セミナーレポート


2022.5.18
5月18日(水)開催報告「プラントベース(植物性)メニュー開発 オンラインセミナー」

生活の中に積極的に取り入れる消費者や、サステナブルな取り組みとして導入する飲食店も増えています。
今回は業界の第一線でご活躍中の杉浦仁志シェフと、野菜のスペシャリスト企業「カゴメ」がタッグを組んで、プラントベースフードの知見を深めていただくセミナーを開催しました。
このセミナーでは、「カゴメ」が下記の業務用食材を提供。
・ナスのグリルダイス
・レンティッキエ(レンズ豆)と大麦小麦のミックス
・濃縮飲料にんじん・オレンジミックス
・にんじんピューレ
これらを使って、杉浦シェフにヴィーガン料理を考案していただきました。
海外で修業を積んだ杉浦シェフは、国際色豊かな食と背景となる文化に触れて理解を深めるうちに、食を通して人々の健康やサステナブルな環境に貢献したいと考え、ヴィーガン料理に惹かれていったそうです。
最近では「プラントベースフード」という考えもあり、違いを説明してもらいました。
「ヴィーガン」は、完全菜食主義で日常的に野菜中心の食生活をすること。
「プラントベースフード」は、肉や魚など動物由来の食品も摂るが、健康や環境を考えて植物由来のものを積極的に選択すること。最近の海外の若者はこの考え方に徐々にシフトしているそうです。
そんな野菜をめぐる話をうかがいながら、調理一品目がスタートしました。
まずは「紫キャベツと雑穀のアントシアニンサラダ」。
「刻んだキャベツに、とにかく『バルサミコ酢・甜菜糖』を揉みこんでください。本当にたくさん、たくさん、こうして揉みこんでください」とシェフが熱演。一晩置いたキャベツを見せてもらうと、鮮やかな紫色になっていました!
オリーブオイル等で炒めたナスとレンティッキエ(レンズ豆)に、キャベツを混ぜ込み、ドライイチジクやミントで盛り付けます。
「きれい!デリで陳列されていたら、まず目が行きますね。」
「爽やかな酸っぱさに加えて、奥深いうまみもあり絶品!」などの声が上がりました。
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二品目は「にんじんのデクリネゾン」。
にんじんをシュレッドしたり、グラッセ、ゼリー、クランブル、ソースにしたり。まるごとにんじんの一皿です。
手際よく調理しながら、ヴィーガン料理に使う油やワイン、凝固剤まで話が及びます。
鮮やかに仕上がったオレンジ色のにんじんの上に、花びらや緑色のタイムが載せられ美しい料理になりました。
にんじんという1つの食材で、バリエーションの違う味、食感、見た目が展開され、杉浦シェフの世界観が広がります。
味わい、デザインの両方で楽しめる一皿となりました。
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実演の合間には、ヴィーガン料理について、いろいろお話いただきました。
「野菜のみだと料理にコクが出ないことがありますが、多様な食材を組み合わせたり、木の実や果実を入れたりしてみてください。」
「キャベツの芯なども使って、食材全体を食べてください。僕も型抜きした残りのにんじんも使って無駄にしません。」
また視聴者からは「今回のセミナーを高齢者施設のメニューづくりに役立てたい」という話があり、シェフからは「スープ」というキーワードが出てきました。スープにすれば、水に流れ出てしまう野菜の栄養も取り込めますね。
今「環境」や「健康」に配慮した食が世界で見直されています。まずは日常生活の中で、環境・健康を意識して積極的に野菜を取り入れ、お店でも実践することで、人と地球に優しいプラントベースフードが社会に広がると良いなと思います。
これからも引き続き、東京ガスでは皆さまのお役に立てるようなセミナーを開催できるよう努めてまりいますので、ぜひ今後のセミナーもお楽しみに!
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▲にんじんをゼスト(すりおろし)して風味づけ
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▲「紫キャベツと雑穀のアントシアニンサラダ」
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▲「にんじんのデクリネゾン」

2017年 世界的なベジタリアン料理コンテスト「ベジタリアンチャンス」で
トップ8シェフを受賞。
2018年 ザ・ベスト・オブ・シェフ50受賞。
2019年 Vegetarian Award料理人賞を受賞。
ヴィーガンの第一人者として日本と世界を繋ぎ、グローバルなステージで活躍中。