資金調達には、建設会社などに協力を依頼。
        事業計画書は「4W2H」で十分に検討を。
        ──新規にお店を出すには多額の資金が必要です。その資金を銀行で借りる場合のアドバイスをお願いします。
- 小倉
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            借入をする場合、一番お勧めするのは国民金融公庫(現在の日本政策金融公庫)です。ここは金利が銀行よりも1%ほど安く、この差は非常に大きいと思います。たとえば3,000万円を借り入れて15年返済する場合、1%の差は15年間で300万円くらい違ってくるのです。 資金を借り入れる時のコツですが、建設会社や厨房機器メーカーに協力してもらうのがよいと思います。建設会社は自社で店舗の建設を担当したいわけです。ですから、銀行を紹介してくれる。建設会社や厨房機器メーカーの紹介ですから、金融機関でも話が通りやすくなります。本を読むと、「資金は親族から集めて、利子がないようにしなさい」と書いてあります。でも親族は、後々のゴタゴタが出てきます。自分自身も甘えてしまいます。「返済をもう少し待ってくれ」と言ってしまいがちですので、私は親族からの借り入れはあまりお勧めできません。 それから銀行は、借りたお金を返済することを歓迎するとは限りません。私がオープンして1年で400万円ほど繰上返済したいと話をしましたら、銀行が非常にいやな顔をしたのです。銀行が受け取る利息が減るからですね。ですから、後々自分が2店舗目を出店したいのであれは、銀行とのつきあいを大切にし、定期預金などをする。そうすると銀行とのコミュニケーションが良くなって、いろいろ提案してくれたり、次の借り入れもしやすくなるわけです。もちろん、最初のお店だけでよい、銀行との関係が悪くなっても気にしないということであれば、繰上返済すべきでしょう。 
──資金の借り入れには事業計画書が必須ですが、書き方のアドバイスはありますか。
- 小倉
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            事業計画書は一番大切です。そのために、私は『事業計画書の立て方』という本をおすすめします。 
 それによると、事業計画書には書き方があって、銀行にとっての見やすさが重要だとあります。特に一番大切なのが「4W2H」。4Wというのは「What、Whom、Where、When 」、2Hは「How much」と「How to」のことです。Whatというのは、自分が「何を」売るのか、どんな「サーヴィス」を売るのかを決めることです。高級なフレンチレストランにしたいのか、大衆向けの賑わいのあるお店にしたいのか。自分が売る商品やお店の方向性が大切だと思います。 次がWhom。お客様やスタッフなどの「人」です。どこの商圏の人に来店していただくか。私の場合は、松阪で10万人、伊勢で10万人、津には20万人いて、その人々が車で20分くらいで来られるという立地を考えています。 Where は「場所」。表通りにお店があれば、普通に目立ってお客様も入ってきやすいですし、逆にフランス料理では「探していくのに価値がある」という面もあります。ただしその場合には、予約以外は来店されないことになるので、十分な考慮が必要です。 Whenは「時間」。田舎ですと、ディナーは7時半以降のご来店はありません。私の店も8時半ラストオーダーですが、お客様がいない時には7時半で閉店します。逆にランチの場合には、11時開店と11時半開店で、お客様の入り具合が大きく変わります。仕込みのしかたも変わってくるので、慎重に考えなければなりません。 
メニューと価格は、他店を調査してから検討。
        売上予測は、損益分岐点の視点で慎重に。
        ──価格設定やメニューも難しいですね。

- 小倉
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            はい。価格は非常に重要です。最初に低い価格設定をしてしまうと、そのイメージが定着し、なかなか上げることはできません。その辺も注意して、他のお店の価格をしっかりと調査したほうがよいと思います。たとえば、1,000円のコースと3,500円のコースとでは、お客様の層が全然異なります。1,000円という価格帯は市販品の味が「美味しい味」になっているので、こだわった素材の微妙な味には共感していただけません。逆に3,500円のコースを中心にしようとしても、一人よがりになってしまう危険性もあります。非常に難しいところだと思っています。 私の店の場合、お客様の頭の中にある最適価格は、当初決めた1,350円です。この価格で満足していただけるように、ハンバーグをお出ししています。そのハンバーグも、普通のものではなく、噛みごたえのある独特のものにしています。その一方で、2,700円のランチコースを作っており、こちらはお子さんがいる30〜40代のお客様に人気になっています。これからも試行錯誤は続くでしょうね。 それからもう一つ、事業計画書で大切なのが売上予測です。自分が、この土地で、いくらのメニューをいくつ売っていくのか。それをしっかりと計算しなくてはなりません。銀行は、自分が出した売上予測が50%の達成率に終わった時でも、経営が成り立つかを見ています。いわゆる損益分岐点ですね。私の場合は、昼に6人、夜に6人ご来店いただければ店は維持できるという計画書を作りました。損益分岐点を出すためには、材料仕入れ、スタッフ人件費、水道光熱費、借入金返済額をしっかりと計算する必要があることはもちろんです。 実は私の場合、銀行に認めてもらえた一番の要因は、日経レストランで優勝したことでした。その記事が掲載された雑誌を見せたことが、非常に大きかった。コンクールに挑戦することは、人を説得できるし、自分のブランドにもなるので、ぜひ積極的にチャレンジすべきだと思います。 






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