先進ガス厨房事例 癌研有明病院
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[所在地] 東京都江東区有明三丁目10-6 [電話] 03-3520-0111
癌研有明病院は今から70余年前、日本で初めての癌専門機関として東京都豊島区大塚に設立。2005年、臨海副都心「有明の丘」に移転し、先進的な治療技術を誇る病院となりました。 ベッド数700床、1日あたりの外来は約1、250人。医療サービスに加えて、栄養科では入院患者を食の面からサポートし、病態の改善に貢献しています。栄養科科長・松本三千代さんに、病院厨房における食のQOLへの取り組みについて伺いました。 |
「よりよい厨房作りをするためには、現場の意見を反映することが欠かせません」。患者の立場にたった「食」の充実をめざす松本さんは、新しく病院が建設される際、厨房計画の段階から関わり、給食・調理・栄養管理のシステム化を提案。トップレベルの病院厨房を実現しました。「この仕事について40年になりますが、当時は現場で働く人間は厨房計画に参加することができず、使いづらい厨房に非常に苦労した経験があります。現場で働く人も一緒になって計画を練り上げることが、快適な厨房を作る上で重要なポイントだと思います。」(松本さん) |
厨房の衛生性を高めるには、厨房の清掃、調理機器の管理、食材の温度管理、そして働く人の衛生教育など、多くの課題があります。こうした課題をクリアするため、HACCPに準じ調理区域、下処理区域などを壁で分断し、人や食材の交差による汚染を防止。また掃除のしやすさを考慮した調理機器を設置するとともに、床はドライ厨房にして雑菌の繁殖を抑えています。手洗い用の水道は、手を20秒以上こすらないと水が出ないように設定。さまざまなところで衛生性を重視した設計になっています。 |
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厨房では1日3回、1回に700人分の食事を調理しています。5時30分から朝食の準備にかかり、朝食は7時30分。昼食は12時、夕食は6時。 |
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空港の電子表示の発着時刻表をイメージして作られた大型のプラズマディスプレイが厨房内に3台、仕込み室に2台設置されています。プラズマディスプレイには、患者さん一人ひとりの電子カルテの他、病棟、セレクトされたメニュー、盛りつけ、調理方法に至るまで詳細に表示されています。調理場と仕込み室では調理スタッフが画面の指示に沿って、仕込み、食器を揃え、調理から盛りつけまで進行します。 |
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