開発計画
西新宿一帯は、都庁舎移転や超高層ビルの建設など発展を続けています。そしてさらなる都市機能の高度化に向け、再開発計画として低炭素・防災まちづくりが進められています。新宿地域冷暖房センターは、1971年より首都圏初の地域冷暖房施設として東京都庁をはじめ新宿の高層ビル群へ熱を供給しています。また、新宿西口地域冷暖房センターは1984年より、駅前に立地する新宿エルタワーと工学院大学の地下に設置したプラントを一体運用し、周辺のビル群に熱を供給しています。さらに、新宿新都心エリアの発展に合わせて、両センターの熱連携や、ガスコージェネレーションシステム(以下CGS)の最新設備の導入など、プラント設備の高効率化を図り、エリア全体の省エネ、省CO₂を継続して実現しています。
【POINT1】大規模なシステムによる低炭素で高度な防災まちづくりへの貢献
2013年に熱の地域間連携を開始したことに加えて、最新設備の導入による熱供給プラントの大幅な効率向上など様々な進化を遂げています。2エリア合計で73,600RTの世界最大級の冷凍能力に加え、停電時でも電力を供給可能な最新のCGSを増設し、今後、発電能力を20,000kWに拡大する予定であるなど、低炭素で高度な防災まちづくりに貢献。新宿新都心の地域エネルギーを安定的に供給しています。
【POINT2】東京都庁への電力供給
重要拠点である東京都庁は、災害発生時でも業務継続の必要があることに加え、帰宅困難者の受け入れなど、都庁舎の果たす役割は多岐にわたっています。そこで、BCPの向上を目的として、冷暖房や給湯などに活用する冷温熱だけでなく、2012年より新宿地域冷暖房センターのCGSから3,000kWの電力を供給しています。送電にあたり、新宿地域冷暖房センターと東京都庁舎を結ぶ地域配管トンネル内に専用の送電線を敷設しました。信頼性の高い中圧ガスを用いたCGSにより停電時等でも業務継続に必要な電力を供給することで、東京都庁の「電源の多重化」「電力供給の信頼性向上」に貢献しています。
【POINT3】地域エネルギー供給の熱融通について
隣接している新宿新都心地区と西新宿一丁目地区の2つの地域冷暖房は、互いに熱導管を連結し、2013年より熱の融通を開始しました。これにより、CGS廃熱のさらなる有効活用、新宿地域冷暖房センターの高効率機器の優先運転、熱源機運転負荷率の向上が可能となり、エリア全体のCO₂排出量を年間約3,000トンの削減(※)を可能にするなど、低炭素化まちづくりに貢献しています。