渋谷マークシティ 様

渋谷駅直結の夕ーミナル・ ショッピングモール・ホテル・オフィス複合施設へCGSを導入

省エネと災害時対応を両立させる停電対応型ガスコージェネレーションシステムへの更新。

駅前に建つ大規模複合施設におけるエネルギーの課題

渋谷マークシティは、鉄道会社3社の共同事業として、平成12年4月にオープンした大規模複合施設で、駅などの鉄道施設のほかに、ホテル、オフィス、商業施設などが入居しています。同ビルでは、ガスタービンコージェネレーションシステムを設置しておりましたが、経年に伴い更新を迎え、渋谷駅前に立地していること、多くの人々が利用する施設であることから、その更新計画においては防災機能が重視されました。災害時に館内の一部が帰宅困難者受入施設や一時滞在施設として機能するために、商用電力の停電時でも一定規模の電源を確保することが重要課題として位置付けられ、停電対応型の高効率ガスエンジンコージェネレーションシステムに更新することで、施設のBCP(事業継続計画)の強化を図ると同時に、ビルの節電や省エネ・省CO2も実現しました。

停電時に活用できる電源の多重化により、BCP(事業継続計画)を強化

以前は、ガスタービンコージェネレーションシステムを設置していましたが、停電時は重油焚の非常用発電機から防災負荷への電力供給しかできず、災害時の電源確保としては、不足がありました。そこで今回の更新計画により、停電時には、非常用発電機から防災負荷への電力供給だけでなく、ガスコージェネレーションシステムから重要負荷への電力供給も継続できるようにシステム設計を行いました。停電対応型の高効率ガスエンジンコージェネレーションシステムへの切り替え、さらに、非常用発電機についても、油タンクを増設して72時間の電力供給継続対応を可能にし、停電時の電源の多重化を図ったことで、オフィスを中心としたビル全体のBCPの強化を図ることができました。

省エネ法改正で、ガスコージェネレーションシステムからの廃熱は未利用エネルギーとしての評価が可能に。地域熱供給側の省エネにも貢献

同ビル周辺では、省エネと公害防止を目的として、地域熱供給が導入されています(事業者:渋谷熱供給株式会社)。ガスコージェネレーションシステムで発電した電力はビル側で使用しますが、廃熱は渋谷熱供給株式会社の地域熱供給プラントに供給しています。今回の設備更新では、地域熱供給プラント側でも廃熱利用機器(ジェネリンク)を追加設置して、ガスエンジンから供給される廃熱蒸気と廃熱温水の両方を活用できるシステムに改良しました。省エネ法の改正により、エネルギー消費原価単位の計算の際、ガスエンジンコージェネレーションシステムから供給される廃熱(蒸気・温水)利用分は、プラント全体のエネルギー消費量から差し引いて評価ができるため、渋谷熱供給株式会社の省エネにも貢献しています。
更新後の電力供給と地域熱供給システム

主な導入機器・設備

渋谷マークシティ
  • ガスエンジンコージェレーションシステム  930kW×1
  • 非常用発電機  2,000kVA
渋谷熱供給
  • ジェネリンク(廃熱投入型吸収冷温水機)  600RT×1
  • 蒸気吸収式冷凍機  15.2GJ/h×2(1,200RT×2)、5.1GJ/h×1(400RT×1)
  • 電動ターボ冷凍機  5.1GJ/h×1(400RT×1)
  • 蒸気ボイラ  9.6t/h×1、4.8t/h×1

お客さま概要

渋谷マークシティ

所在地:東京都渋谷区道玄坂1-12-1ほか
敷地面積:約14,420㎡
延床面積:約138,620㎡
用途:ホテル、事務所、店舗(物販・飲食)、駐車場、駅(京王井の頭線渋谷駅)、車両基地(東京メトロ)等