- DATA
- [所在地]
- 神奈川県横浜市保土ヶ谷区常盤台79-10
- [URL]
- http://www.ynu-coop.jp/
- [創設年月日]
- 昭和37年(横浜国立大学生活協同組合)
- [厨房の面積]
- 厨房全体201.5m2/主厨房(調理室)59.2m2、盛付室38.5m2、洗浄室45.7m2、パントリー58.1m2、ダイニングスペース700.6m2
- [1日の食数]
- 約1,800~1,900食(10:00~19:00)
- [主なメニュー]
- 丼もの、カレー、麺メニュー、自分好みのおかずやサラダをワンプレートに盛り合わせるビュッフェ、栄養バランスを考えた小鉢など、メニューは常時100品目以上。季節限定メニューも充実。
横浜国立大学生活協同組合は、学内の福利厚生を担う団体として、多くの学生・教職員の賛同を得て、1962年6月23日に創立され、47年を迎えます。大学生協は、同じキャンパスで学ぶ学生・教職員が組合員になることにより、組合員どうしが協力し合い、組合員の生活文化の向上を図ることを目的とし、活動しています。
さまざまなサービスを提供する中で、学生がバランスの良い食事に気を配れるように学生食堂を運営することも大学生協の重要な役割の一つです。30年以上経過した「生協第2食堂」は、昼食時の混雑や老朽化した食堂環境など、問題点が多い状況でしたが、2009年10月の改装により一新し、食数も約25%アップしています。
- ダイニングエリア(パーティールーム付)
- 1階、2階合わせて総席数469席のダイニングエリア。改装前と席数は変わらないが、外光が降り注ぐ明るい雰囲気に。100人以上が集える落ち着いた色調のパーティールームも新設(写真右)。
厨房内が働きやすい温度になることは、働く人たちの環境改善に大きく貢献するとともに、過剰に空調する必要もなくなるため、地球環境にもやさしくなります。ここでは、活用頻度の高いフライヤ「涼厨」タイプやスチコンを導入し、適切な換気・空調と組み合わせて快適性を実現。最近の大学生協の学食では半調理品が多いため、調理内容に合わせて厨房を以前の約半分に集約したことで、動線にムダがなくなり、作業負荷も軽減しています。
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- 1 ガスフライヤ(「涼厨」タイプ)
- 学食の揚げ物は大人気のメニュー。今回の改装では「涼厨」タイプのフライヤを導入。機器からの輻射熱をカットし、燃焼排気が直接フードへ捕集される。また空調の効きも良く作業環境が快適に。体を近づけて作業ができ、調理がしやすい。
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- 2 空調(GHP室内機)
- 厨房内にあるガスヒートポンプ(GHP)の室内機。ステンレス外装で、さっとひと拭きで清潔な厨房を保てる。
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- 3 自動ドア
- スタッフの往来が頻繁なサービスエリアと調理室をつなぐ扉には自動ドアを採用。大学生協の学食では、ほとんどが半調理品のため、厨房動線も調理内容に合わせて、ムダのないレイアウトになっている。
今回の改装にあたり、大きく変更されたのが厨房のレイアウトです。調理室をコンパクトにすることは調理の作業性を向上させる一方で、サービススペースを広くとることにもつながり、出食スピードを大幅にアップさせています。これにより、昼時の待ち時間が以前は15分以上だったものが、改装後は半分以下に。豊富なメニューや組み合わせの楽しさとともに、サービス面の向上にも貢献しています。
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- 4 ガススチームコンベクションオーブン
- デジタル調理が可能なスチコンは学食厨房には欠かせない調理機器。蒸す、焼く、卵料理などが手間なくでき、豊富なメニューを支えている。ガスのスチコンは立ち上がりも速く、庫内は自動洗浄でき、面倒な洗い物が減る点も大きなメリット。
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- 5 ガスコンロ
- ソースの温め直しなど、すぐに加熱するのに使い勝手のいいガスコンロ。
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- 6 立体炊飯器
- 米飯のおいしさはやはりガスで。パワフルなガスの立体炊飯器で炊き上げる。
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- 7 楽しいビュッフェメニュー
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- 8 弁当盛り付けエリア
- 昼食時は学食前で弁当も販売しているため、調理室のすぐ隣に弁当盛り付けエリアを設置している。衛生的な広いスペースで一気に作業ができる。
今回の改装では新たに「オゾン発生装置」が導入されました。大量調理を行う厨房では、衛生的で安全な商品を提供できる作業環境づくりは必要不可欠な要素です。オゾン発生装置には2つの機能があり、1つは「オゾン噴霧による効果(夜間噴霧)」で脱臭やゴキブリ・ネズミなどの害虫発生を防ぎます。2つ目は「オゾン水使用による効果」で、カット野菜をみずみずしく再生したり、殺菌したりする効果が得られます。
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- 9 オゾン発生装置・噴霧装置
- バックヤードに設置された「オゾン発生装置」(左)と、厨房内の天井に配置された「オゾン噴霧装置」(右)。
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- 10 排水溝
- 厨房の床にはライン状に排水溝が敷かれているため、床掃除がしやすい。
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- 11 食器返却口
- トレイと食器を回転する3段の棚に乗せるだけの食器返却口に変更。衛生的なしくみで、返却時の煩わしさを解消している。
ご利用者に伺いました!
雰囲気も出食スピードもおいしさのうち!
横浜国立大学
生活協同組合
専務理事
山内 潔氏- 以前は、昼食時になると建物の外まで長い行列になっいましたが、サービスエリアのスペースを拡大し、提供窓口を2列から5列に増やしたことで、待ち時間を大幅に短縮することができました。併せて、飲食空間についても明るく清潔なものへと改善しています。
「食べる」ということはとても大切なことです。特に学食は外食とはいえ、毎日利用するものですから家庭の食卓に近いような存在。栄養バランスを考えて、いろいろなものを楽しみながら組み合わせられる「ビュッフェ形式」を採用し、小鉢など常時100品目以上のメニューを提供しています。
ご利用者に伺いました!
大学生協のノウハウを活かした設計
生活協同組合連合会
大学生活協同組合
東京事業連合
秋山 恵保氏- 古い厨房での作業環境は「5K+1A(暗い、汚い、臭い、きつい、危険+暑い)」と表現されますが、これらの改善が急務とされる状況でした。そこで「働く人にも環境にもやさしい厨房」を目指して改装計画を検討。大学生協ではこれまでの学食厨房づくりの実績や海外事例などから蓄積された設計ノウハウを活かし、目的やコストバランスなども見据えた最適なプランを導き出します。
今回は大規模なレイアウト変更を行う一方、既存の調理機器も活かし、「厨房内の温度・湿度を下げる工夫」や「オゾン発生装置」による衛生的な環境づくりなどを行いました。
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