港区立元麻布保育園 様
東京都内の公立保育園で初の「ZEB Ready」の認証を取得
待機児童解消や多様化する保育ニーズに応える新たな保育園
港区立元麻布保育園は、医療的ケアの必要なお子さまや障害のあるお子さまの集団保育も行う東京23区初の施設として、2020年1月に開設されました。基本保育のほか、延長保育、休日保育、年末保育も行い、在宅子育て家庭向けの一時保育や園庭開放など、様々な事業を行っています。
施設の開設にあたっては、お子さまへの安全配慮、持続可能な社会に向けた環境負荷の低減のほか、年間を通じて施設の稼働時間が長いことから、ランニングコストの削減や設備メンテナンスのしやすさなども重要な課題となっていました。
高断熱化、パッシブデザインを基本とした設計等、建物自体への工夫をはじめ、LED照明、太陽熱集熱器、ハイブリット空調「スマートマルチ」といった省エネルギー機器も導入することで高い環境性を実現し、東京都内の公立保育園としては初となる(2021年12月現在)、建築物省エネルギー性能表示制度(BELS)の「ZEB Ready」(※)を取得しました。
施設の開設にあたっては、お子さまへの安全配慮、持続可能な社会に向けた環境負荷の低減のほか、年間を通じて施設の稼働時間が長いことから、ランニングコストの削減や設備メンテナンスのしやすさなども重要な課題となっていました。
高断熱化、パッシブデザインを基本とした設計等、建物自体への工夫をはじめ、LED照明、太陽熱集熱器、ハイブリット空調「スマートマルチ」といった省エネルギー機器も導入することで高い環境性を実現し、東京都内の公立保育園としては初となる(2021年12月現在)、建築物省エネルギー性能表示制度(BELS)の「ZEB Ready」(※)を取得しました。
※ZEBとは
ZEBとは、建築物省エネルギー性能表示制度(BELS)において、基準一次エネルギー消費量に対する省エネ+創エネによる正味の削減率に応じてZEB Oriented/ZEB Ready/Nearly ZEB/ZEBが認証となるエネルギー特化型の環境性能評価指標です。2014年4月に閣議決定した第4次エネルギー基本計画(経済産業省)では「2030年までに新築建築物の平均でZEB化を目指す」とされており、脱炭素社会の実現に向けたロードマップにおいて、政策上の重要な普及目標と位置付けられています。
ZEBとは、建築物省エネルギー性能表示制度(BELS)において、基準一次エネルギー消費量に対する省エネ+創エネによる正味の削減率に応じてZEB Oriented/ZEB Ready/Nearly ZEB/ZEBが認証となるエネルギー特化型の環境性能評価指標です。2014年4月に閣議決定した第4次エネルギー基本計画(経済産業省)では「2030年までに新築建築物の平均でZEB化を目指す」とされており、脱炭素社会の実現に向けたロードマップにおいて、政策上の重要な普及目標と位置付けられています。
ガスと電気のいいとこ取りで省エネを実現、「スマートマルチ」×「エネシンフォ」
今回採用されたスマートマルチは、GHPとEHPの両方を使える空調システムです。GHPのみ、EHPのみの場合、空調負荷によっては効率が低くなってしまう部分もありますが、GHPとEHPをセットにしたスマートマルチであれば高効率の領域が広くなります。クラウド制御サービス「エネシンフォ」により、空調負荷や外気温にあわせて最もエネルギー効率が高くなるようGHPとEHPを最適なバランスで運転させることができるため、エネルギー使用量・CO2排出量の削減を実現します。あわせて、電力の基本料金を大きく上昇させる夏のピーク時にはGHPを主体に運転することで契約電力を抑えることができ、エネルギーコストの削減も可能になります。
「スマートマルチ」×「エネシンフォ」の導入を通じた省エネルギーの実現も、「ZEB Ready」の取得に貢献しています。
「スマートマルチ」×「エネシンフォ」の導入を通じた省エネルギーの実現も、「ZEB Ready」の取得に貢献しています。
設計者の声
株式会社 松田平田設計
総合設計室 環境設計部(機械)
平川 聡 様
パッシブデザインと、ガスを中心としたエネルギーシステムによる高い環境性の実現
「環境への配慮を」という港区からのご要望を踏まえ、東京都の基準に沿った高断熱化をはじめ、導入設備についても能力が過剰にならないよう、無駄をなくした設計を意識していました。なかでも空調については、施設の稼働時間が長いことからランニングコスト削減の課題もあり、GHPとEHPどちらを採用するか悩んでいました。そのような中、東京ガスの担当者からスマートマルチの提案をいただき、GHPとEHPの両方を使えるスマートマルチであれば、どちらの特性も活かすことができること、また最適制御によるランニングコストのメリットも得られると思い、採用を決めました。スマートマルチの検討にあたっては、GHPとEHPをどのように切り替えて運転するのか、省エネ・省コストの肝になる最適制御のデモンストレーション等を東京ガスの見学施設で港区担当と共に体験できたことにより、効果を納得した上での採用に繋がったと思います。子どもたちの食事や沐浴などで給湯の需要もありますが、給湯器の負荷およびエネルギー使用量の削減を図れるよう、太陽熱を活用した給湯システムも導入しています。このほか、LED照明の全室採用および昼光センサーによる制御、日射負荷を考慮した東西軸の建物配置に、南側のバルコニーには庇を設けるなど、パッシブデザインを取り入れた設計を活用し、「ZEB Ready」を取得することができました。
昨今の脱炭素社会への潮流も踏まえ、建物の環境・エネルギー性能を高めていくことはますます重要になっています。ZEB化をはじめ、カーボンニュートラルの実現に向けた要望も増えており、設備だけではなく、建設から修繕、解体に至るまで、トータルの視点を持った設計が必要と考えています。私たち設計者はこれまで以上にパッシブデザインを取り入れていくとともに、エネルギー以外の幅広い分野の知見も持つ東京ガスのような企業とも連携しながら、環境性の高い建築物の普及を目指していきます。
昨今の脱炭素社会への潮流も踏まえ、建物の環境・エネルギー性能を高めていくことはますます重要になっています。ZEB化をはじめ、カーボンニュートラルの実現に向けた要望も増えており、設備だけではなく、建設から修繕、解体に至るまで、トータルの視点を持った設計が必要と考えています。私たち設計者はこれまで以上にパッシブデザインを取り入れていくとともに、エネルギー以外の幅広い分野の知見も持つ東京ガスのような企業とも連携しながら、環境性の高い建築物の普及を目指していきます。
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ハイブリット空調「スマートマルチ」
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太陽熱集熱パネル
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太陽光発電
主な導入機器・設備
- スマートマルチ:67.4kW×2セット
- GHP:248.5kW 計5台
- 太陽熱集熱パネル
- 太陽光発電
施設概要
所在地:東京都港区元麻布二丁目14番12号
敷地面積:2,952.79m2
延床面積:3,087.72m2
構造・規模:鉄筋コンクリート造、一部鉄骨造、2階建
※掲載情報は2021年12月時点のものです
敷地面積:2,952.79m2
延床面積:3,087.72m2
構造・規模:鉄筋コンクリート造、一部鉄骨造、2階建
※掲載情報は2021年12月時点のものです