セミナーレポート
2022.11.21
飲食店さま向け
【開催報告】「トップシェフが織りなす フレンチとカリフォルニア産チーズの ハーモニー」銀座ラフィナージュ・高良シェフ調理実演&レストラン運営トーク
銀座「ラフィナージュ」の高良康之シェフに、カリフォルニア産の高品質なチーズを使って調理実演していただきました。
■使用チーズ■(写真1枚目)
・オリジナルブルーチーズ(Point Reyes社)
・トーマチーズ(Point Reyes社)
■調理実演■
『カリフォルニアより ブルーチーズの香るリ・ド・ヴォーと
エスカルゴのキャソレット』(写真2枚目)
1品目は、ブルーチーズとリ・ド・ヴォー(仔牛胸腺肉)、エスカルゴとの組み合わせのお料理です。
まずリ・ド・ヴォーとエスカルゴのそれぞれの下処理について丁寧な説明がありました。リ・ド・ヴォーは昔よりも品質が向上しているので、お湯からブランシール(茹でる)してプレスする従来の方法ではなく、水からゆっくり火にかけ、全体を均一な火入れの状態にする方法を教えていただきました。考え方は低温調理に近いということでした。プレスの工程もないため、ソテーしてもふわっとした食感が保たれ軽やかでした。
逆に、エスカルゴについては昔ながらの内臓や膜をしっかり取り除く方法を教えていただきました。やはり臭みやじゃりっとした食感を防ぐためには必要な作業とのことで、パリ時代の求職訪問先のシェフや「ル・マエストロ」時代の故・ポール・ボキューズ氏からしっかり指導されそうです。
この料理はフライパンひとつで仕上げていくのですが(写真3枚目)、バターやアルコール類の扱い方等、高良シェフの真骨頂である科学的な側面からの説明も相まって参加者の皆さまも興味深くシェフの作業を集中してご覧になっていました。クリーミーな「オリジナルブルー」チーズと他の素材との味のバランスについてもシェフの考え方を解りやすく教えていただきました。詳しくはアーカイブ動画を是非ご覧ください。
『ゲームヘン鶏のルーロー、トーマチーズのフォワイヨー』(写真4枚目)
2品目は、トーマチーズと小型の鶏「ゲームヘン鶏」の料理です。高良シェフは「ブラッスリー・レカン」時代によく使用していたとのことで、大きさも見栄えも丁度良いので重宝したそうです。
今回はルーロー(ロール状)にして、よりクラシックなスタイルのフランス料理に仕立てています。まず鶏を一枚開きにしていきます。包丁の入れ方や関節の外し方等、丁寧に説明してくださいました。途中、他の家禽である七面鳥や鳩の楽しい話も交えながら解体作業が進んでいきます。
次にファルス(詰め物)を包むときの状態についても、1人前ポーションにカットした際に胸肉ともも肉の両方がしっかり入るように、とのポイントも。フォワイヨーをフード・プロセッサーで混ぜる作業においても、いかに塩味を均一にするか、「トーマチーズ」をどの時点で加えるか等、細かく説明してくださいました。
そして特筆すべきは「ソース」。数種類のお酒を用いたクリームソースです。このソースが料理全体をしっかりまとめ、見事なフレンチ・ガストロノミ—料理として完成されていました。
■レストランや運営について■
<高良シェフのレストラン>(写真5枚目)
「Restaurant L'affinage」
2018年10月創業
東京都中央区銀座5丁目9−16
<シグネチャー的料理はありますか>
自分で「これがうちの店のスペシャリテです」というのではなく、それはお客さまが決めていくもの。「また食べたい」と言ってくれるものだと思っていて、自分としては全部得意料理にして「どこからでもどうぞ」という気持ちで作っている。冷製のフォアグラやあわび、鹿など、長年出しているものあるが、まだ5年も経っていないから、これからだと思っています。
<開業時の厨房づくり>
汐留にあった東京ガス業務用テストキッチンを何回か使わせてもらい、「これはいいな」という設備がいくつかあったんですね。それで開業時に東京ガスに相談しました。
▼高良シェフインタビュー
https://eee.tokyo-gas.co.jp/service/saitekichubo/example/dokuritsu12/
<激戦区銀座での独立>
「銀座レカン」などで総料理長を務めてきて、何らかの形になるまでは務めようとしたら10年になりました。最初はお客さまが「レカンの新しいシェフを試してやろう」「歴代のシェフと比べてどうだ」という感じでお店に来ました。相手としては手ごわいけど、最高でした。
6年目くらいからお客さまが「今日、高良は何を食べろと言ってるんだ?」という感じになってきたんですね。そんな状態になって、18歳でこの仕事を始めてからいつかは独立したいと思っていたので、もうやれたかなと思って独立しました。
