学校法人 工学院大学 八王子キャンパス 様
大規模キャンパスのBCP対策と省エネをガスエネルギーが担う
工学院大学は、1887年(明治20年)に日本初の私立工業学校「工手学校」として東京・築地に創立されました。関東大震災後の1928年(昭和3年)に現在の西新宿へ移転し同時に名称を工学院に改めました。1949年(昭和24年)の学制改革により大学を設置し、工学部の教育を始めました。1963年(昭和38年)に八王子キャンパスを開設し、西新宿と八王子の2キャンパスによる教育体制を整えています。「社会・産業と最先端の学問を幅広くつなぐ『工』の精神」を掲げ、開学以来10万人を超える高い専門技術を持ったものづくりの担い手を世に送り出してきました。
現在、工学院大学は「無限の可能性が開花する学園」の理念のもと「VISION150」を展開されております。「世界の人材育成の拠点」「地域社会と強固に連携する」八王子キャンパスの再開発プロジェクトが、創立130周年に当たる2017年に完結し、最先端の学習・研究環境が整うと同時に、地震など災害に強く、省エネ・省CO2など環境にも配慮した新たな八王子キャンパスが誕生しました。

右上:開放的な個別ミーティングルーム 右下:図書館のリラックススペース
お客さま情報
所在地 | 〒192-0015 東京都八王子市中野町2665番地1 |
---|---|
主な施設 | 2号館、
4号館「あどらぼ」、
19号館「ふらっと」、
総合教育棟 他全23館 |
敷地面積 | 235,991m2 |
ホームページ | 工学院大学 |
ポイント
-
- 積極的なガスエネルギーの選択による電力ピークカット
-
- BCP強化、省エネ・省CO2の実現
積極的なガスエネルギーの選択による電力ピークカット
工学院大学では1963年に八王子キャンパスを開設して以来、新宿と八王子の2キャンパスによる教育体制を整えてきました。時代のニーズに応えるべく八王子キャンパスはその規模を拡大し、現在では多彩な機能を持つ全23館が揃っています。しかしながら、この拡大により次第に電力不足が深刻になってきました。それを補うべく選択したのがガスエネルギーの積極導入です。2016年3月に完成した4号館では全面的にGHPをご採用いただき、さらに15号館においてはEHPからGHPへのリプレイスを行うことにより大幅な電力ピークカットを実現しています。

右:EHP(電気空調)からGHPにリプレイスした15号館
BCP強化、省エネ・省CO2の実現
2017年3月に完成した2号館には停電時対応型ガスコージェネレーションシステム(CGS)をご採用いただきました。平常時には系統連系により電力不足を低減します。停電時には災害に強い中圧導管から供給される都市ガスにより発電を行い、重要負荷への給電を続けることができます。工学院大学は2015年に八王子市と「包括連携に関する協定」を締結しており、地域と連携した防災・減災活動にも積極的に取り組んでいます。今回の新たなエネルギーシステム構築により、災害時に地域の皆さまを迎え入れる広域避難場所としての機能の強化を図ることにもなりました。さらに新2号館の空調にはガスコージェネレーションシステムの廃熱を効率的に活用できるジェネリンク(廃熱投入型ナチュラルチラー)とGHPを選択し、総合的な省エネ・省CO2にも貢献しています。

右:キャンパスの上水の9割以上を担う井戸水。
災害時にもCGSから井水ポンプへ給電することで非常時にも給水が継続される。
お客さまの声
.png)
鳥塚 啓明 様
(学校法人 工学院大学 八王子キャンパス 施設部 部長)
進化した八王子キャンパスは 学生にも地域の皆さまにも貢献します。
東日本大震災後に計画停電を経験、エネルギーの多様化が重要であると実感し、八王子キャンパス再開発では、キャンパス全体でのエネルギーバランスの見直し、省エネへの取り組み、災害時のBCP対策を実践しました。具体的には、新築した2・4号館にGHPを採用、更新の時期を迎えていた15号館はEHPからGHPへのリプレイスを行い、今夏の電力使用量は約15%減少しました。また免震構造で建てた新2号館には停電時対応型ガスコージェネレーションシステムを導入。弊校は八王子市の広域避難場所に指定されていますが、これにより災害時にも電気・水道などライフラインが確保され、一部空調も使用できる環境が整いました。今後は、エネルギーの使用データを分析し、さらにエネルギーのベストミックスを進めていきたいと考えています。総合エネルギー企業である東京ガスには、ガスはもちろん様々なエネルギーの研究開発とその安定供給を今後も期待します。将来的に弊校との共同研究開発なども実現すればうれしい限りです。
主なソリューション・機器
- 停電対応型ガスコージェネレーションシステム
- ジェネリンク(廃熱投入型ナチュラルチラー)
- GHP(ガスヒーポン)
ソリューション・機器詳細
形式 | 能力 | 台数 |
---|---|---|
停電対応型ガスコージェネレーションシステム EP370G |
発電出力 370kW 廃熱回収量 306.8kW(1,104.6MJ/h) 発電効率 41.0% 廃熱回収効率 34.0% 総合効率 75.0% 燃料 都市ガス 13A 80.0Nm3/h |
1台 |
ジェネリンク (廃熱投入型ナチュラルチラー) QAG-CP120FGP |
冷房能力 301kW 暖房能力 274kW 燃料 都市ガス13A |
2台 |
GHP(ガスヒーポン) | 合計 2,457.6kW(878馬力相当) | 52台 |
導入したソリューション・機器
掲載情報は2018年10月29日時点のものです。
その他の導入事例を見る