設計・施工は業者に任せきりにせず、自分でチェック。
お客様を満足させる雰囲気づくりと経費削減を両立。
──物件が決まり、資金調達もできた後、実際にオープンするまでの準備期間で大切なことは何でしょうか。
- 真中
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まず、内装や厨房の設計・施工ですね。私の店の場合、スケルトンのコンクリート状態からスタートしたのですが、その全部を内装業者にまかせてしまうと、実際には非常に高い金額になってしまいます。そこで私は、すべて分割して発注することで、大幅な経費の削減をはかりました。
例えば、厨房のダクトは近隣への煙の問題などがありますから、天井に大きなファンをつけて4階まで上げています。これを全部内装業者にお願いすると、1階につき約50万円で、計150万円にはなります。私は内装業者とは別に、2件の専門の業者さんも見積をとり、50万円ですべてを実行できました。
またエアコンも、内装業者にお願いすると100万円はします。私はインターネットで調べて、メーカーから直接仕入れることで、20万円で新品を揃えることができました。このように、内装業者が出してきた細かな見積書を、一つひとつ自分で調べることで、すべて半額以下に収まるのではないかと思います。
厨房機器については、冷蔵庫、冷凍庫、コンベクションオーブンなどは新品ですが、昔からの知り合いの厨房機器業者さんにお願いし、新規オープンはしたものの営業しなかったお店の設備を、定価の5分の1くらいの金額ですべて購入することができました。また、ストーブ、コールドテーブル、製氷器などは、メーカーがバラバラで中古品ですが、自分が使いやすく、フラットな厨房になるような機器を選定しました。
──お店は非常にコンパクトな空間ですが、狭さを感じさせませんね。
- 客席と厨房を隔てるカウンターも赤で統一
- 真中
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ありがとうございます。いろいろな工夫がありまして、まず色の統一をしています。赤と白と黒の3色しか使っていません。例えばレジも赤色です。色でお客様に広さを感じていただけているのではないかと思います。
私のお店は小さなお店ですが、お客様にどれくらい満足していただけるかを重要なポイントと考えています。例えば、テーブルはすごく小さいので、じゃまになる丸い皿は使わず、あえて変形の皿を使っています。また、お水のコップはイラン製で、氷を入れて太陽の光があたると青く光ります。そういったグラス選びでも、テーブルを広く表現できればと思います。
一方で、コストも重要です。テーブルは、実は足だけで3〜4万円します。それを知人からいただいてきて、大工さんに上の部分だけ板を貼り付けてもらいました。ですから、足と天板は別物です。テーブルクロスをしないのも、クリーニング費をかけないためのコスト削減策です。