大手町・丸の内・有楽町地区(大丸有地区) 様

丸の内熱供給株式会社【地域冷暖房】

開発計画

昭和51年に大手町地区への熱供給を開始しその後、丸の内一丁目地区、有楽町地区、丸の内二丁目地区へと供給エリアを拡大しています。この地区は大丸有地区と呼ばれ、供給面積は4エリアの合計で約78.9ha、62棟7駅3通路に冷温熱の供給を行っており、供給延床面積は526万m²に及びます。また、2002年の丸ビル以降の新ビル建設に合わせプラントを増設し、現在では4つのメインセンターと12のサブプラントから構成されています。今後10年で既存プラントの移設等も含め、9か所の新プラント建設を行い、それぞれをネットワーク化することで「地区として機能継続するBCDの実現」と「低炭素化」を両立したスマートシティの実現を目指しています。
 

【POINT1】日本経済の中心である大丸有地区における地域間連携を活用した地域冷暖房

約4,000もの事業所が密集し、日本の総売上高の約1割を占める92社の上場企業を有する大丸有地区。まさに日本経済の中心地である大丸有地区の大部分にエネルギーを安定供給し、さらに地域間で蒸気を連携させることで防災性、環境性を向上させる先進的な取り組みを行っています。

【POINT2】CGSによる業務継続地区(BCD)の実現

BCDの実現のため、本地区の全プラントでバックアップ熱源機器を設置しており、万一の災害時にもプラント間ネットワークと併せて安定したエネルギー供給を行います。2016年4月に竣工した大手町フィナンシャルシティグランキューブは地区の防災拠点ビルであり、非常用発電機に加え、常用のCGSが設置されています。このビルに設置したサブプラントでは、事故・災害等により電力供給が遮断された場合、ビル側の非常用発電機とCGSから電力等の提供を受け、ビル側へ冷水、温水または高温水を供給します。熱供給システムとCGSを一体運用することで、「BCDの実現」と「低炭素化」を両立させることが可能です。(POINT3参照)
 

【POINT3】環境共生型まちづくりへの貢献

ネットワークによる効率性向上

既存・新設プラントのネットワーク化を図り、最新・高効率プラントを優先運転することで、国内外には見られない大丸有地区ならではの効率向上効果を得ています。エリアと共に進化しながら全体のエネルギー効率を常に高効率化していく、いわゆる「スパイラルアップ効果」により、省エネルギー・低炭素化を推進していきます。既に冷水連携5カ所、地区間蒸気連携1カ所を構築し、今後のプラント更新や再開発計画時にもさらにスパイラルアップを図っていきます。

CGS廃熱の面的活用

大丸有地区ではCGSの導入が積極的に進められています。その際、廃熱の有効活用が重要となりますが、CGSの廃熱を蒸気配管ネットワーク網を通じて複数のビルにおいて面的に活用することができるため、CGSのエネルギーの総合効率を経済的に向上させ「低炭素化」に貢献しています。

未利用エネルギーの活用

未利用熱には下水道熱利用がありますが、手洗水等を便所洗浄水に利用する中水は比較的きれいで温度が高いことから、熱を取り出して、蓄熱槽とヒートポンプシステムにより温水を製造します。未利用エネルギーの有効利用を図るとともに、エネルギー効率を向上させます。