厨房談義[第7回] 料理人のための最適厨房環境を実現 「心豊かな料理人から美味しい料理は生まれる」
レストランひらまつ 総料理長
株式会社ひらまつ 代表取締役社長 CEO
平松宏之氏
──フランスと日本の厨房の違いは、どういう点でしょうか。
平松 フランス料理に適した厨房をフランスの料理人は日夜考えています。日本と比較すると、とっても進んでいます。寿司屋の厨房をフランスでフランス人に作らせたら、きっとレベルの低いものしかできないと思いますが、日本で日本人に寿司屋の厨房を作らせたらうまいでしょ。同じようにフランス人の作ったフランス料理の厨房はよくできています。そこはフランスと日本における料理の歴史、文化の違いでしょう。
調理器具ひとつとっても丈夫にできていて、ぼくたちが使う銅鍋はフランス製です。熱いピアノの上にピタッと底面をくっつけて置きますので、お鍋の厚さが普通のお鍋の3倍から5倍のものでないと使えません。日本製とは違いますね。またフランスの厨房機器は1枚の総アルミで出来ています。それを型で抜く機械が向こうにはあるんですよ。
それから日本以上に、保健所のチェックが非常に厳しい。パリには食品衛生局があり、その厳しいチェックに耐えうる厨房でなくてはいけません。さらにパリの街はビルとビルがつながっているので、厨房の音が壁を通して隣りに響きます。厨房の音にも苦情がくるんですね。ですから床にはクッション材を入れ、壁全体をまるでピアノ室のように防音にして気を遣っています。いろいろ制約がありますが、逆に隅々まで気を遣ったきちっとした厨房ができます。 |
──平松氏は上場企業の経営者として、人材の育成にも力を入れていらっしゃいますね。
平松 ぼくの経営理念は、人は今日よりも明日、もっと幸せになりたいと思って生きている、というものです。お客様はその幸せを求めてレストランにいらっしゃいます。会社も同じで社員が幸せになりたいと思って働いている場所、会社というのはその社員を幸せにするために存在するものである、と。そのために、みんなでがんばろう!というのがぼくの持論です。
会社にいることが幸せである、と社員が感じてくれるような、そんな会社作りをめざしています。そして、うちの厨房に入りたい、ここの厨房で働くことは幸せだと思ってもらえるような厨房を作っていきたいと考えています。 |
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レストラン店内。壁面には平松氏の兄である画家・額賀加津巳氏の絵が何点も飾ってあり、最上のホスピタリティを感じさせる。テーブルには2方向からスポットライトをあて、テーブルサービスの際にもお皿が影で暗くならないような照明が施されている。レストランウエディングでもあこがれのお店である。 |
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レストランひらまつ 広尾 |
[所在地] |
東京都港区南麻布5-15-13 |
[TEL] |
03-3444-3967 |
[営業時間] |
ランチ |
ランチ 12:00~14:00(L.O.) |
ディナー |
ディナー 18:00~21:30(L.O.) |
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[定休日] |
なし |
[URL] |
http://www.hiramatsu.co.jp/ |
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