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厨房談義[第13回] 自分流のガス厨房 「炎は料理人のパッションを駆り立てる」

「イレール」 シェフ
島田哲也氏

Subject3 コンパクトな厨房

──厨房は何坪ありますか?

ガスオーブン
コンパクトな厨房に効率的な機器を配置。ガスオーブンは2台あり、1台は仕込み用。スチームコンベクションオーブンもあるが、火入れはガスオーブンが主流。

島田 16坪の店内で厨房は3坪と狭いのですが、ガスレンジ、ガスオーブン、プラック、スチームコンベクション、サラマンダーなど必要なものは揃っています。
「アルページュ」も狭い厨房でしたよ。厨房機器類のレイアウトは、今までの経験から自分流に考えたもので、オープン以来10年間変えていません。寸法も特注で作ってもらいました。
一般的に大きな火は手前ですが、フォン用のローレンジがなかったので、レンジ奥に特注しました。プラック(鉄板)は、小さな銅鍋を10個も20個ものせてソースや付け合わせ作ることができるので、22席が満席になっても十分対応できます。

──昨年9月に店内をリニューアルなさいましたね。

プラック
フランス料理必須のプラック、直火でゆっくり煮込んだり、鉄板の輻射熱でソースを作るなど、焦がさずゆっくり火を通したい時に幅広く利用している。

島田 そうです。念願のカウンター席を設けました。カウンターの内側にアイスクリームマシンや冷蔵庫を設置し、冷製のオードブルとデザートを作るスペースにしました。そのため厨房内をホットゾーン、カウンター内をコールドゾーンに分けることができました。カウンター越しにお客様とお話しながら調理ができるのも魅力の一つです。カウンター文化は日本ならではのもの。お客様との会話、間の取り方などは勉強になりますので、料理以外でも精進していきたいと思います。

Subject4 ガスの炎は必然

ガスレンジ
ガスレンジはフォン用のローレンジがないため、右奥のレンジの火力を特注で強くし、フォンを作っている。

島田 ガスの包み込むような炎は、私の料理になくてはならないものです。肉を焼く時は、周りから包んでくれる炎で柔らかく焼き上げる、コンソメを作る時は内火を強くし、フォンの時は外火を強くするなど、食材や調理にあわせて細かい操作が自在にできます。パンを焼く時もやはりガスです。ガスオーブンで焼くと膨らみ方が違いますし、適度な湿度が保たれるせいか、中がもっちりとしたパンに仕上がります。
炎って人間の本能をかきたてるもので、炎を見ながら料理を作ることで感情が生まれ、おいしい料理を作っているという実感につながります。炎なしで料理を作り続けていると、料理に対するパッションまで違ってくるように思います。

イレールイレール ※現在は移転しています。
[所在地]
東京都渋谷区恵比寿3-29-16 ABC ANNEXビル3F
[TEL]
03-5475-6127
[営業時間]
ランチ 11:30 〜 14:00(LO)
ディナー18:00 〜 22:00(LO)
[定休日]
火曜日
祝日の場合は営業/翌水曜日休み

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