導入事例

日本たばこ産業(株) 関西工場様

業  種
たばこ・食品・医薬品製造
導入企業
日本たばこ産業(株) 関西工場様
遠隔監視制御・実績管理から安全対策まで、
原料加工工程の人的負担を
大幅に軽減する「JoyWatcherSuite

工場全体で400名以上が閲覧・活用

日本たばこ産業は1985年に日本専売公社の業務を継承、たばこの他に加工食品、調味料、医療器具、医薬品なども幅広く手掛ける。京都府にある関西工場は主力商品であるたばこ製造を担う歴史ある工場であり、早くから生産効率化を目指して国産SCADAの草分けであるJoyシリーズを導入・活用してきた。
生産システム全般を担当する技術部の和田氏は約17年前に入社。入社時には既に初期の「JoyWatcher」が導入されていたという。
「入社時からあったのでJoyシリーズのない状態との比較はできませんが、最初の『JoyWatcher』は機械の稼働状況が画面上に数値で表示され、監視のみに利用されていました。2013年に原料加工の工程が一新され、その際に『JoyWatcherSuite』を導入。PLCと連携して中央監視室からパソコンによる遠隔制御ができるようになりました。それ以前は機械ごとに操作盤があり、工場の現場で手動操作していたので導入のメリットは大きかったですね。また、稼働に異常が出れば『JoyWatcherSuite』側でアラートを出してくれるのですぐに気付けます」と和田氏は語る。
同社では品質管理、在庫管理等に様々なツールが採用されているが「JoyWatcherSuite」はそれらとも連携してほぼすべての部署で約400人が閲覧、利用しているという。

機械の状況、工程ごとの実績やロス発生を見える化

JoyWatcherSuite」が中心的に活用されているのが原材料であるたばこの葉をカットして味を調整する原料加工部門だ。メイン画面となる工程図では原料加工の機械設備がラインに沿って配置されて工程全体を視覚的に確認できる。機械の状況は、緑が稼働中、青は起動はしているが停止中、グレーは電源をOFFにした完全停止、故障があれば赤く色分け表示され、製造工程と現況がひと目で識別可能だ。
「原料加工では他のツールも使用していますが、工程監視としては『JoyWatcherSuite』がトラブル発生もすぐわかり操作もしやすいです。機械ごとに生産している銘柄情報なども見えるのでミスを防げますし、スムーズに稼働しているか、停止しているかのリアルタイム情報の他に、どのくらいの間停止していたかなども加えた実績が分かります。原料であるたばこの葉は収穫時には長さが70cmくらいもある大きなものです。それを原料加工の工程でいくつもの段階を経ながら乾燥させ、カットし、紙巻などの製品に使用する「刻」にしていきます。その行程でたばこの葉の細かい粉末が発生します。粉末も原料として無駄なく利用しますが、その発生状況は機械の状態やロス発生の割合を知る手掛かりとなります。粉末が発生した日や再利用した時間を記録し、『JoyWatcherSuite』で記録したラインの稼働状況データと合わせることによってロスの発生個所や原因を特定するなどにも役立っています。ロス発生からたどって途中経過の数値を調査した結果、死角になっている部分で原料を送るホースに穴が開いているのを発見したという事もありました」と原料加工担当の高野氏は説明してくれた。

省人化・本来業務への集中を可能に

遠隔監視・制御を可能にするJoyシリーズ導入にあたり、一時は工場の完全無人化、スマートファクトリー化といった構想もあったという。しかし、たばこの葉は産地や気候など様々な影響を受ける農産品であり、工場に入った時点での状態も一定ではない。ブランドそれぞれの風味や品質を維持していくには蒸気の上がり方や葉の色変化などをもとに判断し、加工していく職人技的な部分が外せない。自動化が困難な工程であると同時に継承にも時間がかかる専門技術でもある。品質管理担当でDX化推進チームのメンバーでもある中嶋氏は「今は無人化が必ずしもスマートファクトリー化の最終目的ではないと考えています。人材確保が難しくなっていく時代にあっては本来業務への集中や後進育成が大変重要です。『JoyWatcherSuite』の活用などによりルーティンワークや管理の省力化を進め、人でなければできない所を充実させることを目指しています」と語る。
JoyWatcherSuite」導入後は異常があれば自動的にアラートが発信され、画面上で該当する機械、周辺機械の稼働状況を確認して必要があればそのまま停止などができる。異常への対応がスピーディになり、人的な負担も軽減されている。設備等も入れ替わっているので一概には比較できないが、最初の「JoyWatcher」時代には約30人だった原料加工部門の作業者は、「JoyWatcherSuite」導入後の現在では15人と半減してしている。省人化、効率化はしっかりと推進されているようだ。

安全対策・事故防止にも活用

生産現場において効率性と同様、またはそれ以上に重要なのが安全性である。現場から作業者が減ることは必ずしも人的な事故の減少とイコールではない。遠隔監視制御システムの導入により、機械の稼働状況等は見える化できても、機械の周囲までの安全確保には別の視点が求められる。直接見ていない状態で機械を稼働させた際に、もしそばに人がいればケガにつながるような重大な事態を招くかもしれない。日本たばこ産業関西工場では遠隔制御に関わる条件設定を「JoyWatcherSuite」に組み込むことによって事故回避にも役立てている。

「『JoyWatcherSuite』を導入し、遠隔制御で工場のどこからでも操作ができるようになったことで逆に見えていない機械を動かすことによる危険、例えば機械のすぐそばにたまたま人がいたりして接触などの事故が発生することを回避する必要ができました。そこで工場内の一定範囲に固定した制御用パソコンからだけ操作できるように制限をかける設定をしました。目視確認できる範囲からだけに限定することにより、人がそばにいるときに離れた場所からの指示でふいに機械がスタートするようなことがないようにロックしています。制御用の端末がモバイルの場合は、工場内の対象機械が目視できる位置に設置したインターフェイスに物理的につながないと操作できない設定にしています。そのパソコンやモバイルが制御できる機械がどれなのかは『JoyWatcherSuite』の工程図を見れば対象となる機械が色分けして表示されるのでひと目でわかります」と技術部の和田氏は話す。

必要に応じで工程図作成や設定が自分たちで容易にできることも「JoyWatcherSuite」のメリットだ。和田氏によれば画面作成や設定などは社内でおこなってきたという。「2013年に『JoyWatcherSuite』を導入して以来、メインの工程図画面の作成や制御に関する設定は、技術部だけでなく現場担当者も加わって自分たちで行ってきました。インターフェイス画面の作成ツールなどが使いやすいので外部に頼むより自分たちで作るほうがやりやすいという感覚でした」と和田氏。
ラインの増設、機械のリプレイスなどの際も社内でほぼ設定が完了できているという。IT導入、DX化に際しては、システムやツールの仕様等により、導入に手間取ったり一時的に負担が増す場合もある。日本たばこ産業関西工場において「JoyWatcherSuite」は、現場で使用する方たちの「こういうふうに使えるのでは」「これができれば便利になる!」という発想の豊かさが反映され、業務にうまく馴染んだ形で使いこなされていた。「JoyWatcherSuite」の使いやすいツールを活かし、現場担当者も加わったDX化推進が実現されている。今後も更なる生産性向上にうまく活用されていくことが期待できそうだ。

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