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- 医療法人社団康心会 茅ヶ崎新北陵病院
東京ガスの広報誌「LIVE ENERGY」に掲載された「リニューアルレポート」をご紹介します。
病院
医療法人社団康心会 茅ヶ崎新北陵病院様
リニューアル工事で省エネ性がさらに向上。地球環境に配慮した病院で、高水準の医療を提供。
茅ヶ崎新北陵病院 建築概要
所在地 | 神奈川県茅ヶ崎市行谷583-1 |
---|---|
建築主 | 医療法人社団 康心会 |
主な用途 | 病院(病床数289床) |
敷地面積 | 約6,049m² |
敷地面積 | 約2,888m² |
延床面積 | 約11,561m² |
構造 | 鉄筋コンクリート造 |
規模 | 地下1階地上6階 |
竣工 | 平成7年12月 |
リニューアル工事 |
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ガス吸収冷温水機
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コージェネレーションシステム
主要機器リスト
- コージェネレーションシステム 25kW×2
- ガス吸収冷温水機 210RT×2
- 潜熱回収マルチ給湯器 619Mcal/h×1(8台連結)
- 太陽熱利用給湯システム 1.91m²×3
- 高効率照明 40箇所(蛍光灯のインバータ化:30箇所、
蛍光型ダウンライト10箇所)
熱源機の更新内容
- 更新前
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- コージェネレーションシステム 80kW×1
- ガス吸収冷温水機 400RT×1
- 温水ボイラ 630Mcal/h×1
- 更新後
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- コージェネレーションシステム 25kW×2
- ガス吸収冷温水機 210RT×2
- 潜熱回収マルチ給湯器 619Mcal/h×1
- 太陽熱利用給湯システム 1.91m²×3
リニューアルの経緯
医療法人社団康心会 茅ヶ崎新北陵病院は、主に高齢者を対象に、透析や神経難病治療等の専門医療とリハビリテーションを提供する病院として、平成7年12月に開院した。急性期医療を提供しながら専門的にリハビリテーションを行なう病院は少なく、同病院には東京都をはじめ、遠方から訪れる患者も多い。
医療施設という性格上、患者の健康状態に影響する冷暖房設備は、重要な役割を果たす。同病院では近年、開院以来使用してきたガス吸収冷温水機(400RT×1台)に、経年劣化の兆候が認められるようになっていた。早期の対応が重要と考えた同病院は、空調リニューアルを決定。病院全体の省エネ化にも視野を広げ、給湯用の温水ボイラ(630Mcal/h×1台)、ガスコージェネレーションシステム(80kW×1台)を含むエネルギーシステムの改修工事が計画された。
能力見直しと台数分割を実施
医療法人社団康心会では、他の病院や施設等でもガス空調やコージェネを活用してきた。同病院でのリニューアルでは、その実績や、継続による運転管理のしやすさを考慮して、同様のシステムへの更新を基本としつつ、さらなる効率化を目指した。
導入する機器は最新の高効率機であるとともに、利用実態にあわせた能力の見直し、将来的なメンテナンス等を考慮した台数分割が求められた。空調熱源機は COP1.36のガス吸収冷温水機210RT×2台、給湯器は潜熱回収マルチ給湯器619Mcal/h(8台連結)が採用され、コージェネは25kW×2 台となった。さらに新たに太陽熱利用給湯システム1.91m²×3台を加え、省エネ化が進められた。
これらの新たなシステムは、ESCO方式での導入となった。1階ロビーの照明を高効率照明に切り替える工事もあわせて実施し、照明の消費電力量を約40%削減した。病院全体ではCO2排出量が10.3%削減される見込みで、環境省の「公共・公益サービス部門率先対策補助事業」の適用を受けている。
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潜熱回収マルチ給湯器
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太陽熱利用給湯システム
患者に配慮した空調工事の期間設定
省エネ改修工事は、補助事業の適用が決まった8月中旬から手配を始め、平成20年10月~平成21年1月の工期が設定された。
特に空調工事については、高齢者の健康状態への影響を考慮して、冷房が不要になる残暑後の開始を予定していたが、気温が下がらず、空調熱源機の撤去工事が11月初旬にずれこんだ。機器の搬入は11月中旬で、可能な限り効率的に工事を進めることで、本格的な冬が訪れる前の12月1日に暖房運転開始にこぎつけた。最後は工程通りの完了である。
給湯設備については、浴室用に毎日温水が必要であったため、新規設備の設置後に配管を切り替え、その後に旧設備の撤去が行なわれた。
全工程の完了は1月24日であった。
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おわりに
茅ヶ崎新北陵病院は、建設当初から省エネ・環境保全に配慮された建物であったが、今回の工事によって、さらに省エネ性が向上した。今後も、地球環境に配慮された病院で、高水準の医療が提供されていく。