遠隔地かつ連続稼働可能なモニタリングシステムを構築
統計データの取得だけでなく、製品ごとの細かい分析が可能に
現場操作盤にデータ収集用PLC(三菱A2シリーズ)を設置し、データ蓄積は事務所の既存サーバで行います。現場は、社内LANに繋がった既存PC(Windows2000)で監視し、事務所はノートPC(Windows2000)で遠隔監視するようになっています。
アルミ真空蒸着工程では、作業開始はアルミの溶解から始まります。
安定して均一な被膜を生成させるためには、作業開始時のアルミを溶かす過程での投入電力が重要とされています。従来アナログメータを人がチェックしていましたが、前述したように定点観測であったため、完全な履歴にはなっていませんでした。「JoyWatcher導入後は自動的に投入電力のモニタリング結果が連続データとして取り込まれます。変動幅を設定し、設定値を超える、あるいは下回るとアラームが出ますので、正確な製造工程の履歴を取ることができ、不良品発生時などの解析に威力を発揮してくれています。これは電力だけでなく、フィルムの巻き取り速度に関しても同様になっています」(葛西氏)。
JoyWatcherの導入によって統計データの収集が可能となっただけでなく、十分な分析ができ製品ごとの安定した操作条件を確立することができるという副次的なメリットも得ることができました。
また課題であったトレーサビリティーの向上も実現されました。時系列的なデータ蓄積が実現されたことにより、顧客からの製品に対する問い合わせ時、その製品に対する製造条件、製造・操作環境および蒸着品質が数値で明確に回答できるようになり信頼性が向上しています。
さらに、監視業務の負荷軽減である遠隔監視の構築だが、現場と別棟の事務所で遠隔監視ができるため、現場からの電話に対応する技術スタッフが画面を見ながらタイムリーに指示が可能となり、工程の状況を技術スタッフが事務所でいつでも監視できるようになっています。