セミナーレポート
2023.10.23
【開催報告】銀座マルディグラ 和知徹シェフ実演「アレンジは無限大!肉の巨匠も唸るターキー料理の可能性」
昨年、大好評だったセミナー「アメリカンターキー」シリーズ。第三弾をこの10月23日(月)に開催しました。講師は「情熱大陸」や「世界一受けたい授業」などの番組出演、書籍出版等でもご活躍の銀座「マルディグラ」オーナーシェフの和知 徹シェフです。アメリカンターキーはあまり日本では馴染みが無いことからどうやって料理したらいいのか分からない方も多いようです。事前のアンケートにもターキーを使ったことがないので知りたい、レパートリーを増やしたいなど沢山の質問が寄せられました。また肉の巨匠と呼ばれる和知シェフがどうターキーを調理するのか、ターキーを美味しく焼く方法や味付け、ターキーを最大限に生かす調理法にも期待が高まりました。
共催者のアメリカ家禽鶏卵輸出協会代表の天野さんによると日本に入るターキーは4.5㎏未満/羽の小ぶりなものが中心とのこと。セミナーで使用したのもこのサイズでした。アメリカではもっと大きなものが主流で、TOMと呼ばれる雄鶏は20㎏もあるのだそう。
この日は丸鶏ではなく、開いたり、部位に分けて使用しました。メニュー毎に火入れ方法を変え、塩味から甘味、スパイスを効かせたりと、一つの枠に捉われないさまざまなメニュー4品を実演、ご提案いただきました。さっそく詳細を見ていきましょう。
【第一部】調理実演
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1品目:『アメリカンターキーのキャラメルロースト』
Roasted caramelised TURKEY
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最初の料理はアメリカンターキーの丸焼きでした。ただ丸焼きといっても腿(モモ)を皮を繋げたまま開き、お尻の付近の方から胸肉を反対側に開いた状態にしてから焼きます。(文章で書くと伝わりにくいので是非アーカイブ動画をご覧ください。)この開き方はアルゼンチン等の南米のスタイルだそうで、太い金串に刺して薪の炎でじっくり焼いていく調理法です。日本の囲炉裏で魚を焼くような感じとシェフが説明してくれました。現地ではこのようなスタイルでさまざまな肉をワイルドに焼くそうです。今回は香味野菜とともにスチームコンベクションでローストし、休ませてからカソナード(さとうきび100%のブラウンシュガーで香りやコクがある)を複数回ふってガスバーナーでキャラメリゼして仕上げました。
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2品目:『フライドアメリカンターキー、香り高いクレオールスパイスと共に』
Fried TURKEY with creole spice
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あらかじめ塩をしておいたターキーのモモ肉(開き)にクレオールスパイス(シェフオリジナル配合)を揉み込みこんでから、ポイントとしてシェフ好みの甘みの少ないコンデンスミルク絡めて馴染ませます。少しゆるめの衣をつけてから低温の油でじっくり揚げ、もも肉を斜めに立てかけて油を十分にきり、表面がカリっとなったところが食べごろとのことでした。ライムを搾ってカリブっぽいスタイルで。
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3品目:『アメリカンターキーのオムライス』
Stir-fried TURKEY rice wrapped in an omelet
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シェフのお店で以前ランチで出していたオムライスのターキーバージョン。塩をしておいたターキーのモモ肉(開き)をフライパンで焼くところからスタート。まず焼きの大事なポイントとしてお話。シェフいわく「鶏肉は皮目から焼くのが基本って誰が言い出したのか疑問です。」とのこと。肉が縮まないよう皮目をパリッと焼くには、まず皮のない側から焼き始める方が理にかなっていると目の前でデモンストレーションしていただきました。ワイルドな和知シェフらしい、ふわとろ卵と大人味のケチャップライスとソテーしたターキーを組み合わせたボリューミーなオムライスでした。
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4品目:『アメリカンターキーのモレソース』
TURKEY in a red mole
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今回は塩をふって24時間おいた骨付きのモモ肉をスチームコンベクションオーブンで約1時間スチームにかけ、肉を柔らかくしてからモレソース(シェフオリジナル配合)で軽く煮込んだメキシコスタイル。
世界中を旅して肉料理の源流を追求している和知シェフならではの流石の逸品でした。複雑なスパイス類やソース用の食材の組み合わせも絶妙で、私的には初体験の味わい。珍しいスパイスの紹介や香りのテイスティングもさせていただきました。
【第二部】試食&シェフインタビュー
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◎お店とメニューについて
マルディグラの店内や料理写真を見ながらお話を伺いました。22席とカウンター席があり、店の奥に厨房が。メニューはブラジルや中央アジアなど世界を旅するシェフならではのメニューも並びます。以前は魚料理もメニューに載せていたのだそうですが、いつしか(シェフに)肉のイメージがつき、お客さまが魚料理を注文しなくなってしまったことから現在はメニューに魚料理は1つも無いそう。他にも以下を始め沢山の質問にお答えいただきました。
◎最初から自分のお店を持ちたいと思っていたか
◎どんなお店にしたいとイメージしていたか
◎スタッフとシェフの関係が明るく楽しそうな印象をうけたが、心掛けていることは?
