厨房談義[第19回] 「炎の力」を活かし、「快適さ」を追求した厨房づくり 「中国料理の命である火力にこだわりながら、同時に涼しくて働きやすい厨房環境を目指しました。」
株式会社Wakiya 代表取締役
脇屋友詞 氏
──一般の中国料理の厨房にはみかけない、多種多様な厨房機器が設置されていますね。
- 脇屋
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中国料理というと一般には炒める料理が中心ですが、ここでは中国料理の枠を超えた自由なスタイルのチャイニーズを楽しんでいただきたいと思っています。例えば、中華点心を蒸したり揚げたり、焼き菓子を焼いたり……。ですから厨房機器もさまざまな用途のものをそろえました。
具体的には、スチコン、グリドル、サラマンダー、ブラストチラー、デザート用マーブルテーブル、等々です。通常これらの機器は、中国料理では使わないものです。
──丸型炊飯器は、「涼厨(すずちゅう)」タイプをご導入いただきました。
- 脇屋
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はい。東京ガスさんも出展した厨房機器の展示会で、はじめて「涼厨」を見て、導入しようと決めました。使ってみると、たしかに驚くほど涼しいですね。中国料理は熱さとの戦いですので、良い厨房環境づくりは非常に大切なポイントだと思います。
- ガススチームコンベクションオーブン
- 2台の蒸し器
- 丸焼き器(左)と丸型炊飯器「涼厨」タイプ(右)
- グリドル付きガスレンジ
- 中華レンジとローレンジ
- ゆで麺機
快適な厨房空間の実現 2
「涼厨(すずちゅう)」丸型炊飯器
パワフルなガスの炎が、お米の美味しさを引き出すガス炊飯器。丸型炊飯器「涼厨」タイプは、炊飯器本体の胴部分を空気断熱構造としました。胴体温度を大幅に低減することで輻射熱もカット。厨房内を涼しくし、働きやすい厨房環境の実現に貢献しています。
──脇屋シェフにとって、炎を使った料理の良さとは何でしょうか?
- 取材時に作っていただいた一皿「牛スジ肉のブラックビーンズ香り炒め」
- 脇屋
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中国料理は、火を操り、炎の力を活かすことに特長があります。従って、火力の調節が自由自在にできることが、ガス式の厨房機器を使ういちばんの理由です。
例えば、上海料理で煮込みを作る場合、とろ火でゆっくり煮つめる工程と、最後に強火でグッと締める工程に分かれます。強弱2つの火力が必須なわけで、それを炎を見ながら調節していくのです。
また炒め物をする時には鍋を振りますが、ガス機器の火力と鍋の位置を繊細に調節しながら、料理を仕上げていきます。炎がなければ決してできない料理ですね。
──最後に、最適な厨房作りのコツを教えていただけますか。
- 脇屋
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昔は、炒め物、蒸し物、焼き物、点心、デザートなどがそれぞれ分業されており、各工程にチーフがいたのもです。しかし今の時代では、そうはいきません。限られた人数で、限られたスペースのなかで、全体の段取りを見渡しながら、素早く動いて、最善のタイミングで料理をお出ししなくてはなりません。
それを実現するためには、厨房レイアウトを工夫し、最適な厨房機器をそろえ、さらにスタッフが働きやすい快適な厨房環境を整えることが重要だと思います。
「Turandot臥龍居」の多彩な料理は、こうした厨房から生まれています。良い厨房があって、はじめて良い料理をお出しすることができるのです。
快適な厨房空間の実現 3
次世代 高効率GHP「エグゼア」
ビル全体の空調は、究極の高効率を実現したGHP(ガスヒーポン)「エグゼア」が担っています。抜群の省エネ効果と、快適な空調により、働きやすい厨房空間を実現しています。
- Turandot臥龍居
(トゥーランドット がりゅうきょ) -
- [所在地]
- 東京都港区赤坂6-16-10 Y's CROSS ROAD 1・2階
- [TEL]
- 03-3568-7190
- [営業時間]
- モーニング
- 7:00〜11:00(LO)
- ランチ
- 11:30〜14:30(LO)
- 軽食
- 14:30〜17:30(LO)
- ディナー
- 17:30〜22:00(LO)
- ミッドナイト
- 22:00〜3:00(CLOSE)
- [URL]
- http://www.wakiya.co.jp/restaurants/akasaka/
- Wakiya迎賓茶樓
-
- [所在地]
- 東京都港区赤坂6-16-10 Y's CROSS ROAD 3階
- [TEL]
- 03-3568-3567(要予約)
- [営業時間]
- ランチ
- 11:30〜14:00(LO)
- ディナー
- 17:30〜22:00(LO)
- [URL]
- http://www.wakiya.co.jp/restaurants/guest/