埼玉県立小児医療センター 様

エネルギーネットワーク強化で災害に強く省エネに優れた救急医療拠点に

子どもから大人まで対応できる医療拠点を構築、24時間受け入れの小児救命救急医療も強化。

埼玉県唯一の小児専門病院として30年以上にわたり質の高い小児医療を提供してきた埼玉県立小児医療センターですが、時代とともに変化する出産事情への対応や、より高度な小児医療の提供、小児保健・発達支援へのさらなる取り組みなど、新たな課題の解決策を模索していました。この度、完成した新病院と隣接するさいたま赤十字病院の密接な連携が実現したことにより、周産期医療や救命救急医療の充実・強化をさらに図ることが可能になります。JRさいたま新都心駅のすぐそばに広大な土地を確保できたことにより、小児医療の総合病院と成人医療の総合病院の連携という、これまでにない新しいスタイルの医療拠点が誕生しました。

新都心地域のエネルギーネットワークを強化し、エネルギーの合理化、安全性の向上を。

高度専門医療、災害医療を提供する病院として、24時間365日、災害時であっても稼働できるよう、エネルギーの確保は最重要課題のひとつです。病院内には非常用発電機はもちろんのこと、停電時対応型ガスコージェネレーションシステムを装備しました。さらに、新都心地域にエネルギーを供給する地域冷暖房センターを中心としたスマートエネルギーネットワークを構築することで、エネルギーの多元化、地域単位での最適なエネルギーシステム構築、エネルギー効率アップなどを図っています。また、太陽光発電や地下水などの自然エネルギーも積極的に活用し、エネルギーの合理化にも努めています。

地域冷暖房を活用した熱供給、熱融通でエネルギーの合理化を図る

地域冷暖房とは、エネルギープラントで冷水、蒸気、温水などの熱媒をつくり、配管を通して一定地域内の複数施設に必要なだけの熱を供給し、冷暖房・給湯を行うシステムです。さいたま新都心地域冷暖房センターは平成12年のさいたま新都心の街開きと同時に熱供給を開始、約27haの地域に熱媒を供給しています。埼玉県立小児医療センターは病院内の熱源と地域冷暖房の熱源の両方を活用しています。地域冷暖房から冷水の受入だけではなく、ガスコージェネレーションの余剰廃熱を冷水にして地域へ融通することにより、廃熱を最大限活用し、地域単位でのエネルギーの有効利用に貢献しています。

エネルギーマネジメントサービスで一元管理&省力化

初期投資も手間も不要。省エネ&省コストをワンストップで実現するエネルギーマネジメントサービス
エネルギーマネジメントサービスとは、ガスコージェネレーションシステムや、空調熱源設備などについて、資金調達から設備設置工事、メンテナンスや運転管理、燃料調達まですべてのエネルギー業務を東京ガスグループにてワンストップで請負うサービスです。

エネルギーの高度利用によりBCP対策、省エネ・省コストを目指す

エネルギーの多重化による電源セキュリティの向上

主な導入機器・設備

  • 停電時対応型ガスコージェネレーションシステム 1台
    発電出力 370kW
    燃  料 都市ガス13A 80.0Nm3/h 1台あたり
    温  水 308kW
    発電効率 41.0%
    廃熱回収効率 34.0%
    総合効率 75.0%
  • 廃熱投入型ガス吸収冷凍機(ジェネリンク) 2台
    冷房能力 1,407kW(400RT)
    暖房能力 923kW
    燃  料 都市ガス13A 1台あたり
    冷房時 71.0Nm3/h(廃熱回収有り) 冷房時 85.8Nm3/h(廃熱回収無し) 暖房時 84.9Nm3/h
  • 空冷ヒートポンプチラー 2セット
    冷房能力 680kW(193RT)
    暖房能力 538kW
    消費電力 22.1kW×16台 1セットあたり
  • 小型貫流蒸気ボイラ 3台
    相当蒸発量 2,000kg/h(1,250kW)
    燃  料 都市ガス13A 113.4Nm3/h 1台あたり