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セミナーレポート

2021.8.4

~ 神奈川県の食材を使った「地産地消」への取り組み ~

8月4日(水)横浜ガストロノミ協議会シェフによるオンラインセミナー「かながわやさいでうなぎ三昧」開催報告

2021年8月4日(水)「横浜ガストロノミ協議会」との共催、第二回オンラインセミナーを「厨BO!YOKOHAMA」を発信地として
開催しました。
創業79年の名店「日本料理梅林」の看板料理であるうなぎ料理のバリエーションを「かながわ野菜」とともに三代目店主 山下料理長にご披露いただきました。ナビゲーターには理事長飯笹光男シェフをお迎えし、使用された食材、神奈川県産の野菜とお米について、また和食の調理技法について詳しいお話しを伺いました。

今年の夏の「土用丑の日」は7月28日でした。特に土用丑の日にうなぎを食べると夏負けしないと言われることから、この時期に「うなぎ」を食べる方は大勢いらしゃると思います。
今回のセミナーでは、旬である栄養満点のうなぎとかながわ野菜を組み合わせた献立「うなぎ大和蒸し」「うなぎ燻製土佐酢ジュレかけ」「うなぎの柳川仕立て」「土鍋ご飯」とまさにうなぎ三昧。「ご飯の炊きあがりに全て合わせることが重要」とのことで、神奈川県で初めて特Aランクに認定されたはるみ米を土鍋で炊くコツも伺いました。
さらに、料理長の計らいで、貴重な島根県宍道湖産の天然活けうなぎ(お腹が黄色)愛知県一色産養殖活けうなぎ(あおうなぎ)を見せていただくことができました。

調理デモンストレーションは、土鍋でご飯を炊くところからスタート。かば焼き、白焼きを3品に仕立てるための作業中に「関東は背開き、関西は腹開きで使用する包丁が違い、関東は蒸してから焼き、関西は地焼きである。」「このように和食は、地域によって仕込み方や呼び名が違う。その違う味わいを楽しめるもの。」という印象的なお言葉がありました。

日本料理ならではの技法で、ひとつひとつの野菜を丁寧に下処理していきます。中でも冬瓜の皮目をきれいな翡翠色に仕上げたり、おくらのとげを取り、色よく茹で上げたりするための重曹塩の使い方。また、水なす(ごちそうなす)は水分が多いので、揚げても余分な油を吸わず形もきれいに仕上がる。揚げてから、茹でてから蒸して仕上げることで、美しい色がとどめられ、野菜のうま味や香りが残る絶妙な仕上がりになるなど。これだけの手間をかけることで完成する一皿、まさにプロの技を見せていただきました。調理デモンストレーション後に「梅林」79年の歴史もお話しいただき、日本料理の技術を伝承し続け、地元に長く愛されるお店であることを改めて感じました。

「野菜の魔術師」と呼び名の高い難波シェフ(ペタルドサクラ)に代表でご試食いただきましたが、改めてかながわ野菜の味わい、うなぎとの見事な組み合わせ方に感嘆されていらっしゃいました。
今回、うなぎと組み合わせた野菜はすべて神奈川県産。神奈川県は食の宝庫であり、地元の野菜を使いたい料理人の方々とのネットワークの強さを感じました。
今後も横浜ガストロノミ協議会とコラボしたセミナーを開催していく予定ですので、ぜひ奮ってご参加ください。

横浜ガストロノミ協議会は、横浜を「世界に通用するグルメ都市」にする、という構想のもとに発足し、地場産業の活性化に向けた「地産地消」を伝える活動や、次世代の食の担い手の育成活動などに尽力されています。
※「横浜ガストロノミ協議会」公式ウェブサイト
https://www.yokohamagastronome.com/

  • ▲腹が黄色く、背が黒い島根県宍道湖産の天然うなぎ<br>
料理長の粋な計らいで、めったにお目にかかれない天然活けうなぎを見ることができました。
    ▲腹が黄色く、背が黒い島根県宍道湖産の天然うなぎ
    料理長の粋な計らいで、めったにお目にかかれない天然活けうなぎを見ることができました。
  • ▲すべて神奈川県産の野菜とお米<br>
竹かごの上から反時計回りに、ごぼう、見事な冬瓜に粒が大きいとうもろこし。つやつやのおくら、万願寺とうがらし。美しい赤玉ねぎにごちそうなす、肉厚の大きな木耳。竹かごの外、右手前は一見ごぼうに見えますが、なんと自然薯!<br>
うなぎと共に主役の神奈川県で初めて特Aランクに認定されたはるみ米(十日市場佐藤農園産)<br>
    ▲すべて神奈川県産の野菜とお米
    竹かごの上から反時計回りに、ごぼう、見事な冬瓜に粒が大きいとうもろこし。つやつやのおくら、万願寺とうがらし。美しい赤玉ねぎにごちそうなす、肉厚の大きな木耳。竹かごの外、右手前は一見ごぼうに見えますが、なんと自然薯!
    うなぎと共に主役の神奈川県で初めて特Aランクに認定されたはるみ米(十日市場佐藤農園産)
  • ▲本日の献立<br>
(手前左から)うなぎ大和蒸し、うなぎ燻製、土佐酢ジュレかけ<br>
(奥左から)うなぎの柳川仕立て、土鍋ごはん<br>
限られた時間の調理デモンストレーションでしたが、全ての料理を丁寧にご紹介いただきました。
    ▲本日の献立
    (手前左から)うなぎ大和蒸し、うなぎ燻製、土佐酢ジュレかけ
    (奥左から)うなぎの柳川仕立て、土鍋ごはん
    限られた時間の調理デモンストレーションでしたが、全ての料理を丁寧にご紹介いただきました。
山下 英児氏
「日本料理梅林」三代目店主兼料理長

1970年7月20日横浜生まれ

昭和17年創業の老舗日本料理店梅林の長男として生まれ、子どものころから
調理の下処理、魚河岸への仕入れ、下足番等の料理屋の手伝いを経験しながら
育つ。明治大学卒業後1992年より東京人形町「吉星」で3年間修業を積む。

1995年「梅林」に戻り、1998年三代目として店主を引き継ぐ。2019年、
横浜市から優れた技能職者として「横浜マイスター」に選定される。

横浜ガストロノミ協議会副理事長兼専務理事