◎お店をされる上で大切だと思うことは?
◎アメリカンターキーを使ってみた感想
これらの質問への返答はぜひアーカイブ版でご覧ください。
最後に、和知シェフに「アメリカンターキー」を使ってみた感想を伺いました。
「時代によって求められる肉のタイプが変わります。脂を欲する時代から赤身が注目される時代を経て、今ターキーは脂肪が少なく栄養面からも可能性のある肉の筆頭だと思います。また自分で変化を付けやすい食材なので、自分なりに編集するイメージで楽しんで欲しい」と締めくくられました。
また世界各地の料理の生まれた土地を訪れ、自ら食べて確かめないと気が済まないからとバックパッカーで世界中を旅されたり、料理本は時間がかかっても原語で読むなどルーツや基本を元に探求されるシェフのお話とその姿勢が印象的でした。旅を通して自分のスタイルは「旅の料理」であると見つけたシェフ。「誰にでもチャンスはある。ぜひ挑戦して欲しい」という言葉や「レシピは自分でつくるもの、(レシピに頼るのでなく)味わいのバランスをみて自分で想像して」、などさまざまな言葉が心に残りました。
なかなか予約を取るのが難しいお店ですが、ぜひシェフの「食いしん坊の隠れ家」をイメージしたというお店に伺い「和知ワールド」を体感したくなりました。
【参加されたお客さまの声】
◎シェフの話がとても勉強になった。普段食べる機会の少ないターキーの試食が出来たのも良かった。
◎シェフの現地に行って確かめるというルーツから求める姿勢に感銘を受けました。
◎ターキー自体を調理した事がなかったのですが、とても分かりやすかったです。
◎食材としてのターキーは初めてだったので勉強になる貴重なセミナーでした。
など他にも多数のご感想をいただきました。ありがとうございました。
【主催】アメリカ家禽鶏卵輸出協会、厨BO!YOKOHAMA
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アメリカ家禽鶏卵輸出協会(USAPEEC)
家禽鶏卵商品(チキン,ターキー,ダック,鶏卵)の需要拡大のために、世界の主要な国々で幅広い活動を行っています。高度な生産技術と徹底した検査制度で、アメリカのおいしさを世界に届けています。https://www.usapeec-jp.com/
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共催者のアメリカ家禽鶏卵輸出協会代表の天野さんによると日本に入るターキーは4.5㎏未満/羽の小ぶりなものが中心とのこと。セミナーで使用したのもこのサイズでした。アメリカではもっと大きなものが主流で、TOMと呼ばれる雄鶏は20㎏もあるのだそう。
この日は丸鶏ではなく、開いたり、部位に分けて使用しました。メニュー毎に火入れ方法を変え、塩味から甘味、スパイスを効かせたりと、一つの枠に捉われないさまざまなメニュー4品を実演、ご提案いただきました。さっそく詳細を見ていきましょう。
【第一部】調理実演
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1品目:『アメリカンターキーのキャラメルロースト』
Roasted caramelised TURKEY
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最初の料理はアメリカンターキーの丸焼きでした。ただ丸焼きといっても腿(モモ)を皮を繋げたまま開き、お尻の付近の方から胸肉を反対側に開いた状態にしてから焼きます。(文章で書くと伝わりにくいので是非アーカイブ動画をご覧ください。)この開き方はアルゼンチン等の南米のスタイルだそうで、太い金串に刺して薪の炎でじっくり焼いていく調理法です。日本の囲炉裏で魚を焼くような感じとシェフが説明してくれました。現地ではこのようなスタイルでさまざまな肉をワイルドに焼くそうです。今回は香味野菜とともにスチームコンベクションでローストし、休ませてからカソナード(さとうきび100%のブラウンシュガーで香りやコクがある)を複数回ふってガスバーナーでキャラメリゼして仕上げました。
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2品目:『フライドアメリカンターキー、香り高いクレオールスパイスと共に』
Fried TURKEY with creole spice
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あらかじめ塩をしておいたターキーのモモ肉(開き)にクレオールスパイス(シェフオリジナル配合)を揉み込みこんでから、ポイントとしてシェフ好みの甘みの少ないコンデンスミルク絡めて馴染ませます。少しゆるめの衣をつけてから低温の油でじっくり揚げ、もも肉を斜めに立てかけて油を十分にきり、表面がカリっとなったところが食べごろとのことでした。ライムを搾ってカリブっぽいスタイルで。
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3品目:『アメリカンターキーのオムライス』
Stir-fried TURKEY rice wrapped in an omelet
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シェフのお店で以前ランチで出していたオムライスのターキーバージョン。塩をしておいたターキーのモモ肉(開き)をフライパンで焼くところからスタート。まず焼きの大事なポイントとしてお話。シェフいわく「鶏肉は皮目から焼くのが基本って誰が言い出したのか疑問です。」とのこと。肉が縮まないよう皮目をパリッと焼くには、まず皮のない側から焼き始める方が理にかなっていると目の前でデモンストレーションしていただきました。ワイルドな和知シェフらしい、ふわとろ卵と大人味のケチャップライスとソテーしたターキーを組み合わせたボリューミーなオムライスでした。
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4品目:『アメリカンターキーのモレソース』
TURKEY in a red mole
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今回は塩をふって24時間おいた骨付きのモモ肉をスチームコンベクションオーブンで約1時間スチームにかけ、肉を柔らかくしてからモレソース(シェフオリジナル配合)で軽く煮込んだメキシコスタイル。
世界中を旅して肉料理の源流を追求している和知シェフならではの流石の逸品でした。複雑なスパイス類やソース用の食材の組み合わせも絶妙で、私的には初体験の味わい。珍しいスパイスの紹介や香りのテイスティングもさせていただきました。
【第二部】試食&シェフインタビュー
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◎お店とメニューについて
マルディグラの店内や料理写真を見ながらお話を伺いました。22席とカウンター席があり、店の奥に厨房が。メニューはブラジルや中央アジアなど世界を旅するシェフならではのメニューも並びます。以前は魚料理もメニューに載せていたのだそうですが、いつしか(シェフに)肉のイメージがつき、お客さまが魚料理を注文しなくなってしまったことから現在はメニューに魚料理は1つも無いそう。他にも以下を始め沢山の質問にお答えいただきました。
◎最初から自分のお店を持ちたいと思っていたか
◎どんなお店にしたいとイメージしていたか
◎スタッフとシェフの関係が明るく楽しそうな印象をうけたが、心掛けていることは?
