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先進ガス厨房事例 足立区立第一中学校

DATA
[所在地]
東京都足立区千住河原町4-7
[HP]
http://www.adachi.ne.jp/users/adach1-j/
[開設年月日]
昭和22年4月(平成17年に新校舎完成)
[厨房の面積]
約422m2
[1日の食数]
420食(生徒数380名)
[主なメニュー]
定番給食メニューから人気の味噌ラーメンまで毎日異なるバラエティ豊かな献立。

「HACCP」導入とドライ厨房の実現をめざした厨房設計とは?

足立区立第一中学校は、校舎の老朽化に伴い平成17年3月に新校舎が完成し、現在380名の生徒が学んでいます。図書室とコンピュータ室を一体化させた学習情報センター、地域に開放しているランチルーム、また厨房では食の安全性に考慮して「HACCP」を導入。「HACCP」に基づく衛生管理とドライ厨房の実現で働く環境を一新させた学校給食の取り組みをご紹介します。

厨房レイアウト

1. 作業域を区画化して汚染防止、衛生管理を徹底。

食品汚染の可能性ゼロをめざしてHACCPを導入、衛生管理の徹底に努めています。そのため食材の検収室から下処理室、調理室、配膳室、給食用エレベーター、保管庫、洗浄室の各々の作業域を分け、人の出入りを制限して交差汚染を防止する工夫が講じられています。また区画ごとに専用の靴に履き替えるなど、汚染区域から人による菌の持ち込みを防いでいます。

検収室
検収室
仕入れた食材を検査する検収室では納入業者が出入りすることなく、カウンター越しに食材を受け取ることができるようになっている。
下処理室
下処理室
外から納品された食材を洗ったり、調理用にカットしたりする。
下処理室から調理室へ
下処理室から調理室へ
食材は、カウンターやパススルー冷蔵庫越しに調理室へ。下処理室を調理室との人の流れを封じ、交差汚染を防止している。
調理室
調理室
床面の色を変えることで、汚染区域と清潔区域を明確化。清潔区域の床を緑色にして他室と区別している。
ワゴンプール(配膳室)
ワゴンプール(配膳室)
でき上がった給食を配膳するためのワゴン置き場。調理室からの受け渡しは、カウンターとパススルーの冷蔵庫を介して行い、ここでも人の流れを抑えている。
給食用エレベーター
給食用エレベーター
ワゴンプール奥には給食用エレベーターを設置。配膳を容易にするとともに、給食室へ人の出入りを制限することができるため、教室からの雑菌の持ち込みを防ぐことができる。
パススルー食器消毒保管庫
パススルー食器消毒保管庫
ワゴンプールと洗浄室の間にあるパススルー食器消毒保管庫では、洗浄後にすみやかに保管し、使用時には配膳側から消毒済みの衛生的な食器を取り出すことができる。
洗浄室
洗浄室
食器や食缶などを洗浄する洗浄室は、調理室とは区分され、使用後の食器はカウンター越しに受け取るしくみになっている。
区画ごとに靴を替える
区画ごとに靴を替える
区画ごとに専用の靴に履き替えて入室する。汚染区域からの人による菌の持ち込みを防ぐ工夫のひとつ。

*HACCPとは「食中毒防止のためのマネジメントシステム」。1960年代に米国で宇宙食の安全性を確保するために開発された食品の衛生管理の手法。食材の温度管理と交差汚染の防止で徹底した衛生管理を行う。

2. 衛生的で働きやすい作業環境の実現。

厨房の基本は衛生。衛生性を保つには、掃除がしやすく、乾燥を確実にするドライ厨房が求められます。ドライ厨房を実現するには、床がぬれたら拭く、水洗浄したら乾燥させるなど、厨房で働く人の労力が必要です。足立区立第一中学校では、そうした負担を軽減するために、あらかじめ厨房の設計施工の段階で、ドライ厨房をサポートするさまざまな工夫をしています。ドライ床、回転釜に専用の排水溝を設置したドライシステム、ドライ床用調理台などを採用し、衛生的で人にもやさしい厨房を実現させました。

ドライ床
ドライ床
シンク線の水返し、排水溝の露出を少なくして湿気を抑制するなど、床を乾燥状態にキープ。長靴が不要になるなど軽装になり、足下がすべる危険性や冷えの問題も解消。
回転釜と排水溝
回転釜と排水溝
釜内の水を釜の下部から排水できるドライシステムで、床へ水がこぼれるのを抑制。
ドライ床調理台
ドライ床調理台
調理台は可動式で、開閉式の排水パイプがついており、排水溝への排水が可能。また可動式なので床清掃も容易。

3. 大量調理の安全性とスピ−ドを実現する厨房機器。

「芯温が自動計測できる上に、焼きムラなく仕上がるガススチームコンベクションオーブンは大変役立っています。限られた時間内で大量調理する給食厨房では、ガスの立ち上がりの早さも重要なポイントですね。タスクのセミナーにも参加し、新たなメニュー開発にもチャレンジしています。プログラム調理も可能ですし、いろんなメニューを発想させてくれる便利な調理機器です。」と栄養職員の沼崎里美さん。
ガススチームコンベクションオーブン、立型炊飯器、真空冷却機といった大量調理には必要な最新ガス厨房機器を導入。調理時間の短縮、ガスの炎ならではのおいしさを提供、生徒の給食へ期待に応えています。

ガススチームコンベクション
ガススチームコンベクション
ガス式は立ち上がりが早く、大量調理する給食に最適。芯温計測も自動でできる。
立型炊飯器
立型炊飯器
少ない設置スペースで大量に炊飯できる立型炊飯器。
真空冷却機
真空冷却機
いったん加熱した食材を急速に冷却することで細菌の繁殖を防止できる。サラダや和え物などに役立っている。
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