- 現在位置 :
- 業務用・工業用TOP
- 業種別ガイド
- 業務用
- 環境建築・設備設計
- リニューアル計画
- 横須賀アリーナ
東京ガスの広報誌「LIVE ENERGY」に掲載された「リニューアルレポート」をご紹介します。
スポーツ施設
横須賀アリーナ様
中圧ガスの利用で災害時の避難場所としても有効利用。市民サービスの向上に大きく寄与。
横須賀アリーナ(横須賀市総合体育館)建築概要
所在地 | 神奈川県横須賀市不入斗町1-2 |
---|---|
建築主 | 横須賀市 |
指定管理者 | (財)横須賀市都市施設公社 |
主な用途 | 体育館 |
敷地面積 | 10,304m² |
延床面積 | 8,283m² |
構造 | 鉄筋コンクリート造(一部鉄骨造) |
規模 | 地上3階 |
竣工 | 昭和53年11月 |
リニューアル工事 |
|
-
アリーナ
-
ガス吸収冷温水機
主要機器リスト
- ガス吸収冷温水機 240RT×2
- ガス瞬間給湯器 150号(50号×3台連結)
熱源機の更新内容
- 更新前
-
- 蒸気ボイラ 990,000kcal/h×2
- 水冷パッケージ 20,500kcal/h×1
- 更新後
-
- ガス吸収冷温水機 240RT×2
- ガス瞬間給湯器 150号
- EHP 318.5kW
リニューアルの経緯
横須賀アリーナは横須賀市の体育施設で、市の屋内外の体育施設が数多く整備されている不入斗公園内にある。横須賀アリーナには市で一番大きな体育館(アリーナ)があり、成人式などの市のイベントを始め、日本バスケットボールリーグの東芝ブレイブサンダースの試合などにも利用されている。
開館は昭和53年11月である。ここには大空間のアリーナのほかに4つの体育室、トレーニング室、会議室があり、ガスボイラで暖房とシャワー類の給湯を行なっていた。しかし、築後30年を経て空調設備の老朽化が進んできたため、平成19年に空調リニューアルを検討することになった。それまではトレーニング室と会議室、事務室には水冷パッケージで冷房がなされていたが、その他は冷房がなく、施設全体への冷房設備の導入もあわせて行なうリニューアル工事の実施が決定された。
中圧ガス管で災害対応
導入するシステムについて最初に検討されたのは、蓄熱式とするか否かであった。しかし設備の設置スペースの問題から見送られ、電気ヒーポン、ガス吸収冷温水機が比較検討された結果、ピーク電力を抑え、ランニングコストを抑制するために、大空間であるアリーナには、ガス吸収冷温水機が選定された。災害時の避難所に指定されている施設であったため、震災に強い中圧管が通っていたことも、大きなプラスポイントとなった。夏の災害時でも冷房が使用でき、避難者の快適性が確保できるからである。なお、採用されたのは、環境配慮の観点からCOPが高いグリーン機種となった。また、空調と給湯に運転時間帯のズレがあっても効率的な運用を可能とするために、空調と給湯のシステムが分離され、ガス給湯器が導入されている。
中圧供給のイメージ

利用が多い時期を避けて工期設定
工事は、平成20年10月に準備を行ない、11月に実質的にスタート。この時期は、施設利用に影響がない範囲でダクトの解体等が進められ、12月に機器を搬入。1月には配管工事、2月に試運転を行ない、3月に引き渡しというのが工事の大まかな流れであった。子どもたちの各種大会や運動会のシーズンである 7~10月と1月の成人式までの期間は、通常通りの施設利用ができるように工期と工事内容が設定され、本格的な工事は成人式後とされた。この時に受変電設備の更新も行ない、電気が使用できないため、約1ヶ月間閉館として、大きな工事を集中させた。
なお、前面の駐車場が使用できたため、機器の搬出入は問題なく進めることができた。施設内の配管工事については、竣工時に冷房導入の将来計画があったため、冷房配管がすでに設置されていたことから、その管が活用されている。

おわりに
横須賀アリーナへの冷房設備の導入は、市、住民ともに長年要望してきたものであった。中圧ガス管の利用で、災害時の避難場所としても、これまで以上に有効利用できる空間となった。市民サービスの向上に大きく寄与したリニューアルであった。