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オピニオンリーダーが語る
厨房談義 第23回

お店の“魅力”を表現する料理写真

美味しそう!の先へ。料理の“魅力”を表現する
ためには、自分のオリジナルなイメージが大切です。

食空間カメラマン
知新 温(あらた おん) 氏

Subject 2 カメラの基本は、手ブレ防止とピント合わせ、
そして、明るさと色味の調整がポイント。

──では次に、カメラの基本的な使い方を教えてください。

知新

中村明子 氏

実は撮影の失敗の多くは手ブレが原因です。従って、カメラをしっかり構えてブレを防ぐことが大切です。そのために、コンパクトデジタルカメラや液晶画面を見て撮影する場合には、カメラのストラップを首にかけて、液晶画面が見やすい位置で固定するように長さを調整してください。

一眼レフカメラは右手でカメラをしっかりと持ち、左手は下から支えます。右手の人差し指だけは自由に動くようにして、シャッターを半押しします。ここでピントが撮影する料理に合っていることを確認してください。

カメラのAF機能はピントを自動的に合わせてくれるので便利ですが、どこにピントを持ってくるのかをしっかりと意識することが重要です。そしてシャッターを粘るように押してください。シャッターが切れたら指の力を抜いて戻します。最後まで油断しないでください。

──写真の明るさや色味の調整は、難しそうですね。

知新

明るさには露出補正を、色味の調整にはホワイトバランス機能を使います。よく、蛍光灯の下で撮影するとお米が青くなったりしますが、これを防ぐのがホワイトバランスです。初心者はオートホワイトバランスに設定して色味の調子を確認し、上級者はホワイトバランスを変えて撮ることで色味の演出を加えるとよいでしょう。

もう一つ、露出の補正を的確に行うこともポイントです。例えば、真っ白な雪景色を撮影する時、そのままだと白がグレーに写ってしまいます。露出をかなり補正する必要があります。どれが自分のイメージに近い明るさなのかを確認してください。

Subject 3 スマホで撮影する時は、ゆがみに注意。
構図を変える時には、自分が動くこと!

──最近は、スマホのカメラも性能が良くなってきましたね。

知新

そうですね。通常は綿密な計画を立てたうえでしっかり撮影を行いますが、たとえば試作品のレシピを撮影し、反応を見ながら正式なメニューに加える時などにスマホは便利です。カメラがスマホしかない時もありますしね。

スマホで撮影する時の留意点は、まず機種によりカメラの性能に違いがあること。そしてレンズが35mmの広角レンズに固定されていることです。従って、自分のスマホのカメラ機能をよく理解した上で、構図を変えたりアップにしたりする時は、自分が動いてイメージに近い写真にすることが重要です。そうしないと写真にゆがみが出ることがあります。

また最近ではインスタグラムのような、無料の優れた写真アプリもあります。色味や明るさの調整も簡単にできますから、便利だと思います。

──最後に、撮影した写真をお店の販促物に掲載する時のアドバイスをお願いします。

知新

最初に述べたように、まず自分のお店の魅力をお客様にどう伝えるか、そのイメージを描いてください。その上で、スタイリングのシミュレーションをしっかりと行ってください。

写真は、1点にするのか、何枚か組み合わせるのか。そしてその写真を最初のイメージ通りに撮影するために、明るさ・色調・構図に配慮してください。そうすれば、お店と料理の魅力を確実に伝えられるはずです。

知新先生による料理写真。料理の魅力がしっかり伝わってきます。(トップページ、タイトルの料理写真も、知新先生が撮影した写真です)

※この記事は、2016年1月25日に開催された「BO!セミナー」をもとに、編集部が作成しました。

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