1. 最適厨房ホーム
  2. 最適厨房の「常識&非常識」〈初級編〉
  3. 電気はガスの換気量の半分で済むってホント?

厨房作りのヒント

設計・施工前に知っておきたい

最適厨房の「常識&非常識」

質問4 電気はガスの換気量の半分てホント?

店舗の厨房では油を大量に使うので、換気が気になります。
電化厨房にすると、換気量が半分で済むって本当ですか?

いいえ。熱源にかかわらず、快適な厨房環境には十分な換気が必要です。そして換気量を考えるポイントは、次の2点です。

1 国のガイドラインが推奨している換気量は、
ガスも電気も同じです。

図4は、厨房の必要換気量に関する、各種の算定方法を示したものです。換気量の算定方法には、次の3種類があります。

  1. 「フード部の面風速」に基づくもの
  2. 「機器の消費量」に基づくもの
  3. 「厨房室の換気回数」に基づくもの

国土交通省のガイドラインでは、いずれか大きい値になるものを採用することを推奨しており、一般的に最大値となる「フード部に面風速」に基づくものが採用されています。この方式は、換気フードの面積から換気量を算定することから、原則、ガスも電気も同じ計算式となり、従って導き出される必要換気量も同等となるのです。

※出典:令和3年度「建築設備設計基準」第4編 空気調和設備 第4節 火を使用する室の換気

図4:ガス厨房と電化厨房の必要換気量算定方式
ガス厨房と電化厨房の必要換気量算定方式

具体的な換気量計算の例はこちら

2 ガスの場合、その「ドラフト(上昇気流)効果」により
スムーズな排気ができます。

厨房内には、風の流れ(横風)が発生します。その要因は、調理作業者の移動、鍋振りなどの調理動作、換気による外気流入、スポット空調の気流、冷熱機器の放熱など、さまざま。図5でおわかりいただけるように、電気式機器の場合は燃焼ガスによるドラフト(上昇気流)効果がないため、横風が発生する実厨房で換気量を減らすと、フード補修率が著しく低下するおそれがあります。電化厨房だからといって、安易に換気量を少なく設計するのはたいへん危険なことであり、十分な換気量の確保が必要なのです。

図5:ガスと電気における「横風」の影響の違い
ガスと電気における「横風」の影響の違い

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