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東京ガスの広報誌「LIVE ENERGY」に掲載された「リニューアルレポート」をご紹介します。
公共施設
東久留米市立中央公民館様
公民館の諸室の構成と利用実態に合わせた機器を選定、GHPの採用で、ランニングコストとCO2排出削減に貢献。
東久留米市立中央公民館 建築概要
所在地 | 東京都東久留米市中央町2-6-23 |
---|---|
建築主 | 東京都東久留米市 |
用途 | 公民館 |
敷地面積 | 約9,800m² |
建築面積 | 約2,130m² |
延床面積 | 約3,500m² |
構造 | 鉄筋コンクリート造(一部鉄骨造) |
規模 | 地下1階地上2階 |
竣工 | 昭和60年7月 |
リニューアル工事 |
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アリーナ
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ガス吸収冷温水機
主要機器リスト
- ガス吸収冷温水機 80RT×1/GHP 69HP
熱源機の更新内容
- 更新前
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- ガス吸収冷温水機 60RT×2
- 更新後
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- ガス吸収冷温水機 80RT×1
- GHP 20HP×2 16HP×1、13HP×1(合計 69HP)
リニューアルの経緯
東久留米市立中央公民館は、市内で唯一の公民館である。地上2階地下1階の建屋には、500人定員のホールと、ホワイエを兼ねた大きなロビーがある他、2 階を学習ゾーン、地下を実習ゾーンと位置づけて、集会学習室などの諸室が並ぶ。各室は、午前・午後・夜間の3つの時間帯が設定されて市民に貸し出しが行なわれており、利用率が高い市民活動の拠点施設となっている。
竣工は昭和60年(1985)。使用を開始して20年以上が過ぎ、様々な修繕が必要になってきた。しかし、全てを一度に改修することは予算的にも難しく、中央公民館では、優先順位をつけて、少しずつ取り組んでいくことにした。
最初に実施したのは、ホールで使用する音響設備で、3年前にデジタル化された。その次の段階が、昨年度取り組んだ、空調リニューアルと外壁の塗装。そして今年度は、照明設備のリニューアルが実施される。
空調設備については、熱源設備だけでなく、各室のファンコイルユニット等の老朽化も進行していた。
利用実態にあわせて個別空調を導入
中央公民館の空調システムは、ガス吸収冷温水機60RT×2台を使ったセントラル空調システムであった。
今回のリニューアルでは、限られた予算内で実施できることが条件となった。その中で、同じ能力の吸収式を入れ替える方法と、吸収冷温水機とGHP、 EHPの組み合わせ、空冷チラーとGHP、EHPの組み合わせの5つのシステムが比較検討されたが、まず電気式の機器の導入は、電気使用量を増加させ、受変電設備の改造が必要となるため、イニシャルコスト増を理由に見送られた。また、貸し出し室が多数あり、利用時間にも違いがあることから、ホールと共用部分以外は個別空調を採用することが、エネルギーの利用効率を高めると共に、利用者の利便性向上になると判断され、吸収冷温水機にGHPを組み合わせたシステムが選ばれた。
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個別空調(GHP)が導入された部屋
工事の概要
リニューアル工事は、最初に中間期の実施が検討されたが、検討時の利用予約状況や、文化祭、成人式等の重要な恒例行事のスケジュールを考慮して、平成20年1月15日から全館閉館とし、着工することとした。
吸収冷温水機の設置には、地下のサンクンガーデンが利用され、機械室の入口前のガラス戸を外しただけで、特段の手間をかけずに搬入できた。またGHP は、室外機を1階の屋外に据え、冷媒配管が目立たないように、外壁にほぼ同色のカバーを使って設置するなど、工夫が施された。
試運転・調整作業は3月はじめから行なわれ、3月18日には、予定通り公民館が再オープンされている。
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おわりに
今回の空調リニューアルでは、公民館の諸室の構成と、利用実態にあわせた機器の選定が行なわれた。GHPの採用で、細かな運転制御が可能になったことで、ランニングコストの低減も期待されている。CO2排出削減にも貢献できると考えられている。