先進ガス厨房事例
MIRAI-LUNCH(つくばみらい市立学校給食センター)
- DATA
-
- [所在地]
- 茨城県つくばみらい市中原11番地
- [URL]
- https://www.city.tsukubamirai.lg.jp
- [開設年月日]
- 2018年4月1日(2018年3月23日竣工)
- [厨房の構成]
- 検収室(野菜・果物/魚・肉)、根菜前処理室、食品庫、下処理室(野菜・果物/魚・肉)、計量室、卵処理室、器具洗浄室、米庫、洗米室、炊飯室、煮炊調理室、和え物調理室、焼物・揚物調理室、特別食調理室、特別食盛付室、コンテナ室、発送室、洗浄室、特別洗浄室など
- [調理能力]
- 6,500食/日
- [主な献立]
- 2献立/日(麦ご飯、揚げパン、トマトオムレツ、カレー、ビビンバ、コーンサラダ、春雨サラダ、鮭のみそマヨネーズ焼き、手造りグラタン、筑前煮、みそ汁、豚汁など)風
老朽化した2つの給食センターを再編した
「MIRAI-LUNCH(※)」は、財政問題をクリアし
「安全・安心でおいしい給食」を実現する給食厨房へ。
つくばみらい市では、20年以上前より市内2か所の 学校給食センターで公立幼稚園、小学校、中学校に給食を提供していました。しかし、児童生徒数の増加や施設の老朽化、東日本大震災による被害など深刻な課題が顕在化し、平成26年に新たな学校給食センターの整備計画が始まりました。一方、充実した給食施設環境の確保は急務でしたが、市の財政状況や他の優先事業との兼ね合いも考慮すべき課題でした。そこで今回、財政の平準化を目的とした「リース方式」を採用。プロポーザルによる入札でリース会社を選定し、短期間で理想的な給食センターの立ち上げに成功しています。
※「子どもの笑顔が み・ら・い をつくる」---つくばみらいっ子の食育を給食で推進するとともに、そのみらいっ子たちが、つくばみらい市の明るい未来を作り上げていって欲しいという願いを込めています。
1 衛生性/安全・安心な給食の提供
交差汚染を防止するレイアウトで、徹底した衛生管理を!
給食施設にとって、最も重要なことは「安全・安心な給食の提供」です。新施設では、HACCPの概念を取り入れた設計で、衛生管理のしやすいレイアウト・動線(一方通行)を採用しています。作業ごとに細かく区画し、汚染・非汚染区域を明確化し、空調による調理室の温度管理も行っています。人やモノの交差汚染を防ぐために、食材の移動はできるだけ多くの場所で「パススルー方式」を採用しているのも特長の一つです。
2 環境性/機能的で快適な調理・職場環境の充実
「涼厨」機器で、快適に調理できる厨房環境を実現!
厨房の温度を快適に保てる「涼厨」機器の導入や安全で働きやすい動線の確保により、できるだけストレスのかからない調理・職場環境を実現しています。
-
- 3 「涼厨」回転釜&バススルー
- 蒸気式回転釜はすべて「涼厨」タイプを導入。輻射熱や排気熱が大幅に削減されるため、涼しく快適な環境で調理ができる。また、万が一、釜の表面に触れてしまっても火傷の心配がない。さらに、床色を変えることで加熱前(ピンク)と加熱後(ブルー)のルートが明確になり、作業者にわかりやすい。
-
- 4 作業負荷の軽減
- 床と壁との立ち上がりがR加工されているため清掃しやすい。脚を高くすることで什器下も容易に清掃可。カバーすることで安全かつホコリも溜まりにくい。回収した食器類はカゴごと洗浄機に入れられるため作業時間が短縮できる。
3 経済性/経済的で効率的な切実・運営
リース方式を取り入れ、財政平準化を図ることで実現した「MIRAI-LUNCH」
今回の施設整備においては、市の厳しい財政状況を踏まえて、コストを抑えつつより良い給食センターづくりを目指すことが大きな課題となりました。そのため、従来型の事業手法(市が主体となって資金調達・建設・維持管理・運営する)だけでなく、PFI方式なども検討。こうしたプロセスを経て「リース方式」に決定しました。これはリース会社の資金調達により建設を行い、市へ施設をリースするものです。維持費も含め、定額の使用対価を支払うことで、一時的な高額経費が発生せず、支出を平準化できることが最大のメリットです。また、民間の力を活用でき、さらに事業期間の圧縮も可能とする点でもメリットがあります。
4 経済性/食育の推進
地元生産者と連携し、地場産物を使用
給食を通して、子どもたちや地域のみなさんに旬の地場産物に親しんでもらうことで、地元生産者とのつながりづくりや、 地場産物への関心を高めるなど、食育の推進を図っています。
5 防災性/給食センターのBCP
中圧ガス導入で、災害時にもエネルギー供給継続
給食センターのような公共施設では、災害時のエネルギーを確保しておくことで、 いざという時に力を発揮でき、地域社会への貢献につながります。災害時でも供給可能な中圧ガスを利用することで、エネルギーの安定確保が可能となります。
-
- 5 調理室を見渡す見学通路
- 給食センターの2階には明るい空間の見学通路を設置。1階の煮炊調理室は吹き抜けとなり、広々として清潔な新しい厨房を隅々まで見渡すことができる。社会科見学から地域の一般の方々まで、給食づくりの様子を見学できる。
-
- 6 災害時に役立つ移動式回転釜
- 2階の見学スペースには、災害時に実際に炊き出し用として利用することができる移動式回転釜を展示。回転釜は大量の料理をスピーディーに煮炊きすることができるため、地域防災への備えとして導入されている。
ご利用者に伺いました!