銀座で14年やってきたことが自分のバックボーンになっていて、自分が戦えるフィールドであると分かりました。また銀座の町内会(連合会)とつながりができて、そこで「一発屋は山のように出てくる。でも本物じゃないと生き残れないのが銀座」という言葉を聞いて、自分を奮い立たせる意味でも銀座で頑張ろうと独立しました。
<コロナ禍で感じたレストランという存在>
いつか無くなってしまうかも・・・という危機感を覚えました。
でも顔と顔を合わせてコミュニケーションできる場所、元気をもらえる場所、元気を与えられる場所、豊かな時間を過ごせる場所で、すごくいい仕事だと思っています。
淘汰はされるでしょうが、永遠になくならない!と思っています。
<東京ガスからご案内しました>
「業務用食品・食材の仕入強化サービス」
業務用食材や取引先をWeb上で探せ、発注や商談を行えます。東京ガス特典として利用料金割引もあります。
▼「BtoBプラットフォーム 商談」
https://eee.tokyo-gas.co.jp/lp/oshigoto/infomart/
■お客さまの声■
「丁寧で理論的な説明がわかりやすくとても勉強になりました。」「食材の特徴を理解し、最大に生かした料理と、レシピの構築の考え方が参考になりました。」「カリフォルニアが好きで時々行きます。豊かな自然、たくさんの放牧場があるにもかかわらず、あまり日本でチーズが話題にならず、今回勉強させていただきたいと思い参加させていただきました。大満足の内容でした。ありがとうございました。」などたくさんの感想をいただきました。
ご参加いただいた皆さま、高良シェフ、カリフォルニア ミルク協会さま、どうもありがとうございました!
■使用チーズ■(写真1枚目)
・オリジナルブルーチーズ(Point Reyes社)
・トーマチーズ(Point Reyes社)
■調理実演■
『カリフォルニアより ブルーチーズの香るリ・ド・ヴォーと
エスカルゴのキャソレット』(写真2枚目)
1品目は、ブルーチーズとリ・ド・ヴォー(仔牛胸腺肉)、エスカルゴとの組み合わせのお料理です。
まずリ・ド・ヴォーとエスカルゴのそれぞれの下処理について丁寧な説明がありました。リ・ド・ヴォーは昔よりも品質が向上しているので、お湯からブランシール(茹でる)してプレスする従来の方法ではなく、水からゆっくり火にかけ、全体を均一な火入れの状態にする方法を教えていただきました。考え方は低温調理に近いということでした。プレスの工程もないため、ソテーしてもふわっとした食感が保たれ軽やかでした。
逆に、エスカルゴについては昔ながらの内臓や膜をしっかり取り除く方法を教えていただきました。やはり臭みやじゃりっとした食感を防ぐためには必要な作業とのことで、パリ時代の求職訪問先のシェフや「ル・マエストロ」時代の故・ポール・ボキューズ氏からしっかり指導されそうです。
この料理はフライパンひとつで仕上げていくのですが(写真3枚目)、バターやアルコール類の扱い方等、高良シェフの真骨頂である科学的な側面からの説明も相まって参加者の皆さまも興味深くシェフの作業を集中してご覧になっていました。クリーミーな「オリジナルブルー」チーズと他の素材との味のバランスについてもシェフの考え方を解りやすく教えていただきました。詳しくはアーカイブ動画を是非ご覧ください。
『ゲームヘン鶏のルーロー、トーマチーズのフォワイヨー』(写真4枚目)
2品目は、トーマチーズと小型の鶏「ゲームヘン鶏」の料理です。高良シェフは「ブラッスリー・レカン」時代によく使用していたとのことで、大きさも見栄えも丁度良いので重宝したそうです。
今回はルーロー(ロール状)にして、よりクラシックなスタイルのフランス料理に仕立てています。まず鶏を一枚開きにしていきます。包丁の入れ方や関節の外し方等、丁寧に説明してくださいました。途中、他の家禽である七面鳥や鳩の楽しい話も交えながら解体作業が進んでいきます。
次にファルス(詰め物)を包むときの状態についても、1人前ポーションにカットした際に胸肉ともも肉の両方がしっかり入るように、とのポイントも。フォワイヨーをフード・プロセッサーで混ぜる作業においても、いかに塩味を均一にするか、「トーマチーズ」をどの時点で加えるか等、細かく説明してくださいました。
そして特筆すべきは「ソース」。数種類のお酒を用いたクリームソースです。このソースが料理全体をしっかりまとめ、見事なフレンチ・ガストロノミ—料理として完成されていました。
■レストランや運営について■
<高良シェフのレストラン>(写真5枚目)
「Restaurant L'affinage」
2018年10月創業
東京都中央区銀座5丁目9−16
<シグネチャー的料理はありますか>
自分で「これがうちの店のスペシャリテです」というのではなく、それはお客さまが決めていくもの。「また食べたい」と言ってくれるものだと思っていて、自分としては全部得意料理にして「どこからでもどうぞ」という気持ちで作っている。冷製のフォアグラやあわび、鹿など、長年出しているものあるが、まだ5年も経っていないから、これからだと思っています。
