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リンテック株式会社 熊谷工場 様

全蒸気回収ガスコージェネレーションシステム導入による省エネと電力ピークカットの両立

導入前にお客さまが抱えていた課題​

リンテック株式会社熊谷工場は製紙および粘着紙・粘着フィルムなどの製造において、同社の国内事業所内で最大級のエネルギー消費量を占めています。これまでもA重油から灯油、さらに都市ガスへの燃料転換のほか、インバーター化、LED化、VOC廃熱利用などにより、省エネルギーおよび電力ピーク対策を実施されていました。
しかし、生産品目の変更により電力需要が高まったことに加え、既設のガスコージェネレーションシステム(CGS)が老朽化によりリプレイス時期を迎えていたため、エネルギー状況に即したCGSの更新が求められていました。
また、さらなるCO2削減のため再生可能エネルギーの導入も検討課題となっていました。


エネルギーサービスで最適運用

発電出力および発電効率が高いCGSの導入により、電力ピーク対策を計画しました。
しかし、CGSから発生する廃温水の利用先が無かったため、廃温水を効率的に蒸気に変換する全蒸気回収CGSを採用し、高い熱回収効率を実現できるシステムを構築しました。
また、建物の屋根の空いたスペースを有効活用して、太陽光発電設備を導入し、さらなるCO2削減を実現しています。

CGSの全蒸気回収システムについて

CGSの機関冷却水の温度は通常は90℃程度ですが、120℃まで高温化できる仕様としました。蒸気発生装置を組み合わせて、120℃の温水から約0.05MPaGの飽和蒸気を発生させ、さらに蒸気圧縮機により飽和蒸気を昇圧して蒸気回収量を既存システムの1.5倍超(3.38 t/hから5.18 t/h)に増やしています。


全蒸気回収システムの先導性

全蒸気回収CGSではCGSから発生する廃温水を蒸気化できるので、温水の利用が無いお客さまでも、大型CGSから発生するエネルギーを効率的に使用できます。本システムでの蒸気回収量は既存システムの1.5倍超に相当し、温水を除く発電電力と発生蒸気量をあわせた総合効率は世界最高クラスの71.5%です。
また、電力ピークカットが重要となる時は全蒸気システムを停止して通常のガスエンジン単体稼働に切り替える運用にすることで、ピークカット対策運用も可能です。
本システムは、リンテック株式会社熊谷工場で初めて導入いただき、コージェネ大賞2015で技術開発部門理事長賞を獲得(※1)しました。さらにコージェネ大賞2018において、全蒸気回収CGS導入による省エネと電力ピークカットの両立が評価され、産業用部門優秀賞を受賞しました。
(※1)東京ガス株式会社、三菱重工業エンジン&ターボチャージャ株式会社、三浦工業株式会社、株式会社神戸製鋼所の4社共同受賞

SolarAdvance(ソーラーアドバンス)について

自家消費型の太陽光発電設備のPPA事業です。イニシャルレスでCO2フリーのクリーンな電力が得られます。導入だけでなく、導入後のサポートまでを含めたエネルギーサービスを、TGESが担っています。

主な導入機器・設備

  • ガスコージェネレーションシステム
    発電量 5,770kW、蒸気量 5.18 t/h(3.38 t/h +1.8 t/h)
  • 太陽光発電設備
    パネル容量 856.8 kW

お客さま概要

リンテック株式会社 熊谷工場

所在地:埼玉県熊谷市万吉3478

受賞歴

コージェネ大賞2015 理事長賞(技術開発部門)
コージェネ大賞2018 優秀賞 (産業用部門)