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- 1.千住スマエネ
東京都荒川区にある当社施設の千住テクノステーションは、隣接する荒川区立特別養護老人ホームと熱のネットワークを構築し、お互いの施設で余剰となった太陽熱やコージェネレーション廃熱を融通し合う実証試験をおこないました。
本実証試験では、近隣建物間の双方向熱融通と再生可能エネルギー利用による省エネ性が裏付けられ、特別養護老人ホームの都市ガス消費量 45%削減(2011年度累計)を達成しました。
※本実証事業は、経済産業省の「分散型エネルギー複合最適化実証事業」の採択を受けています。
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実証試験期間
2011年4月~2013年3月
建物
所在地 | 東京都荒川区南千住 |
---|---|
建物 | (当社施設:千住テクノステーション)
(荒川区施設)
|
設計 | 株式会社久米設計 |
施工 | 清水建設株式会社 |
設備
種類 | 名称 | 設置場所 | 仕様 | 台数 |
---|---|---|---|---|
CGS | ![]() |
B館屋外 | 370kW | 1 |
ガスコージェネレーション | B館1F | 700kW | 1 | |
熱源機 | ![]() |
C館1F | [冷房のみ使用の場合] 冷房 422kW [冷房・暖房同時使用の場合] 冷房 165kW/暖房 304kW |
1 |
![]() |
C館1F | 冷房 422kW | 1 | |
![]() |
C館1F | 冷房 949kW/暖房 813kW | 2 | |
![]() |
B館屋外 | 冷房 1125kW/暖房 658kW | 1 | |
![]() |
C館1F | 冷房 703kW | 1 | |
空冷チラー(スクリュー式) | C館屋外 | 冷房 132kW | 1 | |
真空式温水器 | C館1F | 給湯 349kW/暖房 175kW | 1 | |
多缶式貫流ボイラー | C館1F | 2.0t/h | 1 | |
太陽光発電パネル | CIS化合物半導体型 | A館屋上南側 | 10kW | 1 |
CIGS化合物半導体型 | A館屋上南側 | 10kW | 1 | |
多結晶シリコン型 | A館屋上南側 | 30kW | 1 | |
![]() |
A館屋上北側 | 40kW | 1 | |
単結晶+薄膜アモルファスシリコン型 | B館壁面 | 16.7kW | 1 | |
太陽熱集熱器 | ![]() |
B館前 | 約130kW | 1 |
![]() |
B館屋上 | 約36kW | 1 |
設備配置
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システムフロー
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太陽熱・CGS廃熱を複数の建物間で効果的に融通し合う
太陽熱・CGS廃熱の双方向熱融通制御
この実証では、エネルギーを面的に有効活用するため、近隣建物(サンハイム荒川様)とエネルギーセンターを熱融通配管でつなぎました。また、近隣建物で優先利用する太陽熱集熱器をB館屋上に設置しています。晴天時はこの太陽熱集熱器で発生した熱を近隣建物で利用します。余った熱は熱融通配管でエネルギーセンターに送り、千住テクノステーション構内で利用します。雨天時など太陽熱が不足するときは、構内のCGS廃熱をエネルギーセンターから近隣建物に融通します。
下のグラフは双方向熱融通の様子を示したグラフです。
- 午前中や夕方は千住テクノステーションから近隣建物へ熱融通し、
- 近隣建物の給湯需要が少ない昼間には近隣建物から千住テクノステーションへ熱融通される、熱の双方向融通が実現でき、熱を余すことなる利用できていることを確認しました。
双方向熱融通(2011年9月28日)
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多様なエネルギー源を適切に使い分けることで、冷暖房と給湯の省エネ、
省CO2を実現太陽熱・CGS廃熱を優先活用する熱源統合制御
さまざまなエネルギー源を活用できる「ハイブリッド熱源システム」を構築し、再生可能エネルギーと未利用エネルギー、CGS廃熱を冷暖房や給湯に優先活用する制御を行います。
まず、再生可能エネルギーの太陽熱と、未利用エネルギーの冷房廃熱をエネルギー源に利用。
次にCGS廃熱→CGS発電電力→都市ガスの順で優先利用するように熱源機器を制御します。これにより、省エネやCO2削減効果を最大化します。 -
太陽光発電の大量導入に備えCGSとターボ冷凍機で系統電力安定化に貢献
太陽光発電の出力変動補完制御
太陽光発電が太陽に導入されると、電気のネットワークが不安定になると心配されています。それは、天候によって、太陽光発電の出力が変動するからです。この課題の解決策として、蓄電池を導入して、晴天時の電力を貯蔵する方法がありますが、コストがかかることや、充放電のロスがあるといった問題があります。
千住スマエネでは、蓄電池を導入せず、既存のCGS、ターボ冷凍機を活用します。これによって、太陽光発電の出力変動を抑制し、系統電力を安定化させる実証を行います。また、ターボ冷凍機の出力調整によって熱供給は変動しますが、これをナチュラルチラーによって補完・安定化します。
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