◎お店をされる上で大切だと思うことは?
◎アメリカンターキーを使ってみた感想
これらの質問への返答はぜひアーカイブ版でご覧ください。
最後に、和知シェフに「アメリカンターキー」を使ってみた感想を伺いました。
「時代によって求められる肉のタイプが変わります。脂を欲する時代から赤身が注目される時代を経て、今ターキーは脂肪が少なく栄養面からも可能性のある肉の筆頭だと思います。また自分で変化を付けやすい食材なので、自分なりに編集するイメージで楽しんで欲しい」と締めくくられました。
また世界各地の料理の生まれた土地を訪れ、自ら食べて確かめないと気が済まないからとバックパッカーで世界中を旅されたり、料理本は時間がかかっても原語で読むなどルーツや基本を元に探求されるシェフのお話とその姿勢が印象的でした。旅を通して自分のスタイルは「旅の料理」であると見つけたシェフ。「誰にでもチャンスはある。ぜひ挑戦して欲しい」という言葉や「レシピは自分でつくるもの、(レシピに頼るのでなく)味わいのバランスをみて自分で想像して」、などさまざまな言葉が心に残りました。
なかなか予約を取るのが難しいお店ですが、ぜひシェフの「食いしん坊の隠れ家」をイメージしたというお店に伺い「和知ワールド」を体感したくなりました。
【参加されたお客さまの声】
◎シェフの話がとても勉強になった。普段食べる機会の少ないターキーの試食が出来たのも良かった。
◎シェフの現地に行って確かめるというルーツから求める姿勢に感銘を受けました。
◎ターキー自体を調理した事がなかったのですが、とても分かりやすかったです。
◎食材としてのターキーは初めてだったので勉強になる貴重なセミナーでした。
など他にも多数のご感想をいただきました。ありがとうございました。
【主催】アメリカ家禽鶏卵輸出協会、厨BO!YOKOHAMA
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アメリカ家禽鶏卵輸出協会(USAPEEC)
家禽鶏卵商品(チキン,ターキー,ダック,鶏卵)の需要拡大のために、世界の主要な国々で幅広い活動を行っています。高度な生産技術と徹底した検査制度で、アメリカのおいしさを世界に届けています。https://www.usapeec-jp.com/
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オムライスも絶品
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バーナーで焼きつけ後のキャラメルロースト
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試食のオムライスの卵の仕込みはスチコンで
和知 徹 氏
1967年、兵庫県淡路島出身。
高校卒業後、辻調理師専門学校に入学し、
翌年、半年間のフランス校での研修と残りの半年間はブルゴーニュの1つ星で働く。
帰国後、【レストランひらまつ】入社。在籍中にパリの1つ星で研修し、
帰国後、ひらまつ系列の飯倉【アポリネール】料理長に就任。
退職後、98年銀座【グレープガンボ】の料理長を3年務める。
01年『マルディグラ』を独立開業
マルディグラ
東京都中央区銀座8-6-19 野田屋ビルB1F (新橋駅 徒歩3分)
TEL:050-5263-0474
https://hitosara.com/0006054191/
高校卒業後、辻調理師専門学校に入学し、
翌年、半年間のフランス校での研修と残りの半年間はブルゴーニュの1つ星で働く。
帰国後、【レストランひらまつ】入社。在籍中にパリの1つ星で研修し、
帰国後、ひらまつ系列の飯倉【アポリネール】料理長に就任。
退職後、98年銀座【グレープガンボ】の料理長を3年務める。
01年『マルディグラ』を独立開業
マルディグラ
東京都中央区銀座8-6-19 野田屋ビルB1F (新橋駅 徒歩3分)
TEL:050-5263-0474
https://hitosara.com/0006054191/