学校法人杏林学園 杏林大学 様

エネルギーのベストミックスが支える新たな学びの場”井の頭キャンパス“

新キャンパスが開校し、新たな歴史がはじまる

学校法人杏林学園は、1966年に杏林短期大学として開学しました。その4年後には杏林大学を創設し、戦後初の医学部の認可を受けました。「眞善美の探求」を建学の精神とし、優れた人格を持ち、人のために尽くすことのできる国際的な人材の育成を目指しています。創立50周年の節目の年にあたる20164月、「地域から世界へ、進化する大学」をスローガンに新たに井の頭キャンパスが開校しました。八王子キャンパスにあった総合政策学部、外国語学部、保健学部が移転し、三鷹キャンパスの医学部、保健学部とあわせて全学部が集結。4学部の学生が同じ教室で学ぶ「地域と大学」、他学部の学生に履修を勧める「推奨科目」、他学部に出向いて授業を受ける「他学部履修」を実施するなど学部連携をより一層強化しています。また、安全を最優先とした全棟免震構造、環境に配慮した省エネ対策、教育のICT化への対応、学生の主体的・能動的な学修のためのアクティブラーニングシステムなど施設も充実、社会のグローバル化の潮流に対応した新たな学びの場に大きな期待が寄せられています。


省エネ省コスト、そして省CO₂を実現する

井の頭キャンパスでは、三鷹キャンパスでの省エネ・省CO2化対策で実績のある都市ガスを空調や給湯などのメイン熱源にご採用いただきました。日中はGHP(ガスエンジン・ヒートポンプ・エアコンの略)による個別空調がメインで稼働し、24時間空調ときめ細やかな温湿度管理を必要とする動物実験系統は空冷ヒートポンプチラーと空調機が稼働する、ガスと電気のベストミックス空調がなされています。また、潜熱回収型ガス給湯器(ガスマルチ温水器)や、タイマーや人感センサーなどの制御を取り入れた全館LED照明の採用による省エネ化のほか、トイレ洗浄水の雨水利用や節水型器具の採用による資源の有効利用など、様々な工夫がなされています。

     
BCPを考慮したキャンパス計画

井の頭キャンパスでは、東日本大震災の教訓もあり全ての校舎に免震構造を採用しました。震災時の帰宅困難を想定し、学生、教職員など約3,000名の避難・退避を可能とする72時間運転可能な非常用発電機、緊急遮断弁を有した飲用受水槽、非常食3日分をストックできる防災備蓄倉庫、マンホールトイレなどを完備。さらに、各種消防用設備以外に敷地内に防火水槽を2基配置し、キャンパス内外の防火体制を強化しています。中央監視設備には監視盤や防災盤、各種セキュリティシステムを集約設置しており、常にキャンパス全体の状況監視が行え、有事における迅速な対応を可能にしています。

建物基礎と地下1階の間に設けた免震層に、アイゾレーター(積層ゴム)とオイルダンパーを設置し、地震エネルギーを吸収し、揺れを低減

キャンパス内にはインフラが止まっても使用できる仮説トイレとマンホールトイレが設置できる

お客さまの声

松田 剛明 様
(学校法人 杏林学園 副理事長 医学博士)

「新しい時代を担う学生が安心して学べるための、
キャンパスの安全対策は重要な使命です。」

教師の後、医師となった祖父が長年の夢を実現させて創設した本校も、創立50周年を迎えました。大学の施設確保の必要から当初は八王子にもキャンパスを設置しましたが、新たに井の頭キャンパスを開校し、全学部がともに学べる環境を整備できたことを嬉しく思っております。社会は文理の両面があって成り立つもの、との考えから本学は医学部に加えて文系2学部を設置しました。経済・法律と医療の関わり、医学の探求に必要な外国語習得など、今後は学部間の融合を強めて、わが校らしい特色ある教育を推し進めていきたいと考えています。新キャンパスの建設においては安全面や環境面にも気を配りました。大学付属病院は十年掛けて病棟を免震構造に建て替えたおかげで、東日本大震災時にも事故や損傷がありませんでした。万一のための対策は考え得る限り施しておくに限ります。井の頭キャンパスも全棟免震構造にし、さらにガスや電気をバランス良く採用してエネルギーの多重化を図るなど、災害時のリスク軽減策を様々に取り入れました。ガスは災害に強いと聞いております。信頼のおける総合エネルギー企業として、東京ガスには今後とも期待しています。

主な導入機器・設備

  • GHP(ガスヒーポン) 156台
    合計規模 6,367kW(2,283HP)
  • ガスマルチ温水器
    合計規模 698kW
  • ガス温水ボイラ 4台
    合計規模 604kW
  • ガス蒸気ボイラ 2台
    合計規模 313kW
  • 厨房設備
    ・「涼厨®」ガスフライヤー 2台
    ・ガス回転釜 1台
    ・ガスレンジ 1台
    ・ガステーブル 1台
    ・ガス立体炊飯器 3台

お客さま概要

学校法人杏林学園 杏林大学 井の頭キャンパス

所在地:〒181-8612 東京都三鷹市下連雀5-4-1
主な施設: 本部棟
                保健学部西棟 / 東棟
                総合政策学部 ・ 外国語学部研究棟
                総合政策学部 ・ 外国語学部講義棟
                医学部 ・ 共用棟
敷地面積:約34,567m²
総延床面積:約44,310m²
施設構成:地上5階 ・ 全6棟免震構造、附属棟地上1階