料理と経営を基本的に分業。喧嘩は絶えませんが
お店を良くするために絶対に手を抜かないことが大切。
──オープンするまでに、ご苦労されたのはどんなことでしょうか。
- 天下井
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苦労というのは、まったくありません。何とかなるよ、という感じで、メニューが決まったのもオープンの1週間前でした。
奥さんは苦労したと思います。銀行に提出する書類も奥さんが用意しましたし、この物件をインターネットで見つけたのも奥さんです。私は後からついて行っただけで、あまり苦労はしていません(笑)。
──奥さま、いかがでしょうか?
- 天下井(奥さま)
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たいへんだと思ったことは、あまりありません。楽しい一大イベントなので、とにかくどんどん進めるだけという感じでした。ただ、すべての準備をオープン当日に向けてタイミングを合わせなくてはなりません。料理と同じですね。ガルニがあり、ソースがあり、魚や肉のフュージョンがピタッとタイミングが合ってはじめて完成する。それが一番のポイントかなと思います。
──ご夫婦でお店を運営するのは、オーナーシェフが1人でやるのとは何か違いがありますか?
- 天下井
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ウチの場合は、基本的に料理と経営を分業しています。私は売上の数字だけは見ますが、仕入れや支払いなどはすべて奥さんが把握しています。またメニューとワインの価格設定は私がやりますが、それ以外はすべて奥さんの担当です。
私はもともとサービスの経験も長いので、接客がどうしても気になります。料理をお出しする向きとか、些細なことで毎日喧嘩しています。ただ、お互いにお店を良くしようと思って意見を言い合っていますし、料理もサービスも絶対に手を抜かないことが必要だと思います。
- 天下井(奥さま)
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喧嘩は絶えませんが、お店のトップはやはりシェフだと思いますので、多少理不尽だなと思っても黙っています。誰がトップなのかがはっきりしていることが大事かなと思います。実は、自宅ではわたしがトップなんです(笑)。
──もうひとつ、食材を選ぶ規準と、食材の業者さんをどうやって見つけているのかを教えていただけますか。
- 天下井
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私の場合は、以前働いていたお店で使っていた業者さんが中心です。特に新しく仕入れ業者を探したりはしません。営業マンが来て、安いから乗り換える、というようなことはしない考えです。
また、フランス産の食材が冷凍になるのは仕方ないのですが、国産の食材は魚も含めて冷凍のものは使いません。その日その日で使い切って、新しいものを毎日仕入れるようにしています。