セミナーレポート
2022.10.25
【開催報告】「スチコンで作る!仕上がりワンランク上のスイーツセミナー」
スチコンとは、オーブン、スチーム、両方を合わせたコンビという3つの加熱モードがある調理機器(写真1番上)です。「蒸す」「焼く」「煮る」「炒める」「揚げる」「炊く」ができる優れもの。
本場フランスで腕を磨いた厨BO!専属シェフがスチコンを利用してスイーツ作りを実演し、参加者にご試食いただきました。
<Napoléon Pie> ナポレオンパイ
パイ生地をスチコンで焼きます。大きな一枚板で焼いて、8cm×25cmの長方形を3枚切り取ります。崩れやすいパイ生地ですが、切るときは波刃の包丁が良く、刃先を立てて引くように切りとるのがコツだそうです(写真2番目)。
パイ生地が焼けたら、クリーム・ディプロマットといちごを載せてくみ上げていきます。カットした残りのパイ生地も粉々にしてクリームに混ぜ、側面に塗ります。飾り付けは、アーモンドスライス、クリーム・シャンティイ、いちご、ミントなど。丁寧に鮮やかに盛り付けていきます。
<Tarte Tatin> タルト・タタン
19世紀後半、フランスのタタン姉妹が「失敗したりんごのタルト」から始まったお菓子と言われています。タルトというと通常型の底に生地を敷きますが、こちらは逆で、型の一番上に生地がきます。そそっかしいタルト姉妹が落としてひっくりかえってしまったから、という説もあります。
通常のオーブンだと加熱に数時間かかりますが、スチコンだと熱風も出るので、1時間の加熱時間でスピーディーに出来上がります。
写真3番目は、りんご・バター・グラニュー糖をスチコンで加熱後、型に隙間なく詰め入れているところです。
また、捨ててしまいがちな「りんごの皮」も余すことなく利用してソースを作りました(写真4番目)。砂糖を加えて弱火でコトコト煮て濾した後、葛粉でとろみをつけます。一晩おくときれいに発色するそうです。優しいピンク色をしています。
<Petits pots aux chocolat> チョコレートのプティ・ポ
小さなポット(壺容器)にチョコレートや卵黄・グラニュー糖を混ぜたものを入れて、スチコンで加熱します(写真5番目)。
シェフは壺を揺らして固まり具合を確認。プリンとクリームの間ぐらいが良いそうです。
ポット10個以上を一気に加熱しても、火の入り方にムラがなく、均一に仕上がります。スチコンを使うのにぴったりのスイーツです。
<Stollen> シュトーレン
ヨーロッパでは3週間ぐらい寝かせてから食べるようですが、セミナーでは作り方をお見せした後、4、5日前に作って熟成させておいたものをご試食いただきました。
写真6番目は、スチコンでしっかり焼き上げた生地に溶かしバターを刷毛で塗っているところ。表面も裏面もたっぷり塗って、グラニュー糖や粉糖を全体にまぶします。参加者から「グラニュー糖も混ぜるのはなぜですか」と質問が出て、シェフが実際に生地を見せながら「粉糖だけだと生地にしみこんでしまう。グラニュー糖だと粒感がしっかり出ます」とお答えしました。
スチコンでお菓子を焼き上げている間に、メーカーのラショナル・ジャパン株式会社から、使用方法(メニュー登録やWifi接続)、庫内の掃除(自動洗浄モードや環境に配慮した洗剤)について説明がありました。特に優れた性能として、「表示パネルの温度」と「庫内の実際の温度」の差が少ないことがあるそうです。
スチコンの購入を検討されている方は、機器のお試し利用もできますので、ぜひ「厨BO!YOKOHAMA」へご連絡ください。
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▲スチコンの操作パネルを説明するラショナル・ジャパンの松浦さん。メニューを20個ほど登録して使っているお店もあるとか。
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▲ナポレオンパイ。色使いがきれいですね。シェフのクリームの飾りつけの手つきを、じっと見つめる参加者もいらっしゃいました。
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▲自ら「甘党」というシェフのレシピは本当に美味しく、パイ生地も失敗しにくいものを練り上げています。参加者の皆さまには、そのレシピをお持ち帰りいただきました。
「シュトーレンやタルト・タタンは昔からあるレシピで、多少変えても美味しいもの。
そういう意味で完成されてるんですね。ぜひ作ってみて下さい。」
大阪あべの辻調理師専門学校卒業。
1992年渡欧 主にフランスなどヨーロッパで修業。
1995年帰国 国内のフレンチレストランでシェフを務める。
2010年「厨BO!SHIODOME」(東京ガス業務用ショールーム)シェフ。
2020年「厨BO!YOKOHAMA」シェフ。現在に至る。