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オーナーシェフに聞く「独立開業への道」

徹底インタビュー/私のお店が出来上がるまで ⑥

青山に野菜畑を作り、野菜の魅力を
引き出すイタリア料理をご提供したい。
それが独立開業時のコンセプトでした。

Part2 野菜の魅力を引き出すイタリア料理とは

ソースの味で野菜を食べるのではなく、
シンプルなソースで野菜の旨味を引き立てる。

──神保シェフは、茨城県から委嘱を受けて「いばらき食のアンバサダー」を務めていらっしゃいますね。

旬の野菜でつくる「バーニャカウダ」。「テーブルに畑をお持ちする」がコンセプトの前菜。
神保

はい、生まれ故郷の茨城県は、実は野菜の一大産地です。レンコンや小松菜の出荷額は日本一ですし、その他にも実に豊富な野菜が各地で栽培されています。こうした茨城の野菜の魅力をぜひ知っていただきたい、という思いからお引き受けしました。

HATAKE AOYAMAの看板料理である「バーニャカウダ」にも、茨城県の提携農家が栽培した野菜がふんだんに使われています。「バーニャカウダ」はテーブルに旬の畑をお持ちするというコンセプトの前菜ですが、そのソースは、国産のニンニク、南イタリアのオリーブオイル、地中海のアンチョビ、そして隠し味としてパルミジャーノチーズを使った非常にシンプルなものです。あくまで主役は旬の野菜であり、ソースは野菜の味を引き立てる脇役なのです。

──今回お作りいただいた料理にも、野菜がたくさん使われていますね。

「春野菜のスパゲッティーニ パルミジャーノ風味」
神保

はい、今日作ってみた「春野菜のスパゲッティーニ パルミジャーノ風味」でも、スナップエンドウやアスパラ、ステックセニョールなどの春野菜をふんだんに使いました。シャキシャキとした野菜の食感と、野菜のうまみがしみこんだスパゲッティーニを楽しんでいただけると思います。

提携農家が栽培する野菜には、それぞれ個性があります。また同じ野菜でも、年によって味が異なります。そういう個別の特長をもった生産者と向かい合い、個性豊かな野菜を調理するのがプロの料理人の役割だと考えています。

広々とした店内で、野菜の旨味が引き立つイタリア料理を。

サービススタッフも、お客様に積極的に野菜のご説明をするように努めています。その野菜は誰が作ったのか、どう作ったのか、今年の野菜の味はどんな特長があるか、それをいかに調理したのか、等々。こうしたそれぞれの野菜の背景にある物語も、料理の一部だと思っています。


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