<開業時の厨房づくり>
汐留にあった東京ガス業務用テストキッチンを何回か使わせてもらい、「これはいいな」という設備がいくつかあったんですね。それで開業時に東京ガスに相談しました。
▼高良シェフインタビュー
https://eee.tokyo-gas.co.jp/service/saitekichubo/example/dokuritsu12/
<激戦区銀座での独立>
「銀座レカン」などで総料理長を務めてきて、何らかの形になるまでは務めようとしたら10年になりました。最初はお客さまが「レカンの新しいシェフを試してやろう」「歴代のシェフと比べてどうだ」という感じでお店に来ました。相手としては手ごわいけど、最高でした。
6年目くらいからお客さまが「今日、高良は何を食べろと言ってるんだ?」という感じになってきたんですね。そんな状態になって、18歳でこの仕事を始めてからいつかは独立したいと思っていたので、もうやれたかなと思って独立しました。
銀座で14年やってきたことが自分のバックボーンになっていて、自分が戦えるフィールドであると分かりました。また銀座の町内会(連合会)とつながりができて、そこで「一発屋は山のように出てくる。でも本物じゃないと生き残れないのが銀座」という言葉を聞いて、自分を奮い立たせる意味でも銀座で頑張ろうと独立しました。
<コロナ禍で感じたレストランという存在>
いつか無くなってしまうかも・・・という危機感を覚えました。
でも顔と顔を合わせてコミュニケーションできる場所、元気をもらえる場所、元気を与えられる場所、豊かな時間を過ごせる場所で、すごくいい仕事だと思っています。
淘汰はされるでしょうが、永遠になくならない!と思っています。
<東京ガスからご案内しました>
「業務用食品・食材の仕入強化サービス」
業務用食材や取引先をWeb上で探せ、発注や商談を行えます。東京ガス特典として利用料金割引もあります。
▼「BtoBプラットフォーム 商談」
https://eee.tokyo-gas.co.jp/lp/oshigoto/infomart/
■お客さまの声■
「丁寧で理論的な説明がわかりやすくとても勉強になりました。」「食材の特徴を理解し、最大に生かした料理と、レシピの構築の考え方が参考になりました。」「カリフォルニアが好きで時々行きます。豊かな自然、たくさんの放牧場があるにもかかわらず、あまり日本でチーズが話題にならず、今回勉強させていただきたいと思い参加させていただきました。大満足の内容でした。ありがとうございました。」などたくさんの感想をいただきました。
ご参加いただいた皆さま、高良シェフ、カリフォルニア ミルク協会さま、どうもありがとうございました!
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▲高良シェフ(左)と、ご参加いただいた川島シェフ(ラ・ロシェル総料理長)(右)。川島シェフには参加者を代表して、試食やコメントをいただきました。ありがとうございました!
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▲「ゲームヘン鶏のルーロー トーマチーズのフォワイヨー」のご試食を用意。試食した方々は、ソースを何度もスプーンですくい、とても美味しそうに味わっていました。
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▲高良シェフと「カリフォルニア ミルク協会」の岩崎さん。カリフォルニア産チーズの良いところや持続可能な環境をつくりあげている生産者について、詳しく教えてくださいました。
高良 康之 シェフ
レストラン「ラフィナージュ」オーナーシェフ
ホテルメトロポリタン勤務を経て、89年渡仏。パリ・サヴォワ地方などフランス各地で2年間研鑽を積む。
帰国後は、赤坂「ル・マエストロ・ポール・ボキューズ・トーキョー」副料理長、日比谷「南部亭」料理長を歴任し、2002年「ブラッスリー・レカン」オープンに伴い、料理長に就任。「銀座レカン」総料理長を経て、2018年10月、銀座五丁目に自身の店となる「レストラン ラフィナージュ」をオープン。
▼レストラン「ラフィナージュ」
https://laffinage.jp/
ホテルメトロポリタン勤務を経て、89年渡仏。パリ・サヴォワ地方などフランス各地で2年間研鑽を積む。
帰国後は、赤坂「ル・マエストロ・ポール・ボキューズ・トーキョー」副料理長、日比谷「南部亭」料理長を歴任し、2002年「ブラッスリー・レカン」オープンに伴い、料理長に就任。「銀座レカン」総料理長を経て、2018年10月、銀座五丁目に自身の店となる「レストラン ラフィナージュ」をオープン。
▼レストラン「ラフィナージュ」
https://laffinage.jp/