにより、ビル全体の電力需要の約24%、熱需要の約31%を賄うことができ、停電時も中圧ガスを燃料とした電力供給を可能としています。
    施設が駅に隣接していることから、災害などの非常時にも電源が供給されるよう、非常用発電機とCGSを併用したBCP対策の構築にも力を入れています。
    また、CGS廃熱をベースに、ターボ冷凍機、ジェネリンク等を組み合わせた熱源システム、中温冷水、フリークーリングにより、省エネルギーを追求した運転をすることで、KAWASAKI DELTAにおける省エネとレジリエンス性の両立を実現しています(※)。

    • ※参考: (一社)建築設備技術者協会「建築設備士2021.9」p21

    CGS システム図

    CGS システム図
  • Point03 CN都市ガス導入で年間2,800tのCO2削減に貢献

    KAWASAKI DELTAの運営を担う株式会社JR東日本ビルディングは、脱炭素社会の実現に向けた取り組みの一つとして、KAWASAKI DELTAでカーボンニュートラル都市ガス(CN都市ガス)を導入しています。CN都市ガスは、東京ガスが2019年に輸入を開始し、CN都市ガスとして日本で初めてお客さまに供給を開始しました。天然ガスの採掘から燃焼に至るまでの工程で発生する温室効果ガスとCO2クレジットを相殺(カーボン・オフセット)することで、燃焼しても地球規模ではCO2が発生しないとみなされるものです。なお、対象となるCO2クレジットは、信頼性の高い検証機関が世界各地の環境保全プロジェクトにおけるCO2削減効果をCO2クレジットとして認証しています。この取り組みにより、年間約2,800tのCO2削減に貢献しています。

所在地

神奈川県川崎市幸区大宮町1-5

建築
面積

約12,400㎡

延床
面積

約137,000㎡

規模・
構造

JR川崎タワーオフィス棟:地上29階・地下2階
JR川崎タワー商業棟:地上5階・地下1階
ホテルメトロポリタン川崎:地上16階
S造(一部SRC造、RC造)

竣工
年月

2021年4月(街区全体完成)

ガス
設備

ガスコージェネレーションシステム(CGS):700kW×2台
廃熱投入型吸収冷温水機(ジェネリンク):2,110kW×2台
廃熱利用:空調+給湯

外皮
断熱

Low-Eペアガラス、日射遮蔽制御型ブラインド、
水平庇、縦フィン

空調

インバータターボ冷凍機:3,165kW×2台
真空温水ヒータ:927kW×1台、782kW×1台、921kW×1台
空冷HPモジュールチラー:150kW×2台

換気

全熱交換器、熱回収型外調機

照明

センサー制御LEDシステム照明
在室検知制御、明るさ検知制御

  • ※参考: (一社)建築設備技術者協会「建築設備士2021.9」p24.25
  • CGS

    CGS

    発電時の廃熱を冷暖房などに有効利用する分散型発電システム。ガス空調と組み合わせることで夏場のピーク電力を抑制し、電力料金を低減。また、電源の多重化により、エネルギーセキュリティが向上します。

  • 廃熱投入型吸収冷温水機(ジェネリンク)

    廃熱投入型吸収冷温水機
    (ジェネリンク)

    CGSの廃熱や再生可能エネルギーといった、幅広い熱エネルギーに対応している空調システム。お客さまのニーズに合った最適なシステム設計が可能です。

  • Low-Eペアガラス

    Low-Eペアガラス

    ガラス面に薄い特殊金属膜をコーティングしたガラス。夏の暑さを和らげ、冬の暖房効率を高める等、室内の快適性を向上します。

※掲載情報は2024年3月時点のものです

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