校舎の環境学習教材化 防災性

品川区/区立城南第二小学校

校舎の環境学習教材化と
防災拠点機能を両立し、
ZEBを実現

品川区/区立城南第二小学校

※改築後のイメージパース

東京都品川区立城南第二小学校は、2023年8月より新校舎建設工事を開始しました。
新校舎の特徴は、学年のまとまりとしての教室を子どもたちが落ち着ける「いえ」、ワークスペース等の多様な学習と交流の場を散りばめた吹き抜け周りのオープンな空間を「にわ」、メディアセンターや特別教室を多様な情報が得られる「まち」として、楽しく主体的に学習できる心地よい学習環境を提供しつつ、施設全体が学びの場となるよう整備していることです。
同校では、多様な省エネ技術の採用による校舎全体の環境学習教材化と防災拠点機能を両立し、「ZEB Ready」認証を取得しました。

BELS

品川区立城南第二小学校
(9,640㎡)
ZEB Ready
(55%削減

  • 基準一次エネルギー
    消費量に対する削減率

城南第二小学校ZEB化イメージ

城南第二小学校ZEB化イメージ
  • 出典: 株式会社久米設計「品川区立城南第二小学校校舎改築基本設計」資料

Point

ポイント

  • Point01 子どもたちの豊かな居場所づくりを重視し、校舎全体を環境学習教材化

    観客席のような「わいわいテラス」を学校のシンボルとして整備することで、縁側的利用、日常の活動スペース、運動会時の観覧スペース等、様々な活動に利用でき、子どもたちの豊かな居場所をつくります。また、身体能力に差がある子どもたちのための運動スペース「キッズグラウンド」を整備し、子どもたちが楽しく安全に遊べる魅力的な遊具を配置します。外周部には歩道状空地や緑地帯を整備し、子どもたちや歩行者の安全性を確保するとともに、潤いのある緑で周辺環境を向上させます。
    さらに、太陽光・太陽熱の利用や中央の吹き抜けを活用した自然採光・自然通風を基本とした計画、見える化モニターの採用等、校舎全体が環境学習教材となる計画となっています。

  • Point02 建築・設備、両面の対策によるZEB実現

    建築的手法として、吹き抜け上部のトップライトによる自然採光・自然通風を行うほか、Low-Eガラス、庇による日射制御、適切な断熱材による断熱強化等、空調負荷を低減する計画とします。
    設備的手法として、LED照明器具、自動調光・照明制御、全熱交換器、太陽光発電、GHP(ガス空調)・EHP(電気空調)といった高効率空調等、省エネルギー性能の高い機器を採用します。体育館には停電対応型GHP、特別教室等の利用時間が限定的または間欠運転となる諸室にはGHP、職員室・教室等の利用時間が長い、または定時利用となる諸室にはEHPを採用する等、ガス空調と電気空調の使い分けをしています。
    また、GHPの導入により、契約電力の削減でランニングコストを抑えることができます。

  • Point03 停電対応型GHPの導入により、地域の防災拠点としても機能

    ハザードマップを踏まえ、水害時でも水没しない2階レベル以上に避難場所となる体育館と教室を配置し、「わいわいテラス」により、災害時の避難ルートや滞留スペース、避難が長期化した際の独立動線として、それらをつなぐ計画とします。
    また、災害時用の雑用水として手動の防災井戸ポンプを計画し、マンホールトイレ、緊急排水槽の設置により、排水機能を確保します。
    そして、体育館用の空調として採用する停電対応型GHPは、通常時は省エネ性に優れ、地震や水害等による停電時でも、自立運転・電力供給を継続(※1)することができるGHPです。停電時には、自立運転スイッチをオンにするだけでGHPが発電を行い、空調や照明、コンセント(携帯電話の充電・PC・テレビ等)が使用可能(※2)になるため、地域の防災拠点としてのBCP(※3)に貢献します。

    • ※1  都市ガスが供給されていることが条件となります。
    • ※2  使用できる電力容量はメーカーや設置状況により異なります。
    • ※3  BCP:Business Continuity Plan(事業継続計画)

    停電対応型GHP システム図

    停電対応型GHP システム図

所在地

東京都品川区東品川三丁目4番5号

建築
面積

約2,995㎡

延床
面積

約9,640㎡

規模・
構造

地上5 階、鉄筋コンクリート造 一部 鉄骨造

竣工
年月

未定

設計

株式会社久米設計

ガス
設備

停電対応型GHP、GHP

外皮
断熱

ウレタンフォーム断熱材、ポリスチレンフォーム断熱材、Low-E複層ガラス(空気層)、アルミ樹脂複合サッシ、庇、バルコニー、カーテン、屋上緑化

空調

EHP、パッケージエアコン、全熱交換器、直膨エアハン、外気取入れ量制御システム(CO2制御)

換気

インバータファン

照明

LED照明器具、在室検知制御、明るさ検知制御

給湯

潜熱回収型給湯器、太陽熱利用システム

再エネ

太陽光発電、リチウムイオン蓄電池

その他

自然採光、自然換気

  • 停電対応型GHP

    ※画像はイメージです

    停電対応型GHP

    災害等による停電時でも自立運転・電力供給を継続(※1)し、空調、照明、コンセント等が使用可能(※2)となる「停電対応」機能を搭載したGHP。

    • ※1  都市ガスが供給されていることが条件となります。
    • ※2  使用できる電力容量はメーカーや設置状況により異なります。
  • 太陽光発電

    ※画像はイメージです

    太陽光発電

    太陽光のエネルギーを、太陽光パネルによって電気に変換して発電するシステム。電気料金の削減や災害時の電力確保に有効。

※掲載情報は2024年3月時点のものです

ページ先頭へ