地元の食文化を伝える給食に。
つくばみらい市立
伊奈中学校
栄養教諭
井砂 利江子氏-
安全・安心な給食の提供はもちろんですが、地域の伝統的な食文化も大切にしています。そのため、手間を惜しまずに出汁の効いた味付けをしたり、地元の野菜や食材をできるだけ多く取り入れています。定期的に生産者会議も実施して献立に役立てたり、給食訪問などを通して、子どもたちとの食育交流も心掛けています。
ご利用者に伺いました!
体力勝負だった午後の作業も軽減!
株式会社グリーンハウス
調理責任者
新井 明氏-
新しい厨房は、機器の使いやすさ、調理のしやすさ、衛生管理のしやすさなど、いろいろな点で働きやすい環境が整っています。たとえば、涼厨の回転釜は焦げつきにくく、蒸気式の機器はパワフルで助かります。また、食器洗浄や厨房の清掃時間も半分ほどに短縮し、スタッフの作業負荷が軽減しました。
ここにも注目! 1
「涼厨」+換気改善で省エネ
「涼厨」は、燃焼排気も輻射熱もシャットアウト!
空気断熱構造により、機器表面を触っても熱くありません。煮こぼれても焦げ付かず、掃除が簡単です。「涼厨」機器への入れ替えだけで、厨房内温度を25℃以下にすることができます。
「涼厨」+換気改善の3つのソリューション
❶電気からガス厨房機器に取り替えることで、消費電力を減らして、契約電力を低減!
ガス式機器に取り替えることで、ピーク電力をカットし、 契約電力を低減。電気代の削減につながります。
❷輻射熱が少ない「涼厨」を採用することで、空調にかかるエネルギーコストを低減!
「涼厨」機器は、従来のガス厨房に比べて空調負荷を約30%低減。節電やCO2排出量削減もできます。
❸換気改善を行なうことで、快適な厨房を実現し、空調コストを低減!
換気・空調を見直すことで効果的に排気・排熱を補集。 快適な厨房を実現しつつ、空調負荷を低減できます。
ここにも注目! 2
環境にやさしい「ナチュラルチラー(ガス吸収冷温水機)
水の気化熱を利用した環境にやさしいガス空調システム
ガス吸収冷温水機(ナチュラルチラー)は水の気化熱を利用し、冷房を行います。地球温暖化係数の高い特定フロンや代替フロンを使用せず、自然界に存在する「水」を冷媒とした環境にやさしい空調システムです。
夏季や昼間に生まれる電力需要のピークカットに効果的です。消費電力量(kWh)も削減できます。
- 屋外の室外機 (つくばみらい市立学校給食センター)
ここにも注目! 3
非常時に強い「中圧ガス供給」&パワフルなガスの「蒸気システム」
信頼性の高い中圧ガス供給
- 中圧ガス導管(曲げた状態)
中圧ガスは、災害時の供給停止リスクの低いシステムです。 中圧ガス導管は、180度曲げても破損しません。
高圧・中圧ガス導管は、阪神・淡路大震災、東日本大震災クラスの大地震にも十分耐えられる構造となっており、基本的にガスの供給を停止することはありません。
たとえば、コージェネレーションシステムなどに供給することで、信頼性の高 いエネルギー供給システムを構築することができます。
省エネ・省スペースで使いやすい蒸気システム
油焚きの蒸気ボイラと比べて、運転管理面の利便性が格段に高いのがガス焚きの蒸気ボイラです。省力化が図れるという特長に加え、省エネ性と環境性が進化しています。
シンプルな付帯設備で省スペース・創スペースを実現します。
燃料が都市ガスなので、バーナー清掃、配管メンテナンス等が不要です。作業軽減で労働時間の短縮が可能です。
- 蒸気ボイラ(つくばみらい市立学校給食センター)
※本ページの内容は、2018年10月現在のものです。
- このページの関連記事はこちら