日立市役所 新庁舎 様

災害に強い中圧供給と停電時対応型ガスコージェネレーションシステムでBCPを強化

復興の象徴、これからの「市政百年」を担う新庁舎が完成

新庁舎概要とエネルギーのご要望
日立市役所の新庁舎が2017年7月に開庁しました。以前より、老朽化した庁舎の建て替えを検討していましたが、その矢先に東日本大震災が発生。庁舎は亀裂や破損などの重大な被害を受けました。早急に臨時庁舎を整えるとともに「日立市震災復興計画」を策定し、被災した庁舎の建て替えを決定。このたび新庁舎が誕生しました。
東日本大震災での教訓を踏まえ、新庁舎の建築計画には、「市民生活の安全・安心を支える防災拠点機能」「柔軟で効率的な執務機能をもった便利で使いやすい庁舎」「経済性に配慮した環境にやさしい庁舎」などが盛り込まれました。
設計したのは、日立市出身の世界的建築家・妹島和世氏。海と山に囲まれた地形を生かして、中央にある執務空間を囲むよう外周に廊下を配した構造で、東に海、西に山の景色を楽しむことができます。また、大開口のガラス窓から光や風を取り入れることで、経済性、環境性に配慮した建物になっています。

写真左)日立市役所新庁舎外観 同右上)新庁舎1階、正面玄関を入ってすぐのところにある、ゆとりある待合スペース
同右下)執務空間を取り囲む外廊下からは、日立市の特長である美しい海と山の景色を眺めることができます

新庁舎設計にあたり、エネルギー設備やサービスのご要望は、次の4点でした。
これらのご要望に沿って、東京ガスは非常時に対応強化や、平常時の省エネ・CO₂対策・業務の一本化をご提案いたしました。

ガスコージェネレーションシステムで非常時の電源確保と平常時の省エネを

エネルギーの多重化でセキュリティ強化
万一の停電時にも安定して電力を供給できるよう停電時対応型ガスコージェネレーションシステムをご提案。油の非常用発電機と併せて電源の多重化を図ることで、エネルギーセキュリティの強化を実現。中圧ガス導管によるガス供給が継続されている限り、電力を供給します。


日立市役所は、災害発生時に情報の収集・発信や、関係機関との連携が円滑にできるように災害対策本部室を常設されています。
ESPなら省エネ・省コストをワンストップで実現
ESP(エネルギーサービスプロバイダー)とは、最適なシステム設計、設備設置工事、メンテナンス、運転管理等のエネルギー業務を東京ガスグループがワンストップで請負うエネルギーマネジメントサービスです。料金は毎月一定額。多大な初期投資も突発的なメンテナンス費用も発生しません。

お客さまの声

佐川 勝宣 様
(日立市 総務部参事補 新庁舎建設課長)

非常用電源の多重化で、防災拠点施設としての機能を強化

市民生活の安全・安心を支える防災拠点機能を有することを大きな目的のひとつとして計画された新庁舎が、このたび完成いたしました。先の東日本大震災で庁舎が被災し、市民の皆様には大変ご不便をおかけしました。今後はそのようなことがないよう、新庁舎には防災拠点施設として様々な機能を備えています。まず、東日本大震災時には低圧ガス供給が停止し、困難な状況となった経験から、耐震性能の高い「中圧ガス導管」を導入しました。さらに、ガスの供給が続く限り発電し続ける「停電時対応型ガスコージェネレーションシステム」を採用し、軽油による「非常用発電機」や「太陽光発電設備」と併せて非常用電源の多重化を図りました。他にも、「免震構造の導入」「災害対策本部室の常設」「災害用井戸の整備」などを行っています。エネルギーは今後さらに多様化し、複雑になっていくことが考えられます。東京ガスには総合エネルギー企業として、ガス・電気・サービスを含めたエネルギーのご提案を期待しております。また、日立市内にはLNG基地もございます。今後とも日立市の活性化にご協力いただけますことを願っております。

主な導入機器・設備

  • エネルギーサービスプロバイダー
  • 停電時対応型ガスコージェネレーションシステム
    370kW×1台
  • ジェネリンク(廃熱投入型ガス吸収冷温水機)
    738kW×1台 422kW×1台
  • GHPエグゼアⅡ
    45台 合計規模 2,684kW(959馬力相当)

お客さま概要

日立市役所 新庁舎

所在地 〒317-8601 茨城県日立市助川町1-1-1
敷地面積 23,821m²
建築面積 4,369m²
延床面積 24,911m²
階数 地上7階、地下1階
構造種別 鉄骨造(一部鉄筋コンクリート造、免震構造)

※掲載内容は、2018年10月時点のものです。